- m3.com 電子書籍
- カール先生の大腸内視鏡挿入術[動画付き]
商品情報
内容
ループを作らず、腸管をたわませずにスコープを進める「Non-loop法」の極意をあますところなく公開!患者さんに優しく、かつ安全性の高い検査を目指すコロノスコピスト必読の一冊です。
電子版なら、内容を読み進めながら付録動画のワンタッチ再生も可能です!
序文
序文
本書を手にした先生は、今から大腸内視鏡を始める、挿入が安定しない、もう一段レベルアップしたい、もしくは後進にうまく説明できない、などいろいろな思いをもった先生方だと思います。
私自身、大腸内視鏡検査の習得には人より多くの時間が必要でしたし、後進の指導も思うようにはできない医者でした。幸い、二木会[//home.att.ne.jp/kiwi/nikikai] という松島クリニックの鈴木康元先生が発足させた大腸内視鏡挿入法の勉強会で研修を受けることができ、確立された挿入理論と、それぞれの手技を明確に言語化し、挿入をパターン化させることの重要性を学ぶことができました。
その後、東葛辻仲病院の松尾恵五先生のもと、無送気軸保持短縮法がいかに患者さんに優しい挿入法であるかを学びました。それからというもの、自分が施行した検査はビデオに録画して、繰り返し見直しながら、ループを作らない挿入をパターン化する方法を考えてきました。
2011 年4 月からは、ブログ「大腸内視鏡道」を開設し、全国の先生方と挿入法について多くの議論を重ね、本書で紹介するNon-loop 法を考案するに到りました。ブログ開設当初は完成された挿入法ではありませんでしたので、Non-loop 法はこのブログで育ててもらったと言っても過言ではありません。その内容を書籍にまとめるにあたり、内容を再検討することで、さらに挿入理論を追求することができたと思っています。そのようにしてできた本ですので、今悩んでいる先生方、これから悩むであろう先生方に是非、読んでいただきたい内容となっているはずです。
ブログでは、実際に検査を見学しているような感覚になってもらいたいと思い、動画を中心に挿入法を説明してきました。本書でも、最初に挿入理論を紙面で理解していただき、最後に動画を使って具体的な挿入手技、挿入の組み立てを理解してもらうように構成しました。
本書に掲載した美しい注腸写真は、北海道大学病院病理部・藤澤孝志先生に提供していただきました。また、第5 章で紹介したDown Up 法は、兵庫医科大学炎症性腸疾患学講座内科部門講師・樋田信幸先生が提唱された挿入法です(Down Up 法は、解剖学的な大腸の形を考慮した理論的な挿入法で、本当に素晴らしい方法です)。さらに、本書のシェーマに用いた、丸をつなげて大腸の立体的な形を表現する手法は、辻仲病院柏の葉・赤木一成先生が考案された手法です。3人の先生には、ご自身の貴重な資料、理論、表現を、本書で使用することを快諾していただきました。誠にありがとうございました。
そして、本書の完成には欠かせなかった「透視下TCS で挿入を解剖する」のもととなった、ガストログラフィンを流しながらの透視下大腸内視鏡検査の被験者となってくれた千葉大学食道胃腸外科内視鏡研究室の後輩である堀部大輔先生、本書を作成するにあたって動画撮影に協力してくれた軽部病院のスタッフ、東葛辻仲病院のスタッフの皆様に厚く御礼申し上げます。最後に、私のブログ「大腸内視鏡道」に注目し、書籍化のためにご尽力をいただいた日本医事新報社編集部の皆さんに心より感謝申し上げます。
本書によって、多くの内視鏡医が効率的に挿入法を学び、より少ない経験数で上達し、多くの患者さんに安全、快適な大腸内視鏡検査を提供できるようになっていただければ幸いです。
2014年6月
軽部 友明
目次
第1章 Non-loop法とは
腸管がたわんでしまうわけ
腸管の走行を変える場面をどうやって判断するの?
ターン操作で越えるか、トルク操作で直線化するか
パターン化の重要性
S状結腸にある2つの扉を認識する(Key pointとTurning point)
LCFまでを4つのステップに分けて考える
Non-loop法のための準備
先端フード
送気と注水
体位
用手圧迫
鎮痛剤・鎮静剤、鎮痙剤
第2章 スコープ操作
右手の動き
左手の動き
アップアングルをかける
アップアングル+左アングルをかける
アップアングル+右アングルをかける
ダウンアングルをかける
ダウンアングル+左右アングルをかける
空回り(スコープだけを回す操作)
ターン操作は左手リードが基本
ターン操作を内側持ちで行う
トルク操作
トルク操作のイメージトレーニング
トルク操作のときの右手の捻り方
ショートニング操作
ショートニング操作の例:TPでのストレート化
第3章 Non-loop法の組み立て
1st step:直腸RbからRSまで
直腸の解剖
直腸の組み立て
肛門から直腸へ
直腸Rbの挿入(直腸の突き当たりまで)
[動画]透視下TCS:直腸RBの挿入
直腸の突き当たりで右に空回り
右に空回りして内側持ちに持ち替える
[動画]透視下TCS:直腸の突き当たりで右に空回り
RSは左展開
[動画]透視下TCS:RSの挿入
どうして脱気して、わざわざ粘膜にぶつけて挿入するの?
どうして内側持ちに持ち替えるの?
