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終末期医療を考えるために 検証 オランダの安楽死から

  • ISBN : 9784621301142
  • ページ数 : 176頁
  • 書籍発行日 : 2016年12月
  • 電子版発売日 : 2018年10月26日
  • 判 : 四六判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥2,860 (税込)
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商品情報

生命終結のありかたをめぐる、日本における終末期医療のあるべき姿について考えるために書かれた一冊。

オランダで耳鳴りによる耐えがたい苦痛から、安楽死を望み永眠した女性のケースを取り上げ、患者の死ぬ権利、医師の側における死の介助を拒否する権利など、さまざまな見地から検討されてきたオランダの安楽死法制定に至る背景を検証。

■ 序文

はじめに


2002年にオランダとベルギーは前後して安楽死法を施行した。2009年にはルクセンブルクも安楽死法を施行した。その後これらの国では年々安楽死の数は増加し、オランダでは、2015年に5516件、安楽死の届け出があり、ベルギーでは、2015年に2021件あった。ベルギーの安楽死の例では、13年に生まれつき聴覚障害のある双子の兄弟がその後さらに視覚障害も患い、お互いの顔を見ることができなくなることは耐えがたいと安楽死した。また、性転換手術に失敗した男性は、心と異なる体に閉じ込められて生きることは耐えがたいと言って安楽死した。2014年9月には、強姦罪による長期刑受刑者が性衝動を抑制するための適切な治療を受けることができない精神的苦悩に耐えられず安楽死を要請していたが控訴審で認められた(このケースは、法相が2015年にその施行を差し止めた)。

一方オランダでは、2014年3月に耳鳴りで苦しむ女性が2人の子どもを残して安楽死した。2015年には、幼少期に性被害を受けた20代の女性が事件のトラウマから逃れられず安楽死した。さらにオランダでは2つの団体が2016年に自死用ピルの解禁請願を国会に提出している。安楽死先進国に起きているこれらの動きをどのように受け止めればよいのだろうか。安楽死を考えるということは、苦痛の中でもだえ苦しむ末期がん患者のケースだけではなく「生きるのに疲れた」という患者にとっての実存的苦悩をも考える対象とはならないのか。また安楽死法を施行して14年がたったオランダとベルギーは同じ道を進んでいるのだろうか。相違があるとしたら、何なのだろうか。

一方、日本では、ここ数年、超党派の議員連盟により、尊厳死を法律で許容しようという『尊厳死法案』(仮称)が国会に上程されようとしている。ここ十数年、終末期における治療の停止などの行為が繰り返されるたびごとに、手を貸した医師を訴追するか、訴追しないかということが問われている。しかし、議論されはするが、意思決定のプロセスが作られたばかりで、それ以上は煮詰められていない。この法案の骨子は、2人以上の医師が終末期であることを判断した場合、患者の意思を尊重して、治療の差し控え・中止をした医師の責任を免責するということ、にある。それでは、日本のこの法案はオランダの安楽死法と何が異なるのか。

安楽死と尊厳死・緩和医療の死の間には、作為・不作為、意図・無意図の観点で、相違があるというのである。人を死に至らしめる行為を意図的に為すことと、意図せずに結果として人を死に至らしめることとは異なるということである。また、患者の明白な要請があれば、安楽死を認めてもよいと考えられるが、しかしこのような自発的安楽死を一端認めると、非自発的安楽死や反自発的安楽死へと坂道を転げ落ちるのではないかという強い懸念(すべり坂論証)が指摘されている。

このように尊厳死と安楽死の相違ばかりが強調されているが、それ以上にもっと大切な相違がある。それは、日本には「患者の権利法」が存在しないということである。つまり、日本の医療は、患者の自己決定を重視する新しい医の倫理ではなくて、相変わらず、医師が患者に代わって決めるというパターナリズムなのである。日本医師会「医の倫理綱領」(2000年)にも、「薬剤師倫理規定」(1997年)にも、患者の権利や意思を尊重するという文章はない。それにもかかわらず、終末期の場面でだけ、患者の意思を尊重しようというのである。そこに薄ら寒さを感じるのは私だけではないだろう。

本書はオランダで耳鳴りによる耐えがたい苦痛から安楽死を望み永眠した女性のケースを取り上げ、患者の死ぬ権利、医師の側における死の介助を拒否する権利など、さまざまな見地から検討されてきたオランダの安楽死法制定に至る背景を検証する。もって、生命終結のありかたをめぐって揺れるわが国の終末期医療のあるべき姿を考える。

■ 目次

プロローグ

第1章 オランダ安楽死の現状――二つの委員会報告

1・1 医療上の生命終結の三つのタイプ

1・2 レメリンク委員会報告

1・3 安楽死審査委員会(RTE)報告

1・4 オランダ安楽死の最近の動向と現状のまとめ

第2章 オランダ安楽死法の原理

2・1 「注意深さの要件」

2・2 「思いやり・ケアリング」

第3章 安楽死審査委員会

3・1 安楽死審査委員会(RTE)――透明性

3・2 安楽死後の手順

3・3『実施手引書』(Code of Practice 2015)

第4章 家庭医制度――信頼性と安楽死クリニック

4・1 家庭医と信頼性

4・2 安楽死クリニック(SLK)

第5章 オランダにおける現在の課題

5・1 認知症/精神疾患のケース

5・2 安楽死の宣言書

第6章 耳鳴りのケースの裁定

6・1 耐え難い苦痛の問題

6・2 耳鳴りのケース

第7章 「華ちゃんのケース」との比較

7・1 華ちゃんのケース

7・2 尊厳死と安楽死

7・3 究極の問い


エピローグ――『人生の終焉』法

おわりに

資料

付録

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