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  • 美しく立つ―スポーツ医学が教える3つのA

美しく立つ―スポーツ医学が教える3つのA

  • ISBN : 9784830651489
  • ページ数 : 132頁
  • 書籍発行日 : 2007年5月
  • 電子版発売日 : 2021年9月15日
  • 判 : B5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥1,980 (税込)
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商品情報

美しく立つことができ,上手に体を動かすことができれば,運動器を健康に保つことができるという認識のもと,体操やストレッチ,トレーニング方法を紹介.スポーツ医学の見地から3つのA─Anatomy(アナトミー:構造と機能),Alignment(アライメント:姿勢肢位の違い),Awareness(アウェアネス:身体を認識する)─に基づき,中高年者の運動器の痛みやアスリートの障害予防について解説.スポーツドクター,整形外科・リハビリ分野の医療関係者の必読書.

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
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■ 序文

序文

美しく立っている人は少ないと気づいたのは,スポーツ整形外科外来で使いすぎ症候群とよばれる慢性障害の選手たちを診ていた10 数年前のことである.X 脚O 脚など骨の配列を示すアライメントという昔からの言葉を動きの中にみていくと,ちょっと悪いアライメントで使う人がたくさんいるのである.静止立位ではO 脚の人が軽度屈曲するとX 脚を呈する例が外来患者のほとんどであり,病院に来ない選手たちでも足腰に痛みを抱える選手たちでは大半の人がこの使い方をしていた.逆にメディカルチェックで障害のない一流選手たちは良いアライメントで立っていることも確認した.痛みを抱えている選手たちに良いアライメントのスクワットを指導すると劇的に改善していった.

スポーツと縁のない一般中高年の外来患者さんの足腰の痛みにも応用した.効果はいまひとつであった.患者さんたちはやらないのである.病院に行って薬をもらう,注射してもらう,リハビリを受けるというように何かしてもらうという受身の人がほとんどである.自分で体操をして治そうという教育が必要であった.やってくれない人に言葉をかえて説得し,プリントをつくり,図解をみせ,やってみせるうちになんとかやってくれる人が増えてきた.やってくれるとよくなる.よくなれば来ない.うるさくやれやれといわれて私の外来を敬遠する人もいて,外来の患者さんは減ってきた.病院の儲けにはならないなと思いつつ続けてきたが,最近では運動を教えてといってくる患者さんも来院するようになった.一緒にやってみせるのが中高年になった私自身の健康法になってきているようである.

こんな経験を体育の授業にも活かしていった.一般学生に教育しようと自由研究ゼミナールを始めた.最初は「身体運動の認識」という題で行っていた.「美しく立つ」と題名を変えたら希望者が増えた.美しく立てたらスキーもできる,スキーは雪の斜面でバランス良く立っていれば滑り降りていけるという理屈で,評価はスキー場で行うといううたい文句で募集した.これは,スキーを続けたい私がスキーをする機会を確保したいからでもあった.学生のレポートをみてもスキーの楽しみと身体の操作とが結びついて良い結果が生まれている.学生たちの反応をみながら工夫を加えこの成果を世に問いたいと思うようになった.

まず,立つのは当たり前かという問題提起をしたい.生まれ落ちてすぐに立てる動物と違って,手取り足取り,ほめられ,やっと立つのが人間である.いざ立ってしまうと普通はそれ以上立ち方を追求することはない.しかし,より上手により強く立つことを求めるのがスポーツ,芸術の世界である.心技体という言葉で総合的なトレーニングが行われてきた.病気やけがで立てなくなるとリハビリを行う.疲労すると立てない,長く立てないという人たちには健康法としてヨガや気功などが工夫されてきた.これらのノウハウを見直してみると,スクワットでありストレッチングであり背骨の体操であると理解して教えるようになった.スポーツ整形外科医の目指すところと体育の教師の目指すところは違うようだがそれほど遠くない.障害予防と治療と競技力の向上は上手な身体の使い方を身につけることで可能になる.上手な身体の使い方の基本は身体の仕組みを知り,構えや動きの違いに気づくことである.気づけば立ち居振る舞いという日常動作にも表れてくる.立ち居である.上手に立つことである.優れたスポーツ選手は立ち姿でわかるという.上手に立っている人は多くの人から美しいという評価が下る.まず,美しく立とうと努力してみよう.

