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肺がん化学療法 副作用マネジメント プロのコツ

  • ISBN : 9784758318051
  • ページ数 : 396頁
  • 書籍発行日 : 2019年7月
  • 電子版発売日 : 2019年10月2日
  • 判 : B6変型
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
販売価格 (ダウンロード販売)
¥4,730 (税込)
ポイント : 86 pt (2%)

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商品情報

抗がん剤治療の効果を最大限に得るには,治療をできるだけ長く・患者負担なく継続することが重要であり,そのためには副作用に対して適切な支持療法を行い,必要に応じて抗がん剤を減量・休止するといった「副作用マネジメント」が重要な鍵となる。
本書は,免疫チェックポイント阻害薬+化学療法や新規薬剤まで,現時点で最新の肺がん化学療法レジメンについて解説。治療開始前の前投薬・前処方の工夫,副作用の発現時期や対処法,減量・休薬・再開の判断まで,治療の流れに沿ってプロのコツを徹底解説。アピアランスケアや心のケアのコツ,また,よりよいOSを得るための治療戦略のコツや,転移性腫瘍におけるQOL維持のコツまで,複雑化する肺がん化学療法をフルサポート。「臨床ですぐに・本当に使える」この1冊で,副作用マネジメントにはもう悩まない!

■ 序文

わが国における死亡原因の第1位は悪性新生物であり、そのなかでも"特に予後が悪いと考えられていた"のが肺がんであります。とあえて過去形を使ったのは21世紀に入り、分子標的薬剤や免疫チェックポイント阻害薬の開発により、肺がんの治療成績、特に薬物治療の成績が飛躍的に伸びてきたからであります。結果、これまで治癒はもちろんのこと、長期生存も見込めないがん種の代表格であった肺がんにおいて、5年生存がみえてくるまでになりました

これまで肺がんは組織型により大きく小細胞肺がんと非小細胞肺がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなど)の二つに分けられ、治療方針が立てられていましたが、上述した分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬の導入によりEGFRなどの遺伝子変異の存在やPD-L1の発現の程度によるprecision medicine、個別化医療が進み、より肺がん診療が複雑化してきました。肺がん診療を専門としている先生方においても、治療選択で悩まれるケースやこれらの新規の治療薬の多岐にわたる有害事象対策に難渋することも多くなっているものと思います。いざ教科書やガイドラインで記載されている治療レジメンを始めようとする際、「レジメン投与前にはどんな検査が必要なのか?前投薬や前処方はどうすればいいのか?」「いつ、どんな副作用に気をつければいいのか?副作用の対策は?」「減量すべきかどうかの判断は?どの薬剤を減らすべきなのか?再開は可能なのか?」といった細かいマネージメントについて言及されているものは少ないと推測いたします。

このような背景から、本書は肺がん診療、特に薬物治療に従事しておられる先生方や医療スタッフの方々に、肺がん診療で日々直面するあらゆる疑問にお答えできるような、ポケットサイズの持ち運びができるバイブル的なものとしてご活用いただければと考え作成いたしました。全国でご活躍されています肺がん診療のエキスパートのなかでも、若手の先生で、多くの症例のご経験のある、いわゆる"肺がん診療のプロ"に、従来の教科書的な事項から、専門医ならではの細かいコツ、目の前の患者様の治療方針の決定や、瞬時の判断が必要な有害事象の対処まで記載いただきました。本書があれば大丈夫と思えるような、実践向きの書としてご活用いただけましたら幸いです。


2019年6月吉日

関西医科大学附属病院呼吸器腫瘍内科教授
倉田 宝保

■ 目次

Ⅰ 肺がん治療体系概略

Ⅱ レジメン別プロのコツ

1 非小細胞肺がん(advanced stage)

(1) UFT 金田俊彦

副作用は軽度。消化器症状については事前に十分な説明を

(2) CDDP+VNR(VMR単剤)

VNB投与時の血管外漏出に注意

(3) CBDCA+PTX(±BEV)

奏効と引き替えに現れるしびれをいかにマネジメントするか

(4) CDDP+DTX(DTX単剤)

