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多発性骨髄腫・全身性アミロイドーシスと腎障害の診断と治療

今井 裕一 (著)

羊土社

  • ISBN : 9784758118576
  • ページ数 : 294頁
  • 書籍発行日 : 2019年8月
  • 電子版発売日 : 2019年8月28日
  • 判 : B5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥6,600 (税込)
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商品情報

腎臓内科医,血液内科医は必読!

多発性骨髄腫・全身性アミロイドーシスと腎障害に関して知っておくべき基礎から最新知見までを解説.さらに様々なタイプの実際の症例を紹介し,診断プロセスと治療方法もわかる!
第Ⅰ部は免疫グロブリンに関する基本的知識,第Ⅱ部はアミロイドーシスに関する基本的知識,第Ⅲ部はタンパク尿に関する基本的知識から最新の知見まで,第Ⅳ部は多発性骨髄腫の治療薬,第Ⅴ部はケーススタディの構成。

■ 序文

1977年(今から42年前)に医師になりました.大学を卒業する頃にようやくEMIscanといった粗い画像のCTが出現した時代です.もちろんMRIなどまだありません.エコー検査も心臓の弁膜の波形を観察するMモードだけでした.救急現場で血管を確保するにも,血管をカットダウンしてカテーテルを挿入していました.輸液も末梢点滴だけでIVHはありませんでした.血液透析も台数が制限され,誰に透析器を使用するかを決めるために委員会が開催された時代でした.血液学分野では,白血病の診断がつくと余命半年で,運よく完全寛解に入っても,再発して2年以内に亡くなることが常でした.多発性骨髄腫も同様で,メルファラン+プレドニゾロンが奏効する人もいましたが,80%の患者は,治療抵抗性で数年以内の命でした.このような状況でも医療の進歩に貢献しようとする熱意と希望がありました.

1979年に初期研修を終えて母校の秋田大学医学部第三内科に入局しました.教授の専門は血液学,助教授は腎臓が専門でした.私は,いつも昼食を一緒に食べていた中本安助教授の腎臓学を専攻しました.博士号を取得して地方の基幹病院に赴任したのが8年目です.赴任先では血液と腎臓・膠原病の両方の診療を担当していました.血小板輸血を行うために夜間にCS3000という分離器を回したり,Goodpasture症候群の肺出血に対して血漿交換を行ったり大変な毎日でした.専門は腎臓ですが,血液学にも半分携わっていたので,今でもマルク(骨髄穿刺)も生検針を使った骨髄生検も得意です.

1986年にアメリカ留学から帰り,母校の大学で診療と教育と研究に従事していました.血液グループの仕事を脇から眺めていました.1990年代初めには,造血幹細胞移植が白血病の唯一の治療法として脚光を浴びていました.骨髄バンクが一縷の望みだったわけですが,2001年5月にPh染色体を有する慢性骨髄性白血病(CML)の特効薬としてチロシンキナーゼインヒビターであるイマチニブが市販され,治療法が一変しました.その後,いろいろな血液疾患に対して,分子標的薬である新薬が次々に開発され治療成績が大きく向上しています.最近の15年間の進歩にはめざましいものがあります.私自身は,血液疾患に関連した腎病変を多数経験し,その都度英語論文にまとめてきました.多発性骨髄腫関連の軽鎖沈着症,重鎖沈着症,軽鎖重鎖沈着症,アミロイド腎症,その他,造血幹細胞移植後の腎障害など現在でも結構引用されています.

