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- Phaseで見極める!小児と成人の風邪の診かた&治しかた
商品情報
内容
患者さんのその症状…「風邪か否か」を見極める!
・多数のエビデンスと著者の経験を元に、風邪の見極めかたを解説。
・巻末のURLからは著者自身によるレクチャー動画&著者自作の患者さんへの説明リーフレットも見られて、日常診療の役に立つこと間違いなしの一冊です!
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序文
序 文
■新型コロナウイルス感染症(COID-19)が2020年になり全世界にパンデミックを起こしました。それにより,風邪診療に対する医師のスキルが,より浮き彫りになってきています。
日本の一般外来診療で一番多い感染症は,風邪(症候群)です。そして,外来感染症の中で一番多くの薬が処方されているのも風邪であるのが,今の日本の風邪診療のリアルです。
■2000年代に入り,医療の臨床現場にもエビデンスという概念が出現しました。そして,時代が昭和から平成,令和と移り変わるにつれ,これまでの慣習的な治療や薬の効果,検査の意義などが見直されるようになりました。本来,ただの風邪であれば医療機関に受診する必要などなく,風邪薬がなくとも約1週間程度で自然治癒します。
■風邪症状で患者さんが受診すると,医師は風邪を含めたその周囲の風邪以外の疾患を見極めるために,まずは詳細な問診と身体所見をとり,その結果から,本当に必要な検査を実施します。もちろん不要と判断した場合は安易な検査実施はしません。さらにその結果を見極め,総合的に診断を行い,効果が期待できる薬や処置を選択します。そして,自分の見立てや薬・処置に対して,患者さんにわかりやすく言語化し,どういう経過となれば問題なく,どういう経過となれば再診を要するか,症状に対してどのようなセルフケアをすればよいかを丁寧に説明します。この【説明処方箋:0円】を処方するまでが,本来の風邪診療となります。我々医師は,医療のプロ(職人)です。「患者さんが希望するから……」ではなく,その診断/検査/処方/説明に至るまでこだわりと責任を持って対応することが必須であり,その対価に医療費の中から医療報酬を頂いているという自覚を持つべきだと思います。
■風邪を診るためには,実は非常に幅広い知識が必要となります。しかし,風邪外来診療は,客観的評価がされにくく,ブラックボックスといえます。臨床現場感ももちろん重要ですので,エビデンス至上主義になる必要性はありませんが,日ごろから知識を更新しつつ,基本の型である問診/視診/触診/聴診のスキルなしに風邪診療はできません。ところが,日本では, 風邪診療に必要な知識/スキルを学ぶ場や教育がほとんどされていないのが現状です。
筆者が「感染症予備校」として2006年から毎年開催している【感染症倶楽部シリーズ】の中でも特に重要視してきた風邪レクチャーを,多くの乳幼児から超高齢者までの風邪を日々診ている町医者目線で書籍に仕上げました。
■withコロナ時代である今だからこそ, 個々の風邪診療をブラッシュアップするときです。
学びに肩書きや年齢など境界はありません。No Borderです。ともにブラッシュアップし続けませんか?
2021年2月 ルーチンワーク早朝勉の自宅デスクより
ちびっこギャング4人の父/希惺会ながたクリニック院長/感染症倶楽部シリーズ統括代表
永田 理希
推薦文
風邪はウイルス感染。だから抗菌薬を必要としない。ところが外来においては,細菌なのかウイルスなのかのみならず,どの微生物による感染症なのかという微生物診断は時に困難だ。そうなると念のため,抗菌薬を処方ということになりやすい。では,細菌感染であれば抗菌薬は必須なのか? 溶連菌やマイコプラズマであっても多くは自然治癒する。
そこで著者の永田医師はフェーズ(Phase)でそれを判断すると提案している。私も日常診療で同じように体感的に行っていることであるが,著者は上手に言語化されている。
たとえ細菌感染であっても,ある程度の微生物を減らす支援があれば,あとは私たちの免疫が鎮めてくれるものだ。細菌感染かウイルス感染か釈然としない場合に,外来という比較的軽症で,経過観察という時間をかけることが大抵許される状況であれば,このフェーズを考えての抗菌薬の処方というものは大変に有用だ。
本書の特色はこのフェーズで治療を考えるということだけではない。風邪診療の参考書としては,本書でも引用される感染症専門医である山本舜悟医師や岸田直樹医師の書籍があり,ともに名著である。それをふまえ,永田医師は街場の開業医として,また,外科的処置にも対応できるプライマリケア/総合診療医,耳鼻咽喉科医として,小児から成人, 高齢者まで診療をされている。この視点と経験は大変に貴重である。私を含め,多くの感染症専門医は成人を対象にして,病院で活躍する内科医だからである。著者は中耳炎や副鼻腔炎,咽頭炎,気管支~肺炎などの気道感染症について私たち感染症専門医のその先の視点で患者を診ることができる。そして地域医療を守る町医者として老若男女問わず,愚直に風邪診療に向かい合っている。この永田医師の経験を,オーソドックスな感染症診療を熱心に学ばれつつ,感染症倶楽部という予備校をひとりで15年間に渡り開催してきた実績の上で,書籍化された。まさに,類書はないと言えるだろう。
コロナ禍において,外来診療も制限を受けている。感染対策をとりながら,従来の風邪診療を正しく行うことがより強く要求される時代を迎えたとも言えよう。
本書が風邪診療の前線に携わる多くの実地医家の日常診療の一助となることを確信し,自信を持って推薦する次第である。
埼玉医大総合医療センター総合診療内科・感染症科教授
岡 秀昭
目次
Chapter1 根拠を持って,戦略(strategy)を決めよう !
