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医系 大学院・研究留学、いつどこで何をする? 流れがわかる研究トレーニングHow To

  • ページ数 : 260頁
  • 書籍発行日 : 2010年4月
  • 電子版発売日 : 2019年4月24日
3,300
(税込)
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商品情報

内容

いつ、どこで、何を研究したらよいかという研究の「流れ」を網羅した一冊です。

なぜ研究が必要なのか、学位とは何か、研究をどのようにキャリアに取り込むのかといった考え方から、基礎医学研究、臨床研究、社会科学的研究と幅広い視点からの研究トレーニングの流れを解説しています。さらに、海外留学のための資金獲得法や英語学習法など実践的なノウハウも盛り込み、3名の著者による留学実体験の紹介や付録では統計のツボの紹介など、研究留学に向けての心強い内容となっています。

■関連書籍
改訂版 流れがわかる学会発表・論文作成HowTo
流れがわかる英語プレゼンテーションHow To [動画付き]

序文

はじめに

今,多くの若手医師が,戦後長く続いてきた大学医局-学位という流れとは違う状況の中に「投げ出された」状態にあります。昔から医学部を卒業した医師は大部分が大学の医局に属し,大学病院や関連病院に派遣されて経験を積み,ある程度したら大学にもどって学位をとる,というのが「流れ」でした。この封建的な仕組みは小説「白い巨塔」に代表される独特の医者社会を形成し,多くのマイナス面があったことは否めません。しかし2004年に新しい研修制度が導入され,医局制度の弱体化と関連して「医療崩壊」がさけばれる昨今,その裏では「医学崩壊」が進んでいるのではないかと危惧しています。日本を離れて6年,私がカナダの先端施設でみてきたもののかなりの部分が,実は日本発の研究(基礎,臨床を問わず)の成果に基づくものです。そしてそうした成果の多くが,日本の若手医師が大学院で多大な労力を払って成し遂げてきたものなのです。よい研究は一夜にしては成らず,多くの人手が必要です。今,日本の大学病院では臨床の人手が足らず,しかも大学病院にも一定の採算性が求められるようになり,研究は手薄になる一方。若手医師が研究に身を投じる機会,あるいは研究に関心を向ける機会そのものが減っていると言わざるを得ません。一方,北米では,優秀な臨床医を育てると同時に,研究のできる医師を育てることに力を入れています。それは「研究がわかっている医師」こそが,基礎研究者にも純粋な臨床医にもできない多くの仕事をなしうるからで,それが医学の進歩につながり,国益にもつながるからでしょう。

メディカルレビュー社の尾中益子編集長から,拙著『流れがわかる学会発表・論文作成How To』の続編執筆の依頼を受けてまず頭に浮かんだのは,このような医学研究の現状を受け,日本の若い先生方に臨床医にとっての医学研究の大切さとすばらしさ,そしていつ,どこで,何を研究したらよいのかという研究の「流れ」――昔は先輩医師から伝え聞いていたような――を発信することでした。そのために草場鉄周,富塚太郎の2人にも共著者として企画に参加してもらいました。草場とは大学からの友人ですが,胸部外科と家庭医療,大学医局と民間病院という,いわば対極にある道を歩んできました。一方,私たちは,偶然か必然か,カナダの別の大学の大学院で研究,学位取得を目指すことになりましたが,そこには臨床を深め,医師としてより高いレベルに至るには「研究トレーニング」が重要であるという共通の思いがありました。そこで基礎的研究を中心とした研究トレーニング全般の流れを私が,臨床研究を草場が分担執筆することで,より幅広い視点から医学研究全般をカバーすることにしました。また企画の中で,行政医療などの社会学的医学研究の視点があれば,さらに本書の奥行きが増すだろうということで,草場の研修医時代の同僚で,当時イギリス・ロンドン大学大学院に留学中だった富塚にも参加してもらいました。

もし今,日本の若い先生方が,臨床医にとって貴重な研究の世界に触れる機会すら奪われようとしているならば――あるいはそんな機会の重要性に気が付いたとしても,昔のように「流れ」を教えてくれる先輩もなく方向性を見出せずにいるならば――代わってその「流れ」を指南することが本書の意図するところです。実は,最終的には自分自身の道は自分で切り開いていくほかないという当たり前のことが本書の1つの大きなメッセージでもあります。一方,多様な選択をするにもその選択をするだけの情報が前提であり,本書が若い先生方に海外での研究を含めた情報を提供し,研究を通して臨床医としての新たな道を切り開く一助となれば嬉しい限りです。


佐藤 雅昭

目次

はじめに

第1章 医学研究って何だ?

1.研究でもしてみるか?研究をしてみよう

2.学位って何だ?

3.研究トレーニングが変えるあなたの医者人生

第2章 なぜ研究する?

1.何を学ぶ?血となり肉となる研究トレーニング~基礎医学研究~

2.何を学ぶ?血となり肉となる研究トレーニング~臨床研究~

3.何を学ぶ?血となり肉となる研究トレーニング~社会科学的研究~

4.研究のワカル/デキル医師が変える医学と医療

第3章 研究をキャリアに取り込め!

1.何をどこで研究する?大きな決断の時・・・

2.いつ研究する?そのタイミングと準備

3.奨学金・グラント獲得大作戦

第4章 さぁ,いざ研究生活!

1.まずここから手をつけよう!研究開始の3要素

2.仮説を立てよう!

3.ここが重要!予備実験とコントロール

4.情報収集と情報管理~ラボノート,データ管理,文献検索,文献管理術~

5.ミーティング,抄読会はこう生かせ!~Scientistの思考・発表訓練~

6.結果が出ない!~それでも明日があるさ~

7.ここが肝心,論文執筆

8.臨床研究のノウハウ~君の手で医療を変えるのだ!~

9.社会科学的研究のノウハウ~医療を高い視点から見る!~

第5章 海外'研究'留学Ho.To

1.医師・医学生のための英語学習峰Ho.To

2.どう違う?大学院留学とリサーチフェロー

3.めざせ研究留学~その目的と意義~

4.海外研究留学サバイバル術~アウェーで生き残るために~

第6章 海外大学院の実際

1.トロント大学医学部大学.Institut.o.Medica.Science

2.ウエスタンオンタリオ大学大学.課程医療学講座

3.ロンドン大学

第7章 医学生のためのEarl.Exposure


付録 知ってトクする統計のツボ


ワンポイントアドバイス

/・英語のDr.の呼称には要注./・研究計画は本当に計画なの./・Methodを図にできないか./・参考文./・計画書の要約,Summar./・実験モデルのPhilosoph./・私の体験./・資金の確保,私の場合


ちょっとひとこと

/・学生時代の「研究」の印./・なぜ博士はPh.D.(Docto.o.Philosophy)なの./・外科手術と組織リモデリン./・症例研究の大切./・医学と科./・北米のM.D.-Ph.D.プログラ./・研究していると臨床を忘れる!./・学術振興会DCの応募四角と採用./・動物実験で効果が出ても臨床試験で効果が出ない理./・私のセレンデピテ./・英語のプレゼンは訓練次./・海外大学院での学位論./・そもそも私は研究したかったわけではなかっ./・損して得取./・入学基準をクリアできなかったら終わり?

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書籍情報

  • ISBN:9784779205569
  • ページ数:260頁
  • 書籍発行日:2010年4月
  • 電子版発売日:2019年4月24日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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