体外循環による新生児急性血液浄化療法マニュアル

  • ページ数 : 192頁
  • 書籍発行日 : 2014年12月
  • 電子版発売日 : 2015年2月27日
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商品情報

内容

わが国初のマニュアル 安全な実施の必携書

微細な管理が可能な機器・器材の開発により、バスキュラーアクセスを用いたわが国独自の新生児血液浄化療法が可能となった。本書は、新生児を対象とした急性血液浄化療法を、安全かつ有効に施行するための初めてのマニュアルである。

序文

20世紀の周産期医療,とりわけ新生児医療は,1970年代から急速に発展してきた.特に呼吸循環管理の進歩は著しく,持続気道内陽圧(CPAP),間欠的強制陽圧換気(IMV),膜型人工肺を用いた体外循環による呼吸循環補助(ECMO),高頻度振動換気法(HFO),肺サーファクタント補充療法,一酸化窒素(NO)吸入療法などの新しい治療法が開発され,早産児や呼吸障害を来した新生児の予後は飛躍的に改善されてきた.

しかしながら,感染症に伴う炎症反応症候群(SIRS)に対する治療法は,抗生物質・免疫グロブリン投与と交換輸血ぐらいしかなかった.

成人の集中治療領域では,体外循環による血液浄化療法は,一般臨床において広く用いられており,その効果も認められている.適応は,急性腎不全に対するrenal indicationと,敗血症ショックに認められるエンドトキシンや各種炎症性メディエーター(サイトカイン,アナンダマイドや2-AGなどの内因性マリファナ,HMGB-1など)の除去,高アンモニア血症におけるアンモニア除去などのnon-renal indicationとに分けられる.

21世紀になり,透析装置の改良,透析膜の小型化,エンドトキシン除去カラムの小型化が進み,低出生体重児・新生児に対する血液浄化療法が普及しつつある.しかし,新生児への体外循環による急性血液浄化療法に対する最適な施行方法はまだ試行錯誤の状態にある.新生児を対象に体外循環による急性血液浄化療法をまとめた報告は少なく,わが国でも各施設における小児・乳児症例のまとめに含まれた形で報告されているか,あるいは症例報告がほとんどである.

そこで,国内において低出生体重児・新生児に対する血液浄化療法に精通したエキスパートに集まっていただき,2013年に「体外循環による新生児急性血液浄化療法ガイドライン」を作成した.今回,このガイドラインの解説書として,ガイドライン作成に関わっていただいたエキスパートを中心に,新生児に対する体外循環による急性血液浄化療法マニュアルを作成した.このマニュアルにより,低出生体重児・新生児に対する血液浄化療法が安全に普及し,赤ちゃんの予後が改善し,一人でも不運な赤ちゃんが減ることを心より願うものである.


2014年10月

鹿児島市立病院総合周産期母子医療センター新生児科部長
茨 聡

目次

【第1章 総論】

(1)急性血液浄化療法の基本的考え方と種類

(2)新生児に対する急性血液浄化療法の現状と今後の展望

【第2章 急性血液浄化療法に必要な機器・器材】

(1)バスキュラーアクセスの種類と選択方法

(2)カテーテルの種類と選択方法

(3)血液浄化器(モジュール)の種類・原理と選択方法(CHF/CHDF)

(4)血液浄化器(モジュール)の種類・原理と選択方法(PMX療法)

(5)血液浄化用装置の種類と選択方法(CHF/CHDF)

(6)血液浄化用装置の種類と選択方法(PMX療法)

(7)抗凝固薬の種類と選択方法

【第3章 新生児に対する急性血液浄化療法の施行方法】

(1)CHF/CHDF
・適応症
・施行タイミング
・実際の施行方法
・合併症
・慎重適応
・併用薬剤

(2)PMX療法
・適応症
・施行タイミング
・留意点
・実際の施行方法
・合併症
・慎重適応
・併用薬剤

【第4章 病態別急性血液浄化療法】

(1)敗血症性ショック

(2)急性腎障害

(3)急性肝不全

(4)先天性代謝異常症

【第5章 症例報告】

(1)GBS敗血症【自作システム】

(2)早発型敗血症【自作システム】

(3)早発型敗血症・低出生体重【PMX療法】

(4)胃破裂【PMX療法/CHDF併用】

(5)壊死性腸炎【PMX療法/CHD併用】

(6)E. Coli 敗血症【PMX療法/ECMO併用】

(7)胎便吸引症候群【PMX療法】

(8)心外術前【CHDF】

(9)高アンモニア血症【CHD】

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書籍情報

  • ISBN:9784840450287
  • ページ数:192頁
  • 書籍発行日:2014年12月
  • 電子版発売日:2015年2月27日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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