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- 関節外科 2021年7月号 Vol.40 No.7 早期変形性膝関節症の診断と治療
商品情報
内容
MRIでみる早期変形性膝関節症の病態
早期変形性膝関節症における骨髄病変
ほか
>関節外科バックナンバー
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序文
introduction
今や高齢者は全人口の29%を占めており,今後さらに高齢化が進み,2045 年には全都道府県が30%を超えると推測されています。このようななか,運動器疼痛は日本では2,000万人もの人々を悩ませており,4 人に1 人は膝に慢性疼痛を抱えているといわれます。その主たる疾患が変形性膝関節症(knee osteoarthritis;膝OA)です。これは痛いだけでなく,日常生活動作(activities of daily living;ADL)を障害させ,生活の質(quality of life;QOL)を低下させて廃用症候群に陥るリスクを高めます。さらに就労能力を低下させ,社会・医療経済的にも大きな負荷を与えています。今後,日本は超高齢化とともに年少人口や生産人口が半減する人口減少社会がやってきます。このため,活力ある高齢者の社会参画が必要とされる時代が迫っています。この観点から,OA をどう克服していくかは,超高齢・人口減少社会・日本の喫緊の課題の一つといえます。政府は「人生100 年時代」を掲げ,日本の高齢者の身体機能や脳機能は高く,就労に意欲的であることから,健康なアクティブシニアの積極的な社会参画による,活力ある社会を目指すとしています。その日本の未来に,私たち整形外科医がどうコミットしていくか,今,その役割を問われているのだと思います。
高齢化は世界的な潮流でもあります。世界保健機構(WHO)がまとめた10 Facts では,2050 年までに高齢者は倍増し,多くは経済的に恵まれず,死因は心・肺・脳疾患ですが,障害をもたらすのは,視聴覚障害と認知症とOA であると明言されています。高齢化する世界に対して人類はどうあるべきか,まさに日本は世界のフロントランナーともいえ,その観点からもOA の克服はきわめて重要な課題と考えます。
不可逆的な病態をもつOA に対して,健常な状態に可逆的に戻せる早期段階を明らかにすることができれば,進行を遅らせたり,治癒が期待できるかもしれません。また,介入,治療効果の評価標準にもなりえます。そのために早期膝OA を診断し,治療・介入することが必要です。
本特集では,日本におけるOA に関する基礎・臨床研究分野で随一の専門家の方々に早期膝OA の定義や病態,疫学,治療,そしてゲノム解析まで最新のエビデンスを用いて詳細に述べていただきました。本特集を熟読していただき,早期膝OA への理解を深めるとともに,健康長寿延伸に寄与する診療の参考の一助になれば編者として望外の喜びであります。
島根大学医学部整形外科学
内尾祐司
目次
特集:早期変形性膝関節症の診断と治療 企画・編集:内尾祐司
早期変形性膝関節症の定義 関矢一郎ほか
MRIでみる早期変形性膝関節症の病態 羽田晋之介ほか
早期変形性膝関節症における骨髄病変 佐々木英嗣ほか
早期OAの病態-痛みの発現と疾患の進行に関与する要因は何か? 福井尚志ほか
早期変形性膝関節症の治療:日常生活動作指導 大森 豪
早期変形性膝関節症の治療:運動療法 千田益生ほか
早期変形性膝関節症の治療:装具療法 岡本卓也ほか
早期変形性膝関節症の治療:薬物療法 内尾祐司
早期変形性膝関節症の疫学 吉村典子
早期変形性膝関節症のゲノム解析 池川志郎
原著論文
3Dプリンターを使用したpatient specific surgical guideの開発とデザイン例-大腿骨近位部骨切りガイド編 高田秀夫
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書籍情報
- ISBN:9784008204007
- ページ数:80頁
- 書籍発行日:2021年6月
- 電子版発売日:2021年7月30日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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