骨髄抑制と浮腫に注意

(5) CDDP+GEM(GEM単剤)

GEMによる血小板減少に注意

(6) CBDCA+GEM

GEMによる血小板減少に注意

(7) CDDP+S-1(S-1単剤)

消化器毒性に注意

(8) CBDCA+S-1

消化器毒性に注意

(9) CDDP+PEM(±BEV)(PEM単剤)

葉酸およびビタミンB12の投与を忘れないように注意

(10) CBDCA+PEM(±BEV)(PEM単剤)

葉酸およびビタミンB12の投与を忘れないように注意

(11) CBDCA+nab-PTX

骨髄抑制に注意

(12) DTX+RAM

ペグフィルグラスチム(PEG-G-CSF)製剤の一次的予防投与で発熱性好中球減少症(FN)を防ぐ

(13) Gefitinib

皮膚障害、下痢、間質性肺炎に加えて肝機能障害に注意

(14) Erlotinib

投与前に間質性肺炎のスクリーニングを行う

(15) Afatinib

下痢と皮疹のコントロールと積極的減量が治療継続のカギ

(16) Osimertinib

間質性肺炎発症リスクに留意した適切な患者選択を

(17) Dacomitinib

ほかのEGFR-TKIと同様に下痢、爪囲炎、ざ瘡様皮疹などには要注意

(18) Crizotinib

肝機能障害や間質性肺炎に加え、QT間隔延長、徐脈や視覚障害にも注意

(19) Alectinib

副作用は少ないが定期的な血液検査と画像検査でフォローを

(20) Ceritinib

用法・用量が変更されています!

(21) Lorlatinib

中枢神経系障害や脂質異常症に注意

(22) Dabrafenib+Trametinib

副作用コントロールを行い治療継続を

(23) Nivolumab

免疫関連有害事象とステロイドの使用判断に注意

(24) Pembrolizumab

副作用が多岐にわたり、投与終了後に発現することもあるため注意

(25) Atezolizumab

初回投与時のinfusion reaction、発熱に注意

2 非小細胞肺がん(Ⅲ期)

(1) CBDCA+PTX+TRT

放射線食道炎、肺臓炎に注意

(2) CDDP+DTX+TRT

食道炎、放射線肺臓炎に注意

(3) CDDP+S-1+TRT

食道炎に注意

(4) CDDP+VNR+TRT

強い骨髄抑制による発熱性好中球減少症に注意

(5) Durvalumab(維持療法)

肺臓炎に注意

3 小細胞肺がん

(1) CDDP+VP-16±TRT

悪心・嘔吐、腎機能障害に注意

(2) CDDP+CPT-11

下痢に注意

(3) CBDCA+VP-16

好中球減少に注意して用量、スケジュールを調節

(4) AMR

骨髄抑制に注意

(5) NGT

腎機能での用量調節が必要

(6) CDDP+CPT-11+VP-16(PEI)

骨髄抑制に注意

Ⅲ 副作用症状別プロのコツ

1 全身

(1) Infusion reaction、抗がん剤による過敏性反応

予防、早期発見、早期治療を目指そう

(2) 筋肉痛・関節痛

タキサン系抗がん剤で高頻度に出現。免疫関連有害事象でも発生の可能性

(3) 創傷治癒遅延

手術予定の患者では抗VEGF/VEGFR抗体系薬剤の中止期間が必要。放射線治療の既往、高血糖、喫煙も原因となる

(4) 浮腫

薬剤の関与のほか、上大静脈症候群などの肺がんの悪化や血栓の出現に注意する

2 呼吸器

間質性肺障害(薬剤性肺障害)

