Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸管理

  • ページ数 : 380頁
  • 書籍発行日 : 2014年9月
  • 電子版発売日 : 2016年4月1日
¥5,500(税込)
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商品情報

内容

人工呼吸器設定の根拠を病態から理解し、ケーススタディで実践力をアップ!

「患者にやさしい人工呼吸管理」を行いたい方は必読!基本から、よりステップアップを目指すための内容も満載!
日常診療で遭遇するような疑問も詳細に記載されていますので、専門書では難しい…という初学者にもオススメ!

序文

人工呼吸器と聞いてどんな印象をお持ちでしょうか?

「いろんなボタンやら機能が付いていてとっつきにくいヤツ」

「やたらとヒステリックに甲高いアラームを鳴らす気むずかしいヤツ」

「裏で何をやっているのかわからない謎めいたヤツ」

というような印象をもって,できれば人工呼吸器とはお近づきにならずに済ませたいと思っている方もいるかもしれません.

確かに,人工呼吸器には何だかよくわからないアルファベットの名前が付いた機能がやたらとたくさんあって,人工呼吸器とわかり合いたいという医療者の気持ちはいともたやすく挫かれてしまいがちです.

ところが,患者さんの側から見てみると,人工呼吸器がしているのはとどのつまり患者さんが自分で十分に息を吸えないときに外から圧をかけて手助けする,という割とわかりやすい肉体労働系の作業で,それほど摩訶不思議に高度なことではありません.

人工呼吸器を扱ううえで最も重要なのは,人工呼吸器の見た目の難しさに振り回されるのではなく,患者さんの病態を理解し,それぞれの病態に合うように呼吸を手助けすることです.みなさんが人工呼吸器取り扱い説明書ではなく,人工呼吸管理の本を手に取っているのは,器械の操作方法に詳しくなるのが目的ではなく,患者さんの病態に合わせてどのように使い分けるかを知りたいからではないでしょうか?タイトルにもあるように,本書は「病態で考える」ことに重点を置いて人工呼吸器を設定・調節し,トラブルに対処する方法を説明しています.「どんな患者さんにもなんとなく同じようなお仕着せの設定にするのは卒業したい」「自分で考えて人工呼吸器を調節できるようになりたい」という方に是非読んでもらいたい本です.

どのような知識レベルからでも読み始められるように,本書は内容によって次の3段階に分かれています.

★★★:すべての人向け

★★★:基本がわかって,すこしステップアップしたい人向け

★★★:もっと人工呼吸器を使いこなしたい人向け

「まずは基本から」という方は★★★の項目だけを通して読めば,それだけでも日常診療に役立つ体系的な知識が身につくはずです.「基本がわかってきたので,もう少し詳しく知りたい」という方は★★★に加えて★★★を読めば,同僚や後輩から呼吸管理についてややこしい質問を受けてもたいてい答えられるようになるでしょう.「バリバリ人工呼吸器を使ってやるゼ」という熱い志をお持ちのかたは,★★★から★★★までを通して読めば各項目のつながりがわかってさらに理解が進みます.

人工呼吸管理の考えかたを身につけるのが目的なので,本書ではそれぞれの疾患についての人工呼吸以外の情報はあえて省いていますが,その代わり日常診療で遭遇するような人工呼吸についての疑問にはなるべく詳しく答えるようにしています.

それでは,患者さんと患者さんの肺に優しい人工呼吸管理をいっしょに考えてみましょう.


2014年 8月 機内にて

田中竜馬



目次

第0章 人工呼吸10箇条

第1章 呼吸不全の考えかた 〜人工呼吸に強くなるための基礎知識

1) 呼吸不全とは

2) ガス交換とは

3) 高二酸化炭素血症のメカニズム

4) 低酸素血症のメカニズム(1)

5) 低酸素血症のメカニズム(2)

6) 機能的残気量とガス交換

7) 呼吸仕事量とは

第2章 病態ごとの治療がわかる 人工呼吸の考えかた

1) 人工呼吸とは

2) 人工呼吸の適応

3) 気管挿管の適応

4) 気管挿管,人工呼吸導入の考えかた

5) 人工呼吸に役立つ肺モデル

6) 胸壁コンプライアンスとは

7) 人工呼吸器の呼気

8) 時定数という考えかた

第3章 人工呼吸器のモード 〜基本のA/C, SIMV, CPAPをおさえよう

1) モードの選び方

2) A/Cとは

3) SIMVとは

4) SIMVでの注意点

5) SIMV+PS

6) トリガーウィンドとは

7) CPAPとは

8) モードのまとめ

第4章 人工呼吸器設定(1) 〜まずは従量式(VCV)の設定を理解しよう

1) VCV設定の考えかた

2) 換気に関する設定(1):1回換気量

3) 換気に関する設定(2):呼吸回数

4) ARDSで1回換気量を6mL/kgにする根拠

5) 換気に関する設定とPaCO2の関係

6) PaCO2に影響する要因とは

7) 酸素化に関する設定(1):FIO2

8) 酸素化に関する設定(2):PEEP

9) PEEPの肺メカニクスへの作用

10) PEEPの循環への作用

11) PEEPの決め方あれこれ

12) リクルートメント手技とは

13) それ以外の設定(1):トリガー感度

14) それ以外の設定(2):吸気流量

15) 人工呼吸器の合併症

16) プラトー圧とは

第5章 人工呼吸器設定(2) 〜従圧式(PCV)の考えかたとその他のモード

1) 従圧式?従量式?

