臨床ハンドセラピィ

  • ページ数 : 310頁
  • 書籍発行日 : 2019年9月
  • 電子版発売日 : 2019年11月25日
¥7,480(税込)
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商品情報

内容

手の外科領域におけるハンドセラピィの装具療法を含めた基本的な介入方法を臨床実践に即してまとめた1冊.
臨床でハンドセラピィを実践している,またはこれから始めようとしている人のために日常臨床で遭遇するハンドセラピィをわかりやすく解説.
3章の疾患別プロトコルでは「私たちのハンドセラピィ・プロトコル」として札幌医科大学で行われているハンドセラピィを豊富なイラストと簡潔な解説を図表にして展開している.

序文

私は作業療法士としての43 年間のうち,8 年間の教育分野への仕事以外は,ほとんどを身体障害作業療法領域の臨床で仕事をしてきました.そのうちの17 年間を札幌医科大学附属病院で,主にハンドセラピィを行ってきました.当時は"ハンドセラピィって理学療法士の仕事じゃないの"といわれるくらい作業療法士にとって認識のない分野でした.短期大学部の助手を経て,私が附属病院に転勤して間もなく,手の外科の権威である整形外科学講座の石井教授が兼任でリハビリテーション部長に,同じくして手の外科の権威(先天異常)の荻野利彦教授が保健医療学部理学療法学科に就任され,ハンドセラピィを組織的に行うことになりました.そこでセラピストとして手の外科疾患や救命救急部の患者の治療に参加し,知識だけでなく,クリティカルな考え方を学びました.また,この間,日本ハンドセラピィ学会,国際ハンドセラピィ学会等への参加は,自らのハンドセラピィを発展させるためにもとても助けになりました.その後,附属病院から保健医療学に転職し,この6 年間,同大学の保健医療学部で教鞭をとってきましたが,今年の3 月末で定年を迎えました.学部教育でハンドセラピィを教え,大学院(基礎上肢機能障害学講座・ハンドセラピィ)では3 名の博士課程,7 名の修士課程の学生を受け入れ,それぞれの学生が学位を得て修了していきました.ゼミの教育に終始ご支援,ご指導くださいました同学部理学療法学科の青木光広准教授(現 札幌第一病院副院長)と,医学部解剖学第二講座の藤宮峯子教授にお礼を申し上げます.

今回,この本の出版を思い立ったのは,出版社が勧めてくれたこともありますが,これまで臨床や大学教育で培ってきた私たちの経験を1 冊の本にしたいと考えるようになったからです.ハンドセラピィに関した著書は国内外に優れた出版本がありますが,臨床に即したハンドセラピィのための専門書はそれほど多くはありません.また,手の外科医からは,"ハンドセラピィのプロトコルが書かれた本はないのだろうか"との質問を受けることがありました.そこで,セラピィ指針をもとに臨床実践に即したプロトコルや装具療法に力点を置いた内容で,作業療法士や理学療法士およびリハビリテーション処方箋を書く若手医師に,臨床におけるガイドブックとして利用されることを願って編集しました.著者のほとんどが,私の講座の院生とハンドセラピィを一緒に発展させてきた大学附属病院の作業療法士や卒業生です.このため,副題をOur Hand Therapy Protocol としました.この先,彼らが5 年,10 年と臨床家として,あるいは研究者として仕事をしていく過程で改訂する機会が与えられれば,この初版がわれわれのハンドセラピィの礎となり,次の改訂がハンドセラピィの更なる進化の履歴となって継承されて行くことを願っています.

最後に,私たちをいつも温かくご指導くださいました札幌医科大学名誉教授・石井清一先生(現 羊ヶ丘病院名誉院長),山形大学整形外科学講座教授・荻野利彦先生,前 札幌医科大学高度救命救急センター・土田芳彦先生(現 札幌東徳洲会病院外傷センター長),前 札幌医科大学附属病院リハビリテーション部副部長・横串算敏先生(現 西円山病院副院長)と,多くのことを教えてくださいました患者の皆様に厚くお礼を申し上げます.


2011年8月

坪田 貞子

目次

I.ハンドセラピィとは

1.ハンドセラピィとは

II.ハンドセラピィに必要な基礎知識

1.手の解剖

2.介入の原則

3.評価の原則

4.スプリント療法の原則

5.物理療法

6.心理的支持・ケアの原則

III.疾患別プロトコル

1.骨折・脱臼・靭帯損傷

①基節骨骨折・中手骨骨折ー保存的治療(Burkhalter法)と観血的治療ー

②舟状骨骨折

③橈骨遠位端骨折

④TFCC損傷・尺骨突き上げ症候群

⑤肘関節側副靭帯損傷

⑥肘頭骨折

⑦上腕骨骨幹部骨折

⑧腱板断裂

2.末梢神経損傷

①尺骨・正中・橈骨神経損傷ー保存・修復後と知覚再教育ー

②腕神経叢麻痺

3.絞扼神経障害

①胸郭出口症候群ー保存療法によるアプローチー

②手根管症候群ー保存療法によるアプローチー

③肘部管症候群

4.腱損傷

①伸筋腱損傷(縫合後)

②手指の屈筋腱損傷-腱修復後の早期運動療法-

③手指再接着

④機能再建

5.人工関節

①肘関節

②手指MP関節

6.手根不安定症

7.手指の変形ー保存療法としての装具療法ー

8.関節症

①母指CM関節症

②変形性肘関節症ー保存療法としての術後療法ー

9.腱鞘炎

①ドケルバン病ースプリント療法によるアプローチー

②ばね指ースプリント療法によるアプローチー

10.テニス肘

11.デュピュイトラン拘縮

12.フォルクマン拘縮(阻血性拘縮)

13.複合性局所性疼痛症候群

14.先天異常

15.熱傷

16.音楽家の手の障害

IV.付録

1.評価用紙

2.ホーム・エクササイズ

3.ハンドセラピィに必要な機器


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書籍情報

  • ISBN:9784830643866
  • ページ数:310頁
  • 書籍発行日:2019年9月
  • 電子版発売日:2019年11月25日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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