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極論で語る感染症内科

  • ISBN : 9784621089781
  • ページ数 : 160頁
  • 書籍発行日 : 2016年1月
  • 電子版発売日 : 2017年1月6日
  • 判 : A5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
販売価格 (ダウンロード販売)
¥3,850 (税込)
ポイント : 210 pt (6%)

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商品情報

岩田 健太郎氏が『極論で語る』シリーズを執筆!

抗菌薬を選ぶときのコンセプト、現行のガイドラインを読むときにどうしても知っておいてもらいたいこと、感染症にまつわる臨床的な問題を考える際に、頭の片隅に置いておきたい内容を13章にまとめています。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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■ 序文

まえがき

感染症は微生物が起こす疾患である.現代では当たり前の事実だが,これが事実と判明したのは比較的最近のことだ.実証したのはロベルト・コッホで,19世紀後半のことである.彼は炭疽菌を用いて「コッホの原則」を提唱する.それは一病原体 vs 一疾患の関係性も暗示していた.炭疽菌だけが炭疽の原因である.両者には1 対1 の関係が成立するのだ.

「コト」としての感染症と,「モノ」としての微生物.両者はもちろん同じではない.しかし,両者の1 対1 の関係が強固な限り,インターチェンジャブルではある.炭疽対策をうっかり炭疽菌対策といってもコミュニケーションに支障はない.事実,現在に至っても微生物と感染症の勘違いはあちらこちらに認められる.

世界三大感染症は,結核,マラリア,エイズである.それぞれ毎年何十万,あるいはそれ以上の人命を奪っている.

20 世紀の感染症対策は,そのまま「原因微生物対策」であった.結核対策は,結核菌対策とほぼ同義であったし,マラリア対策はマラリア原虫対策とほぼ同義であった.結核の専門家は,「結核菌の専門家」であり,マラリアの専門家は,......以下同文.

しかし,21 世紀になり,事態は大きく変わる.いや,われわれの認識の仕方が変わったのである.

この頃,世界三大感染症の結核,エイズ,マラリアとは別に,やはり多くの人命を奪っている感染症が2 つあることが明らかになった.

それが肺炎と下痢症だ.だが,そこには疾患と微生物の1 対1 の関係はもはや存在しない.「肺炎球菌」による感染症であっても,その「感染症=現象」が異なれば,治療法は大きく異なる.肺炎であれば,たいていはペニシリンで治療でき,髄膜炎であれば,ペニシリン以外の抗菌薬を要する可能性が高い(それは,本文で解説するように,決してカルバペネムでは,ない).中耳炎や副鼻腔炎であれば,(たとえ肺炎球菌が原因であっても)おそらくは抗菌薬なしで治ってしまう可能性が高い.脾摘の患者の感染では,「何をやっても治らない」ことも多い.肺炎球菌か,否か,の命題だけでは問題をクリアできないのが,21 世紀型の感染症診療,感染症対策なのである.

風邪という「現象」においては,抗菌薬なしで治る可能性が極めて高い.理由の1 つは,それがウイルス性疾患だからである.しかし,「風邪」という現象だと思っていたが,それは認識違いで,じつは風邪ではないということがある.それが抗菌薬を必要とする現象であることもある.小児だと,マイコプラズマ感染症がウイルス性の上気道炎と間違えられることはあろう.

しかし,それは「風邪のように見える,じつは風邪ではない現象」である限り,「定義として」重症感に乏しい患者に違いない.呼吸数や顔色など,丁寧に患者を見ていれば,仮にそれが「風邪」ではなかったとしても,急転直下で患者を殺すような現象ではありにくい(あり得ない,とはいえないにしても)現象なのは察せられよう.

だから,じっとビクビクしながら慎重に患者を見続ければよい.そして,「これは風邪のように見えて,そうではない.抗菌薬の必要な感染症だ」と判断できたところで,抗菌薬治療に踏み切ればよいのである.

感染症は微生物が起こす疾患である.しかし,感染症は微生物「そのもの」ではない.感染症内科学は微生物学を応用した内科学である.しかし,もちろんそれは微生物学そのものではない.あくまでも,その専門性は内科学のそれ,なのである.微生物学の対象はもちろん微生物だ.感染症内科学の対象は,患者である.ものごとを徹底的に,ラディカルにつきつめて考えると,これまでぼーっとして見逃していたことが,案外見逃してはいけないことであると気づくことがある.【極論】は,トンデモではない.トンデモとは中途半端な空想に基づく思考停止であり,ここでいう【極論】は思考停止を徹底的に阻み,ベッドサイドにとどまり続けるリアルなあり方そのものだ.

本書を読むのは医療従事者であろうから,あるレベルの知性は担保されているはずだ.しかし,思考停止をもたらすのは知性の欠如ではない.同調圧力に抗えない,なあなあでよかったことにしたがる怯懦である.【極論】に必要なのは勇気なのだ.どんなに知性の高い医療者であっても,同調圧力に屈しない勇気を欠いていては,容易に思考停止,前例踏襲の罠にハマる.

私はだから,読者が知性に勇気を併せもって,本書を読んでいただくことを切に希望する.

本書の一部は私のブログ「楽園はこちら側」(//georgebest1969.typepad.jp/blog/)にアップした内容を改変したものだ.逆に,本書の原稿の多くは,事前にブログやFacebook にアップしたものだ.

これは読者の意見や指摘を聞くことで内容の妥当性に磨きをかけるためである.実際,このようにアップした内容に「そこは間違ってまっせ」とか「こんな論文もありますよ」といった情報提供をいただき,本書のリファインメントにとても有用だった.

本書を制作するにあたり,ご助言いただいた皆様の名前はここでいちいちあげませんが,アドバイスをくださった皆様すべてにこの場を借りて厚く御礼申し上げます.


2015年12月吉日

著者 岩田 健太郎

■ 目次

1章 序論 抗菌薬の「極論」的選択 その1

2章 序論 抗菌薬の「極論」的選択 その2

3章 急性咽頭炎と中耳炎の治療戦略

4章 肺炎の治療戦略

5章 カテ感染の治療戦略

6章 骨関節感染の治療戦略

7章 髄膜炎の治療戦略

8章 尿路感染の治療戦略

9章 胆管炎の治療戦略

10章 急性細菌性腸炎の治療選択(カンピロバクター腸炎)

11章 性感染症の治療戦略

12章 インフルエンザの治療戦略

13章 HIV/AIDSの治療戦略

■ 特記事項

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