「型」が身につく 蛋白尿・血尿の診かた・考えかた

  • ページ数 : 373頁
  • 書籍発行日 : 2021年6月
  • 電子版発売日 : 2021年6月16日
5,940
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商品情報

内容

たかが尿検査、されど尿検査…
非専門医が苦手意識を抱きがちな素朴な疑問についてわかりやすく解説します


◆プライマリ・ケア医と腎臓・泌尿器科専門医、両方の目線を持つ医師を執筆陣に迎え、腎臓を専門としていない医師やスタッフがつまずきやすいポイント、ぜひ知ってほしいポイントを抽出。
◆尿検査の評価・解釈のキモを徹底的に伝授。尿検査の見方に関する「型」を効率的に身につけることができます。

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序文

序 文


尿検査の面白さは,簡便であるにもかかわらず,尿検体の性状や,蛋白尿・血尿を含む検査結果から多彩な臨床的手がかりを窺い知ることができ,診断や治療に対する影響が大きい点にあると思います。しかし,尿検査を日常的に行い,結果を的確に解釈して,診療に活かすことができている診療科はほんの一握りかもしれません。これは,医学生や研修医時代に尿検査に関する体系的なレクチャーを受ける機会がほとんどなく,これまでの尿検査に関する成書の多くが,その意義や評価法について網羅的かつ専門的な語り口でまとめられており,腎臓を専門としない医師に とって,ややとっつきにくかったことに起因しているのかもしれません。


今回,腎臓を専門としないプライマリ・ケア医やレジデントなどの若手医師,その他メディカルスタッフ・コメディカルスタッフを対象に,腎臓内科医・泌尿器科医ら優れた臨床医が尿検査,特に蛋白尿・血尿をどのように評価し,臨床に応用しているか,その思考を解説したいと考え,本書を企画しました。尿検査は難しい,面倒といったイメージを払拭し,その意義や奥深さを知って頂き,ひいては,これまで尿検査をオーダーしたことがない,あるいは,想起したこともない臨床医に,本書を読んだ翌日から検査をオーダーしてもらうことを目指しています。プライマリ・ケアと腎臓内科・泌尿器科,両方のバックグラウンドを持つ医師が編集・執筆に多く関わり,腎臓を専門としない医師が抱きやすい素朴な疑問についてわかりやすく解説していることが,本書のユニークな点です。


若輩者の編者が本書を編集するにあたり,東京ベイ・浦安市川医療センター腎臓・内分泌・糖尿病内科部長の鈴木利彦先生に監修をお願いし,並々ならぬお力添えを頂きました。また,編者が医師としての青春を過ごした飯塚病院総合診療科の恩師・清田雅智先生をはじめ,執筆をご快諾下さった諸先輩方や同僚・同期の先生方,そして,立案と大変な編集作業をして下さった日本医事新報社の方々へ,深甚なる謝意を述べたいと思います。


「たかが尿検査,されど尿検査」

本書が,様々な環境で頑張っている医師やスタッフの方々が抱きうる,尿検査,特に蛋白尿・血尿への漠然とした苦手意識の解消に少しでもお役に立てたなら,編者としては望外の喜びです。


2021年5月

東京ベイ・浦安市川医療センター腎臓・内分泌・糖尿病内科 医長
坂井正弘

目次

第1章 ちょっと待って! その患者さんの尿検査しなくて大丈夫?

1 そうだ,尿検査をしよう─尿検査の疑問解決はこれ1冊で大丈夫

2 様々な臨床場面における尿検査の有用性

第2章 [シナリオ]こんな蛋白尿・血尿で困っていませんか?