2003年に秋田大学から愛知医科大学に移動しました.アミロイドーシス外来を開設し,東海地区から多くの患者さんが紹介され治療してきました.2003年に多発性骨髄腫の治療薬としてプロテアソーム阻害薬であるボルテゾミブがFDAに承認され,2006年10月から日本でも使用が可能となりました.さらに,2008年9月にはサリドマイドの製造販売が再承認され,その後,レナリドミド,ポマリドミドなどの免疫調節薬が市販されています.2019年には,抗CD38抗体であるダラツムマブが使用可能となりました.これらの新薬のお陰で,多発性骨髄腫の患者さんの予後は素晴らしく改善しました.不治の病から完全寛解をめざす時代になってきています.悲壮感から解放された医療を提供できる喜ばしい時代です.多発性骨髄腫と深い関連のあるAL型アミロイドーシス,軽鎖沈着症,重鎖沈着症でも有効で,予後も大幅に改善しています.今回,これまでの40年間の臨床経験をまとめ,診断と治療へのアプローチ法を提示する機会を得ました.第Ⅰ部は免疫グロブリンに関する基本的知識,第Ⅱ部はアミロイドーシスに関する基本的知識,第Ⅲ部はタンパク尿に関する基本的知識から最新の知見まで,第Ⅳ部は多発性骨髄腫の治療薬,第Ⅴ部はケーススタディの構成になっています.血液専門でも腎臓専門でも,ご自分の関心のある部分から読んでいただければ幸いです.

本書の作成にあたり,これまで指導していただきました前秋田大学学長三浦 亮先生,直接の指導をいただいた故中本 安先生,後輩であり同僚であった秋田大学教授高橋直人先生,涌井秀樹先生,准教授小松田 敦先生,秋田大学医学部第三内科医局の諸先生,愛知医科大学の先生方に深く感謝いたします.また,2年間の長きにわたり本書の出版に携わり,ご協力をいただいた羊土社深川正悟氏,保坂早苗氏に厚く御礼を申し上げます.


2019年8月

社会医療法人厚生会 多治見市民病院 病院長

愛知医科大学 名誉教授

今井裕一

■ 目次

第Ⅰ部 免疫グロブリンに関する基本的知識

1.免疫

2.グロブリン

3.アルブミン

4.免疫グロブリンの構造

5.抗体の標識化と(抗原)物質の認識

6.免疫グロブリンの種類

7.IgMの役割

8.IgGの役割

9.IgAの役割

10.IgA免疫の主体:消化管と分泌液

11.IgEの役割

12.免疫グロブリンの合成と遺伝子発現

13.遺伝情報の格納

14.免疫グロブリンの構造と遺伝情報

15.ユビキチン/プロテアソームの役割と多発性骨髄腫

16.多発性骨髄腫とMGUS

17.MGRS

18.MGRS診断の手順

第Ⅱ部 アミロイドーシスに関する基本的知識

1.アミロイド

2.アミロイドーシスの定義

3.前駆タンパク質によるアミロイドーシスの分類

4.LC-MS/MSによるアミロイドタンパクの解析

5.全身性と限局性の分類

6.全身性アミロイドーシスの臨床症状

7.アミロイド線維の伸展と全身性アミロイドーシスの進展機序

8.アミロイドの関連する疾患:タンパク質ミスフォールディング病

9.ALアミロイドーシスとAHアミロイドーシス

10.AAアミロイドーシス

11.SAA

12.SAAの動態と機能

13.腫瘍とAAアミロイドーシス

14.炎症性サイトカインとインフラマソーム

15.ピリンタンパク(ピリンインフラマソーム)と家族性地中海熱とAAアミロイドーシス

16.SAAとCRP

17.IL-1とIL-1阻害薬(アナキンラ)

18.TNF-αとTNF-α阻害薬

19.IL-6とIL-6受容体拮抗薬

20.IL-6のシグナル伝達

21.トランスサイレチン(TTR)

22.家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)

23.遺伝性ATTRアミロイドーシス

24.老人性全身性アミロイドーシス

25.透析アミロイドーシスとβ2-マイクログロブリン(β2-m)

26.β2-マイクログロブリン(β2-m)とHLA

第Ⅲ部 タンパク尿に関する基本的知識から最新の知見まで

1.尿タンパク試験紙法と尿タンパク定量の違い

2.毛細血管の定義

3.糸球体の発生とネフロンの形成

4.糸球体の構造

5.基底膜の構造とタンパク尿のメカニズム

6.上皮細胞の機能障害とタンパク尿

7.尿異常検査・治療にあたっての患者・家族への説明

8.タンパク尿と血尿でわかる病理組織型の7タイプ

9.タンパク尿主体の疾患

10.IgGサブクラス

11.膜性腎症の抗原と抗体

12.血尿主体の疾患

13.抗好中球細胞質抗体(ANCA)とNETsの概念

14.慢性腎臓病 (CKD)

