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実験医学増刊 Vol.39 No.10 相分離 メカニズムと疾患~“膜のないオルガネラ”はいかに機能するか? 神経変性疾患・ウイルス感染とどう関わるか?

  • ISBN : 9784758103954
  • ページ数 : 223頁
  • 書籍発行日 : 2021年6月
  • 電子版発売日 : 2021年6月18日
  • 判 : B5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥5,940 (税込)
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商品情報

細胞内にある“膜のないオルガネラ”が相分離によって形成された液滴であるという発見は,生命科学に大きなインパクトを与えました.本書では,多くの生命現象や疾患発症に関わる相分離研究の最新知見を紹介します.

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■ 序文

生命科学の研究は日進月歩であり,多様化した各研究分野において次々と重要な発見がなされている.しかしそうしたなかで,生命科学全般にわたって既存のイメージを一新するような原理にかかわる報告は,きわめて稀である.本書で取り上げる相分離現象は,細胞内のさまざまな現象を統一的に理解することができる新たな原理に基づいて制御されており,これまでの細胞像を根本的に覆すほどのインパクトを各方面にもたらしている.

相分離現象自体は,決して新しく発見されたものではない.相分離の研究の歴史は古く,物理学ではむしろ古典的な分野である.高分子ポリマー溶液における多彩な相分離現象を扱うソフトマター物理学も,基本的な原理に関してはすでに確立されている.要するに,物理学の世界で認知された相分離現象が,細胞内の各所で広く使われていることに行き当たったことこそに,大きな意義がある.相分離研究の進展によって,蛍光顕微鏡下でドット状に観察される非膜オルガネラが実は液滴で,細胞内はまるでドレッシングのような多数の液滴が混在する様相を呈しているという細胞像が示されるようになった.そして相分離の視点で細胞内を眺めると,従来の視点では説明がつかなかったさまざまな現象が都合よく説明できるのではないか,という期待感が生まれ,この分野の盛り上がりにつながっている.例えば,細胞内の液滴に選択的に因子が取り込まれることによって,そのなかで特有の生化学反応が効率よく遂行されるという考え方は,「混み合った細胞内にいかに秩序をもたらすか」という基本的な問いに対するわかりやすい解答であった.

相分離研究は,タンパク質や核酸を対象にした分子生物学にも新たな視点をもたらした.特に一群の天然変性タンパク質とDNA やRNA が織りなす多価相互作用によって相分離が引き起こされるという発見から,特に真核生物で多くみられる天然変性タンパク質やノンコーディングRNA などの機能未知の分子群が相分離現象と結びつくことによって,それまでつかみどころのなかった分子機能が理解できるようになった.そして相分離研究は,よりマクロな視点での生理現象や疾患にまでその裾野を急速に広げており,生命科学を包含する大きな研究分野として発展を続けている.その一方で,とかく新しい研究分野にありがちなことではあるが,続々と報告されている知見の中には評価が不十分なものも数多く含まれている現実もあり,いかにして正しい情報を選別するかの適切な指標も整備される必要が

ある.本書では,特に相分離によって形成される非膜オルガネラの構造と機能(第2 章),それらがかかわる生体現象や疾患(第3 章)を中心に,この分野の第一線で活躍されている研究者に執筆をお願いした.また物理学の視点によるわかりやすい概説や相分離を引き起こす因子についての基本的な知見(第1 章),また今後の研究発展に有用な先端解析技術(第4 章)についても包含した.本書が生物学のすべての分野の研究者,生物学の新しい潮流に興味を抱く異分野の研究者,さらに,これから生命科学を志す学生の皆さんにも大いに利用していただけると幸いである.


2021年 5月

編者を代表して
廣瀬哲郎

■ 目次

序【廣瀬哲郎】

概論 相分離研究による細胞像の再構築【廣瀬哲郎】

第1章 基盤因子と理論

1. 細胞サイズ空間での相分離から細胞内相分離へ【柳澤実穂,冨田和甫,渡邊千穂】

2. タンパク質の相分離誘導ドメイン―天然変性領域・プリオン様ドメイン・low-complexity配列【加藤昌人】

3. 相分離を制御する細胞内のさまざまな因子【吉澤拓也】

4. タンパク質を安定化させる超天然変性タンパク質,Heroタンパク質【石塚達也,泊 幸秀】

第2章 相分離と細胞内構造

Ⅰ.核内の非膜オルガネラ

1. 液-液相分離を介した核小体構造形成のダイナミクス【奥脇 暢】

2. Cajal bodyの多機能性と柔軟性の包括的理解【大峽咲希,中川真一,米田 宏】

3. 核スペックル【秋光信佳】

4. パラスペックル【山崎智弘,山本哲也,廣瀬哲郎】

5. 核膜孔複合体の構造と機能における液-液相分離の役割【吉村成弘】

Ⅱ.細胞質の非膜オルガネラ

6. 生殖細胞の運命を制御する非膜性RNP凝集体【須山律子,甲斐歳惠】

7. 動物のRNAサイレンシング経路と顆粒構造体【平形樹生,塩見美喜子】

8. ストレス顆粒形成による生命機能制御と疾患【吉岡大介,中村貴紀,武川睦寛】

9. 神経RNA顆粒のダイナミクス制御と高次脳機能【椎名伸之】

10. 相分離を介した中心体の制御機構【馬渕 陽,畠 星治,北川大樹】

11. 膜性オルガネラと非膜オルガネラのクロストーク【持田啓佑,田中元雅】

Ⅲ.染色体・転写制御と相分離

12. 「場」の形成を介した転写動態制御【川崎洸司,深谷雄志】

13. 転写凝集体とゲノム高次構造【鈴木 洋】

14. 染色体座位顆粒【市川雄一,斉藤典子】

15. ヘテロクロマチンの形成メカニズム【野澤竜介,小布施力史】

16. 減数分裂の相同染色体対合【平岡 泰】

第3章 相分離と生体機能・疾患

1. 酸化還元センサーとして働くLC配列のクロスβ線維【加藤昌人】

2. ユビキチン修飾と相分離【佐伯 泰】

3. 相分離で見直すオートファジー【藤岡優子,野田展生】

4. 細胞極性と相分離【茂木文夫】

5. 相分離現象を通して見る神経変性疾患【小澤大作,永井義隆】

6. RNAウイルス感染で認められる相分離【本田知之】

第4章 解析技術

1. 液滴混み合い状態としての細胞内レオロジー【水野大介,藤原 誠,井口昇之,杉野裕次郎】

2. 細胞内相分離を理解・操作・活用する人工相分離ツール【築地真也,吉川 優】

3. X線散乱・中性子散乱【中川 洋,松尾龍人】

■ 特記事項

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