2) PCV設定の考えかた

3) 吸気圧の設定

4) 吸気時間の設定

5) 閉塞性肺疾患での吸気時間設定

6) ライズタイムとは

7) PCVとプラトー圧

8) プラトー圧と肺内外圧差

9) PRVCとはどのようなモードか?

10) プレッシャーサポート

11) プレッシャーサポートの設定

12) ターミネーションクライテリアとは

13) PSとPCVの違いは

14) プレッシャーサポートの仲間

15) トリガー/リミット/サイクル

16) 平均気道内圧という考えかた

17) APRV

18) APRVの人工呼吸器離脱

19) 人工呼吸ではモードよりも設定にこだわる

第6章 人工呼吸器モニター 〜患者さんの肺の状態を把握しよう

1) 人工呼吸器の診断的使い方

2) 人工呼吸器モニター はじめに

3) グラフィックの見方

4) 圧波形の見方

5) 流量波形の見方

6) 換気量波形の見方

7) 圧-換気量曲線

8) 流量-換気量曲線

9) グラフィックの異常

10) 圧波形からわかること

11) 流量波形からわかること

12) 換気量波形からわかること

13) どの波形からもわかること

14) 圧−換気量曲線からわかること

15) 流量−換気量曲線からわかること

16) VCVでの肺メカニクスの見方(1)

17) VCVでの肺メカニクスの見方(2)

18) PCVでの肺メカニクスの見方(1)

19) PCVでの肺メカニクスの見方(2)

20) オートPEEP(1)

21) オートPEEP(2)

22) ミストリガーとは

23) アラームの使い方

付録A) グラフィックパターンのまとめ

付録B) 肺メカニクスのまとめ(1)

付録C) 肺メカニクスのまとめ(2)

第7章 酸-塩基平衡 ~血液ガスを使いこなそう

1) 酸-塩基平衡の基本と代償のしくみ

2) 急性? 慢性? それが問題だ~呼吸性アシドーシスの見方

3) 代謝性アシドーシスと呼吸管理

4) 代謝性アルカローシスと呼吸管理

第8章 トラブルシューティング ~原因を鑑別して対処するコツ

1) トラブルに対する心構え

2) 突然の呼吸困難あるいは低酸素血症

3) 気道内圧上昇

4) 1回換気量低下

5) 気道内圧低下

6) 1回換気量上昇

7) 無呼吸

8) 呼吸回数上昇

9) 分時換気量低下

10) 分時換気量上昇

11) 電力供給低下,ガス供給低下

第9章 人工呼吸器離脱 ~SBTでとりあえずやってみる!

1) 人工呼吸器離脱の評価

2) SBTの方法

3) 抜管の評価

4) 人工呼吸器から離脱できないときには

第10章 NPPV ~気管挿管をしない人工呼吸とは

1) NPPVとは

2) NPPVの適応

3) NPPVのしくみ

4) NPPVの設定方法

5) その他の設定

6) NPPVの効果判定

第11章 病態別アプローチ

1) 病態を3通りに分けて考える

2) 正常な肺なのに人工呼吸が必要?

3) 正常な肺(1):自発呼吸が保たれている場合

4) 正常な肺(2):自発呼吸が十分でない場合

5) コンプライアンスが低下した肺

6) 気道抵抗が上昇した肺

7) 閉塞性肺疾患でムリに換気を増やしてもPaCO2が下がらない理由

8) ミストリガーをなくすためのPEEP

.

Case Study

1) 心肺停止にて搬送された男性

2) 咽頭痛と呼吸苦で受診した男性

3) Campylobacter感染後に筋力低下を発症した男性

4) 倒れているところを発見された女性

5) 気管支喘息重積発作で救急搬送された女性

6) 呼吸苦にて救急搬送となったCOPD の男性

7) 呼吸苦を主訴に受診した高血圧と脂質異常症のある男性

8) 朝目覚めないため救急搬送された女性

9) 自殺企図でエチレングリコールを服用した男性

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  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784758117562
  • ページ数:380頁
  • 書籍発行日:2014年9月
  • 電子版発売日:2016年4月1日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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