[動画]直腸のバリエーション:基本のパターン、左に出るか正面か、左ターンか左トルクか
2nd step:Sの始まりからKey pointまで
(1)Sの始まりの挿入
Sの始まりは右ターンで
どうして右に捻るだけで進むの?
腸管を虚脱することの重要性
[動画]透視下TCS:Sの始まりの挿入
(2)Key pointの処理
KPはどんな形をしているの?
KPを生理的な走行のまま越えると...
KPの走行の形を変える
[動画]透視下TCS:KPの処理
KPの処理① 1時から2時方向の屈曲を時計回転させる
KPの処理② 2時から3時方向の屈曲をスライド式で越える
[動画]Sの始まりからKPの処理:
Sの始まりを右ターン、右トルクをかけてKPを時計回転させる
Sの始まりを右ターン、KPをスライド式で越える
Sの始まりから右トルクをかける
3rd step:Key pointからTurning pointまで
KPから先は直線軸に乗せて進める
直線軸のイメージをつかむ
画面上部の屈曲が出現したら...
ターン操作で襞をめくる
スコープのたわみの形で見るターン操作
トルク操作で腸管の折れ曲がりを直線化する
内視鏡画面でどう見えるかが重要
どちらに回転させればいいの?
トルク操作でアップアングルがかかったままだと...
腸間膜のテンションを利用する
[動画]KPからTPまで:KP後、次の屈曲を反時計回転で越え、TPへ到達した症例
[動画]透視下TCS:KPからTPまで
KPからTPまでがバリエーションに富む理由
4th step:Turning pointからLCFまで
TPで右下展開になり、あとは管腔沿いに進めるだけ
TPの正体を理解する
TPからSDJへらせんを下る
TPからLCFまでの進め方
LCFの挿入長と方向
LCFでのストレート感の確認
[動画]TPからLCFまで :SDJまで右下展開、LCFで体外ループを解除
[動画]透視下TCS: TPからSDJ、Dの挿入
第4章 S状結腸の挿入パターン
KPからTPまでのフローチャート
パターンI 基本的な挿入パターン
パターンII 仰臥位でTPに届く
パターンIII 恥骨上部を圧迫することでTPに届く
パターンIV 結局押しが入り、TPでストレート化
パターンV TPでもストレート化できず、SDJにおいてループを形成
パターン別の割合
挿入の組み立てを記載する
腸管をタイプ別に分ける
挿入パターンの記載法
第5章 後半戦:LCFからCまで
DからCまでの解剖
(1)LCFの越え方
LCFでの押しは必要な押し
LCFでは仰臥位が基本
深吸気でLCFを押し下げてもらう
[動画]透視下TCS:LCFでの深吸気
LCFでの注意点
(2)LTの進め方
[動画]透視下TCS:LTの挿入
Tでループを作ってしまった場合の見え方
LTでの6時方向の屈曲は引きのチャンス
(3)MTの引き上げ
MTの引き上げを患者さんの左側から見てみると...
MTを左捻りの引きで引き上げる
[動画]透視下TCS:MTの引き上げ
(4)RTからRCFの進め方
[動画]透視下TCS:RTからRCF
(5)AからCへ
[動画]透視下TCS:AからC
[動画]LCFからCまで:
基本的な症例
LCFで右側臥位が有効な症例
LCFで左側臥位が有効な症例
LCFで体位変換しても手応えが悪い症例
RCFに届かず、RTを戻って左捻りでやり直し
真のLCFかどうか見極めが難しい症例
Tの途中で右方向の屈曲が出現
第6章 ループ形成
ループを形成しなければならないケース
ループ形成の3要素
理想のループとは
腹壁の抵抗を利用するように仕向ける
土管状の管腔の押し方
押した後の屈曲の処理
[動画]土管状の屈曲の押し方と次の屈曲の越え方
理想のループの管腔方向
複雑なループにしないために
LCFでのライトターンショートニング
[動画]LCFでのライトターンショートニング
第7章 ケーススタディ
[動画]典型例
基本型の症例
仰臥位でTPに届いた症例
仰臥位+恥骨上部圧迫でTPに届いた症例
TPでストレート化した症例
ループ形成症例 その1
ループ形成症例 その2
Type C(自由度の高い腸管)の簡単な症例
Type C(自由度の高い腸管)の難易度の高い症例
KPが2段の症例
KPをフルアップで巻き込む症例
Type C症例の屈曲の越え方
症例1 回転操作(回るところまで回す)
症例2 回転させすぎると捻れてしまう場合
KPの処理・4つのパターン
症例1 基本的な越え方
症例2 フルアップの右トルクで越える
症例3 スライド式
症例4 三段階の右トルクで越える
憩室症例
[動画] 困難例
3rd stepがタイトで抵抗のある押しが必要な症例
KPが回転せずループを形成し、SDJで解除した症例
KPから数パターンのトルク操作を駆使した症例
Sの始まりが長く、KPをショートニングの要領でストレート化した症例
ループ形成時の左展開の越え方
7時方向のKP症例
ループを作り直した症例
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 10.0 以降
外部メモリ:1.7GB以上(インストール時:3.8GB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:7.0GB以上
-
AndroidOS 5.0 以降
外部メモリ:1.3GB以上(インストール時:3.2GB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:5.1GB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784784944316
- ページ数:208頁
- 書籍発行日:2014年7月
- 電子版発売日:2014年11月14日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。
※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。