すべての薬剤で起こりうる。速やかな被疑薬の中止と酸素・ステロイド投与を

3 消化器

(1) 口内炎

化学療法前から積極的なスクリーニングと患者教育、予防を行い、発症後はチームで積極的に治療介入することで重症化を防ぐ

(2) 食欲不振、悪心・嘔吐

リスクに応じて、最も強力な制吐療法を選択する

(3) 食道炎

予防と工夫で患者状態の悪化を抑える

(4) 下痢

メカニズムを考慮した対策を行うことが重要

(5) 便秘

適切な予防と薬物療法が推奨される

(6) B型肝炎ウイルスの再活性化・肝機能低下

肝機能障害はどの抗がん剤でも引き起こされる可能性がある

4 腎

腎機能障害・腎炎

早期に発見診断し、薬剤が原因であれば被疑薬の中止が重要。また事前の危険因子の把握や補液が予防につながる

5 循環器

(1) 高血圧

抗VEGF/VEGFR抗体投与時は、適切なモニタリングと降圧治療を心がけよう

(2) 血栓症

突然発症の低酸素、胸痛が起きたときには血栓症を鑑別に

(3) 不整脈

まれだが致死的な有害事象となりうる。定期的なスクリーニングが必要

6 血液

(1) 血小板減少症

カルボプラチン、ゲムシタビン投与時には注意。輸血による出血防止の適応を判断する

(2) 貧血

治療前の評価が重要

7 神経

(1) 味覚障害

QOLに影響する有害事象。積極的なサポートで体力維持を

(2) 末梢神経障害

早期発見と減量・中止の検討が重要

8 内分泌

(1) 副腎皮質機能低下症

まずは疑うことが重要。ときには致死的にもなることに注意

(2) 1型糖尿病

何はなくとも、尿ケトン!

(3) 下垂体炎

ルーチン検査では気づきにくい。詳細な問診と早期からの対応が重要

(4) 甲状腺機能障害

免疫チェックポイント阻害薬により高頻度に発症。定期的なモニタリングを

(5) SIADH(バソプレシン分泌過剰症)

肺がん患者に低Na血症があったらまず疑え

9 皮膚

(1) 皮疹

適切な予防と管理が重要

(2) 皮膚乾燥

適切な予防と管理が重要

(3) 爪囲炎(主にEGFR-TKIの副作用として)

清潔・保護で予防し、外用薬は積極的に用いる

(4) 脱毛

脱毛の苦痛を理解し、そのプロセスに応じた支援が大切

10 感染症

発熱性好中球減少症(FN)

G-CSFによる予防と発症時の適切な抗菌薬選択が重要

Ⅳ 肺がん化学療法との上手なお付き合い

(1) 肺がん患者のアピアランスケア

社会のなかで自分らしく過ごすために

(2) 治療期の患者の心のケア

患者と話し合い、患者のつらさについて理解することが大切

(3) 肺がん患者の意志決定支援

患者主体の意思決定支援のためのアドバンス・ケア・プランニングの実践

(4) 抗がん剤の曝露対策

患者・家族・医療従事者すべてが正しい知識をもつことが曝露を防ぐ

Ⅴ 肺がん化学療法をうまくこなすコツー上級編 (IV期)

よりよいOS・QOLを得るための治療戦略

(1) EGFR遺伝子変異陽性例の治療のコツ

最長のOSが得られるよう、オシメルチニブを使うタイミングを検討する

(2) ALK融合遺伝子変異陽性例の治療のコツ

耐性化は避けがたいため、最新の情報を確認しながら治療方針を決定していくことが大切

(3) ROS1融合遺伝子変異陽性例の治療のコツ

キードラッグであるクリゾチニブをしっかりと投与する

(4) BRAF遺伝子変異陽性例の治療のコツ

キードラッグであるダブラフェニブ+トラメチニブをうまくコントロールしつつ投与

(5) 遺伝子変異のない非扁平上皮がんの治療のコツ

ICIは使えるか、使うタイミングはいつかを2次・3次治療を見据えて検討する

(6) 扁平上皮がんの治療のコツ

免疫チェックポイント阻害薬と細胞障害性抗がん剤との併用療法を検討していく

(7) 小細胞肺がん治療のコツ

PSや年齢、再発までの期間などを考慮し、適切な治療を選択する

(8) 転移性骨腫瘍の治療のコツ

集学的治療によるQOL維持・改善を目指す

(9) 肺がん脳移転の治療のコツ

治療後のQOLも重視し、放射線治療、薬物療法を選択する

(10) 高齢者肺がんの治療のコツ

暦年齢にとらわれず、個々の患者に最もベネフィットをもたらす選択をする

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