1 風邪の治療ってどうしてる?
2「風邪に抗菌薬は予防効果あり」という論文あります!
経口第3世代セフェム系抗菌薬
経口キノロン系抗菌薬
経口マクロライド系抗菌薬
経口ペニシリン系抗菌薬
経口カルバペネム系抗菌薬
3 小児と成人の風邪の考え方は違う?─ 今,occult bacteremia(潜在性菌血症)をどう考えるか
4 風邪症候群って,なあに?
はじめに
風邪症状の一連の仕組み
各ウイルスの特徴
風邪のウイルスの季節性,各症状の頻度
風邪のウイルスによる小児の特徴的な症状があるcommon disease
忘れちゃいけない小児の特徴的な症状があるcommon disease
5 風邪症候群のPhaseを知るべし!
早く治癒するとき
長引くとき
症状が再燃,悪化
それぞれのPhase
6 感度&特異度&尤度比&検査前後確率&的中率
感度&特異度&検査前後確率&的中率
尤度比(likelihood ratio:LR)
検査前確率と検査後確率
Chapter2 風邪薬(対症療法薬)の使い方について語ろう !
1 鼻炎症状改善目的
風邪をひくとなぜ,鼻炎症状が出るのか?
鼻炎止め(抗ヒスタミン薬)
風邪による鼻炎に抗ヒスタミン薬は効くのか?
中耳炎と抗ヒスタミン薬
痙攣と抗ヒスタミン薬
点鼻薬
鼻炎と鼻うがい&鼻吸い
鼻炎と抗菌薬
副鼻腔の解剖,発達,合併症
2 咳症状改善目的
風邪をひくとなぜ,咳症状が出るのか?
鎮咳薬(咳止め薬)
気管支拡張薬
去痰薬
抗ヒスタミン薬
はちみつ
ヴィックス ヴェポラッブ
抗菌薬
バイタルサインで肺炎を見極める
肺炎の最重要バイタルサイン:呼吸数
肺炎の重症度を見極める!
非定型肺炎は,どのようなときに疑うか?
尿中抗原キットを臨床現場にて使いこなす!
グラム染色を臨床現場にて使いこなす!
血液培養2セットを臨床現場にて使いこなす!
市中肺炎における胸部単純X線写真の治癒経過
肺炎と間違えやすい疾患を見極める!
百日咳
ステロイド薬
3 発熱/咽頭痛症状改善目的
風邪をひくとなぜ,発熱症状が出るのか?
解熱鎮痛薬
風邪による発熱・咽頭痛に対し,解熱鎮痛薬は効くのか?
クーリング
発熱症状に抗菌薬は有効か?
急性中耳炎に抗菌薬は有効か?
風邪による咽頭炎(発赤・痛み)に効く薬はあるのか?
抗菌薬
伝染性単核球症(EBV)
PFAPA 症候群(周期性発熱症候群)
川崎病
性行為感染症
ステロイド薬
4 総合感冒薬&サプリメント
保険適用総合感冒薬(医療用医薬品)
一般用医薬品(OTC)
亜鉛
ビタミンC
ビタミンD
Chapter3 炎症反応の使い方・解釈について語ろう !
1 炎症反応検査(採血)(CRP・WBC・PCT)のミカタ
CRP
WBC
プロカルシトニン(PCT)
Chapter4 「診る」ために「見る !聴く !」
1 耳のミカタ─ 耳鏡を使いこなそう!
耳のミカタ
耳鏡を使いこなそう!
耳垢&耳掃除
鼓膜のミカタ
2 鼻のミカタ─ 鼻鏡を使いこなそう!
鼻のミカタ
鼻鏡を使いこなそう!
3 喉のミカタ─ 舌圧子を使いこなそう!
喉のミカタ
舌圧子を使いこなそう!
乳幼児の口内のミカタ
4 肺のミカタ─ 聴診器を使いこなそう !
聴診を見極める!
Chapter5 根拠を持って,薬&ワクチン&キット(迅速検査)を使いこなそう !
1 インフルエンザのミカタ
インフルエンザウイルス
抗菌薬
漢方薬
インフルエンザでよく処方される薬剤の薬価は?
インフルエンザワクチン
インフルエンザ診断
インフルエンザに似た発熱・筋肉痛症状が出る疾患
Chapter6 風邪のPhaseを見極め,【カゼ漢方薬30+1】を使いわけよう !
1 風邪症状改善目的
風邪のPhase
漢方薬という選択肢
【カゼ漢方薬30+1】
カゼ漢方薬の処方の流れ
鼻炎症状改善目的
咳症状改善目的
発熱症状改善目的
回復期の風邪症状
咽頭痛症状改善目的
市販薬(保険診療漢方にはない)
漢方薬の飲み方・飲ませ方
Chapter Appendix(付録)
1 COVID-19のミカタ
2 抗菌薬/漢方薬の臨床適正処方用法・用量・小児体重換算表
3 リーフレット・動画QRコード
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書籍情報
- ISBN:9784784962914
- ページ数:369頁
- 書籍発行日:2021年3月
- 電子版発売日:2021年3月31日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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