1 健診で蛋白尿が指摘された症例

2 健診で血尿が指摘された症例

3 健診で蛋白尿・血尿が指摘された症例

4 肉眼的血尿を主訴に来院した症例(20歳代)

5 肉眼的血尿を主訴に来院した症例(70歳代)

6 徐々に蛋白尿が増悪した外来患者(40歳代)

7 蛋白尿・血尿を新規に指摘された外来患者

8 徐々に蛋白尿が増悪した外来患者(80歳代)

第3章 [CQ]こんなに簡単でいろいろわかる尿検査

1 尿で何がわかるの?─鑑別診断を考えた上で尿検査でさらにグレードアップ

2 いつ尿検査を行うことを想起するの?

3 蛋白尿って何?なぜ蛋白尿が出るの?どの疾患を考える?

4 いつ尿蛋白の定量を行うべき?

5 外来で1日尿蛋白量を推定する方法は?

6 血尿って何?なぜ血尿が出るの?どの疾患を考える?

7 早朝尿を採取する意味は?

8 蛋白尿・尿潜血が偽陽性・偽陰性になるシチュエーションは?

9 尿比重は何を反映しているの?

10 尿沈渣はいつ提出すべき?何がわかるの?

11 尿細胞診はどの程度あてになるの?やっぱり出したほうがいいの?

12 3歳児検尿・学校健診における尿検査の意義は?

13 妊婦健診における尿検査の意義は?

14 尿検査って実際にどう扱われているの?

15 尿検査と診療報酬伊藤慎介

第4章 [CQ]本当に放っておいて大丈夫?その蛋白尿・血尿・腎機能障害

16 蛋白尿・血尿があると予後が悪いの?

17 経過観察が許される尿蛋白・尿潜血陽性のシチュエーションは?

18 いつ病診連携・腎生検を想起するの?

19 腎生検ってどんな意味があるの?何がわかるの?

20 蛋白尿がある場合の鑑別の進め方は?

21 血尿がある場合の鑑別の進め方は?

22 血尿がある場合,尿蛋白定量に影響するの?

23 尿定性で蛋白陰性─本当に蛋白尿はない?

24 尿検査異常はそれほどない腎機能障害は放っておけばいい?

25 尿検査異常・腎機能障害がある場合に腹部超音波検査等の画像検査はどのような意味があるの?

第5章 [CQ]かかりつけ医に知ってほしい蛋白尿・血尿を呈する腎疾患のこれだけは!

26 蛋白尿・血尿を呈する,かかりつけ医が知っておくべき腎疾患とは?

27 腎硬化症のillness script

28 糖尿病性腎症のillness script

29 慢性腎炎症候群とIgA腎症のillness script

30 急性腎炎症候群と急速進行性糸球体腎炎のillness script

31 ネフローゼ症候群のillness script

32 尿所見から腎疾患を推測する志水英明

第6章 [CQ]あなたは知っていますか?蛋白尿・血尿をフォローする上で大切なこと

33 蛋白尿をどう治療するの?エビデンスをふまえて

34 血尿をどう治療するの?エビデンスをふまえて

35 プライマリ・ケア医は蛋白尿・血尿をどのような検査でフォローアップするの?フォロー間隔は?

36 専門病院からみた望ましい病診連携とは?最良の病診連携に結びつく紹介状って?

第7章 尿検査・蛋白尿・血尿をより深く知りたいあなたのために

1 尿糖陽性とその病的意義は?

2 尿路感染症や尿路結石で特徴的な尿所見とは?

3 かかりつけ医が押さえるべき効率的なCKD管理

4 膠原病診療と蛋白尿・血尿

5 パラプロテイン血症と腎疾患─尿定性で引っかからなくても疑う?

6 肥満関連腎症ってどんな病気?

7 SGLT2阻害薬って腎臓病にいいの?わかっていることとこれからの展望

8 患者のために知っておきたい指定難病と医療費助成制度

付録

1 紹介状サンプル

2 尿検査・蓄尿検査

3 フォローアップ時の注意事項


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書籍情報

  • ISBN:9784784993826
  • ページ数:373頁
  • 書籍発行日:2021年6月
  • 電子版発売日:2021年6月16日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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