15.パラプロテイン腎症とMGRS

16.MIDDとMGRS

17.原線維性糸球体腎炎とイムノタクトイド糸球体症

第Ⅳ部 多発性骨髄腫の治療薬

1.多発性骨髄腫治療薬の歴史

2.メルファラン

3.シクロホスファミドの作用と有害事象

4.シクロホスファミドは,アルキル化薬であり有機リン化合物である

5.プレドニゾロンとデキサメサゾン

6.多発性骨髄腫におけるステロイド薬

7.プロテアソーム阻害薬

8.免疫調節薬(IMiDs)

9.ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬

10.HDAC阻害薬 パノビノスタット(ファリーダック®)

11.抗CD38抗体〔(ダラツムマブ(ダラザレックス®)〕

12.新規薬剤の多発性骨髄腫に対する有効性のメタアナリシス

第Ⅴ部 ケーススタディ

症例1 Ⅳ型尿細管性アシドーシスを合併した軽鎖沈着腎症

1.赤血球沈降速度検査(赤沈)

2.CRP(C reative protein)

3.IgM

4.IgMが異常高値を示す3つの疾患

5.低レニン低アルドステロン症

6.レニンとプロレニン

7.糸球体に結節性病変を生じる4疾患

8.軽鎖による腎臓の障害

9.軽鎖沈着腎症

10.WMの最新の治療

症例2 単クローン性クリオグロブリン血症(IgM-λ)を合併した血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫

1.IL-2 とIL-2R

2.可溶性インターロイキン−2受容体(sIL-2R)

3.血清補体:C3,C4,CH50

4.クリオグロブリン血症とクリオフィブリノーゲン血症

5.レクチン

6.補足:悪性リンパ腫と血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫

症例3 腎不全,意識障害を呈した全身性軽鎖沈着症

1.羽ばたき振戦

2.意識障害

3.アルカリホスファターゼ

4.ALPの基本構造

5.グリコシルホスファチジルイノシトールとGPIアンカー型タンパク質

6.GPIアンカー型タンパク質と分泌機能

7.uromodulin(Tamm-Horsfallタンパク)とcast nephropathy(骨髄腫腎)

8.多発性骨髄腫と腎障害

9.γ-GT あるいはγ-GTP

10.グルタチオン代謝とGGT

11.多発性骨髄腫

症例4 治療により結節性病変が消失した軽鎖沈着腎症

1.腎機能と貧血の関係

2.EPO産生のメカニズム

3.腎性貧血の原因

4.尿毒症物質:インドキシル硫酸

5.インドキシル硫酸の代謝

6.結節性病変は,糖尿病性腎症でも軽鎖沈着腎症でも可逆性である

症例5 治療により安定している結節性病変を呈した軽鎖沈着症

1.CKD重症度分類

2.糸球体結節性病変

3.アミリン(IAPP)

4.原因不明の結節性病変(ING)

5.NT-proBNP

6.トロポニンC(cTnC),トロポニンT(cTnT),トロポニンI(cTnI)

7.FLC(free light chain)

8.LC-MS/MS

症例6 膜性腎症を呈するMIDD(monoclonal immunoglobulin deposition disease)

1.MPO-ANCA

2.血管炎の概念の変遷

3.糸球体腎炎の病名について

4.膜性腎症の病理所見を呈するMIDD

5.MIDDの分類

症例7 低補体血症を合併し比較的若い年齢で発症した重鎖沈着症

1.タンパク漏出性胃腸症(PLGE or PLE)

2.補体活性化とCD55,CD59の関係

3.発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)とGPIアンカーの合成異常

4.重鎖沈着症(HCDD)

5.HCDとγ-HCDD

症例8 多彩な臨床症状を呈するMタンパク血症:POEMS症候群

1.POEMS症候群,Crow-Fukase症候群,Takatsuki(高月)病

2.Skin lesion(S):皮膚症状

3.Polyneuropathy(P):神経障害

4.Organomegaly(O):臓器腫大

5.Endocrinopathy(E):内分泌障害

6.Mタンパク血症(M)

7.POEMS症候群・成因と予後

8.POEMS症候群と腎臓


索引

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