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くすりの発明・発見史

岡部 進 (著)

南山堂

  • ISBN : 9784525721312
  • ページ数 : 231頁
  • 電子版発売日 : 2011年5月31日
  • 判 : A5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥3,080 (税込)
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商品情報

私たちの日常生活に必要かつ不可欠なくすりがどのような経緯で発見,あるいは発明されたかを解説した「くすりの発明・発見史」の電子書籍版です。

■ 序文

1883年,英国の作家ロバート・スティーブンソン(Stevenson R,1850~94)が冒険小説「宝島」を発表して以来,同書は現在に至るまで世界中の子どもはもちろん,大人にも読み継がれている.悪名高い海賊フリント船長が密かに隠したという莫大な財宝がある.その場所が書いてある1枚の地図を頼りに,主人公のジム少年,船長,医師,そして恐ろしい一本脚の海賊シルバーたちが宝島へ向かう,というスリリングな物語である.

この「宝島」を読んだ同じ英国の作家ヘンリー・ハガード(Hagard RH, 1856~1925)は,1885年,舞台を海洋からアフリカの奥地に変えて,「ソロモン王の洞窟」という冒険物語を書いた.もちろん,あのソロモン王の栄華を支えた財宝の埋蔵地を探す物語である.

ソロモン王の秘宝を求めて,探検隊員が目的地に向かう途中,食料補給のためにある村に立ち寄る.そこでは,横暴な白人の撃った銃弾が村の娘の足に当たり,祈祷師が祈っていた.傷はひどく化膿していたので,隊員の1人がコカインの麻酔下に化膿部位をナイフで切開し,排膿した.ナイフで切開されながらも,泣き叫びもしない娘を見て,酋長は奇跡が起きたと思った.SF作家アーサー・クラークは,「非常に進んだテクノロジーは魔法と区別できない」といっているが,麻酔薬はまさに魔法のようにその有効性を発揮した.

人類が誕生して以来,戦いで矢や槍が体につき刺さった時,メスやナイフで体が切られる時,あるいは女性が分娩する時は必ず痛みを伴い,それが自然の摂理であると考えられ,納得していた.痛みは痛みとして自然に受け入れられ,それを避ける方法を探すことなどは論外であった.したがって,酋長は,ナイフで切られているのに,泣き叫びもしない娘を見て仰天し,魔法をかけられたと思った.娘は無言でナイフの動きを見ていただけだ.

もっとも,古代社会では,阿片やヒヨスなどの薬草や酒類を使用するか,患者を殴って気絶させるか,なんらかの手段で脳震盪を引き起こさせてからメスが使用された.近世になると,実質的には効果の弱い薬草や脳震盪は影を潜め,手術時間の短縮で,患者の苦痛を軽減した.ところが,約200年前頃から,麻酔という新しい概念が立ち上げられ,手術の時に痛みがあるのは自然の摂理であるという考えから解放された.つまり,手術は無痛で実施すべきであるという考えに変化した.意識がない場合は全身麻酔であり,意識がある場合は局所麻酔という用語が誕生した.人類の歴史が約1万年と考えると,10000年-200年=9800年間人類は,麻酔という概念も,またそれを支えるくすりも持たなかったことになる.現時点から考えると信じられないことであるが,現実であった.

映画「キング・ソロモン」では,道案内人と探検隊の一行が密林や砂漠を越える苛酷な旅に出る.いよいよ財宝が隠された秘境に入る直前になって,従者たちが荷物を盗んで脱走する.道案内人は,残されたものの中から,武器(rifle),食料(meal),そして薬箱(drugs)だけを持って前進することを指示する.アフリカの原野の真ん中に取り残された人間にとって,絶対に必要なもの3つの中にくすりが入っていた.舞台は熱帯地方だ.奇跡のくすりコカインの他にも,キニーネなど貴重なくすりが入っていたはずだ.そして,何も探検隊に限らず,現在我々も国内外で少し長い旅に出る時は抗生物質を初め種々のくすりをかならず携帯する.


◆偉大な人とは,方向性を示した人のことである.   [ニーチェ]


手術時には麻酔薬を使用し,マラリアを罹患した時はキニーネを飲むという新しい考え,あるいは方向性を示した人は,一体どのような人であり,どのような機会に,思いついたのだろうか.ある人たちは,ある方向性を示し,ノーベル賞を受賞し,幸福な生涯を終えたが,ある人たちは,独創的な方向性を示したにもかかわらず,不遇な人生を送り,ダンテのように国外に追放されるか他国に亡命するか,あるいは自らの命を絶った.

以下,我々の日常生活に必要かつ不可欠なくすりがどのような経緯で発見,あるいは発明されたかを,発明・発見者の人生行路にも焦点を当てながら,ご紹介する.発見されたくすりには現在も使用されているものもあれば,現在使用中のくすりの原型あるいはシードになったものもある.

本書は,薬学を学び,薬剤師として活躍する人はもちろんのこと,医師,看護師,検査技師,介護士など職業として医療に従事し,何らかの形でくすりに関与する人,あるいは病気の治療にくすりを服用している人,手術を控えている人でくすりに興味を有する人にとっての,ガイドブックになればとの思いで書いた.したがって,本書は,あくまでもくすりの発明,発見の歴史を概略したものであり,各薬物の作用機序などの詳細は薬理学の成書に譲る.


2007年 早春,京田辺にて
岡部 進

■ 目次

第1章 くすりの来た道

第2章 吸入麻酔薬の発見

・笑気ガス物語

・エーテルとクロロホルム物語

第3章 局所麻酔薬の発見

・カール・コラーの閃き

第4章 ある抗パーキンソン病薬の発見

・ヨセフ・クノール博士

第5章 抗アレルギー薬の発見

・モナコの海

・イソギンチャクの毒素

第6章 強心薬の発見

・薬草と矢毒

・フレンケル博士の治療薬

第7章 血液凝固阻止薬の発見

・ヘパリン物語

・ワルファリン物語

第8章 抗マラリア薬の発見

・ペルーの国旗

・ジントニックの効果

第9章 ハイデンハイン教授の2人の弟子

・イワン・パブロフ

・アーネスト・スターリング

・モルヒネと条件反射

第10章 薬物依存からの脱却

・「黄金の腕」とマーフィー

人物評伝

発明・発見史年表

あとがき

■ 特記事項

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