数年前から手をつけてきたものの,生来の怠け者,浮気者で集中が続かず,この春にやっと完成した本書を亡き母に捧げたい.母は10 年ほど前に脳梗塞で亡くなったが,名前を渡會はるといい美しく立っていた人であった.いつも春になると春風のような人だったなと思い起こすのである.明るく温かい人で,母が入ってくると雰囲気が和やかになり周囲を明るくするのが常だった.私もああいう人になりたいなと思っていたが,遺伝子は発現せず,傍観者のままでいることが多く,今に至っている.客観的に外からみることができるのは医師としても教師としてもいい性質かなとも思ってがまんしている.

母とはよく話をした.スポーツも好きで,女学校ではバスケットをやっていて,神宮大会に出たというのが自慢であった.本書に書いてあることを晩年になって紹介し,膝を曲げたときにはつま先の方向に曲げるのがよいというと,そんなこと私は10 代の頃,お茶の先生に習ったわよと軽くいわれてしまった.母には常識だったわけである.一生,膝や腰の痛みは訴えなかった.少女時代に習ったお茶や踊り,仕舞いなどが日常生活に活きていたといえるだろう.良いアライメントで立ち居振る舞いをするということが自然にできる人がいるのである.

スポーツマンでも何をやらせてもうまいという人がいる.何か本質的なものをつかんだからだと考えられるが,良いアライメントで動くことが答えだと思っている.本書の伝えたいことである.スポーツをやれば,身体はより強くなり,動きも巧みになり,より健康になるという効用を信じて行っている人が多いと思う.しかし現実は少なからぬスポーツマンが障害に悩んでいてスポーツ医学が必要となっている.スポーツで身体を痛めるのは本末転倒である.スポーツをする以上多少の痛みはつきものであるということばもある.かつてはそうも思っていたが,今はこのことばはおかしいと思う.何か原因がある.私の研究はこれを追究してきたのであるが,身体の理解を深めて,上手に身体を操作することが解決策だと思うに至った.

運動不足による生活習慣病が蔓延する現代生活ではスポーツがすすめられるが,その前に基本的な身体を上手に動かすことが教育されなければならないのである.かつては,遊びや習い事,家事の手伝いなどで教育されてきた面もある.現代では知っておくべき教養として,人に伝えていかなければならない知識,技術として教えている.そうした教えにゼミをとった学生たちはよく反応してくれた.求めている人は少なくても必要としている人は多いと思っている.本書をより多くの人に,広く読んでいただいて,実践していただきたいと思う.


2007年春

渡會 公治

■ 目次

第1章 美しく立っていないからランニング障害と歩行障害が起こる―足腰の痛みと立つトレーニング

 ランニング障害と歩行障害

 美しく立つことと腰痛

 腰痛体操

第2章 身体の手入れ

 ストレッチングは何のためにするのか

 私のおすすめのストレッチングの真向法のもう1つの意義

 背骨ほぐし,脊椎の体操

第3章 美しく立つための技術:スクワット

 片脚スクワット

 究極の片脚立ちトレーニング四股

 美しく立てるようになったら, 美しく歩く

 立ち方,スクワットのデータ

第4章 転倒予防と「美しく立つ」

 転ばぬための工夫あれこれ

 腹ばい体操のすすめ

 転びやすい病態

 現代そして転倒予防教室

 転ぶと,どんなけがをするのか

 スポーツ医学から転倒防止を考える

第5章 知っておきたい身体の構造

 立つ装置の概説

 脊椎骨盤の話

 骨盤の話

 骨盤の関節である股関節の話

 最大の関節で障害も多い膝関節

 足のアーチの話

 足底圧分布Fスキャンでみた立ち方

第6章 姿勢の話

 重力について

 頭の姿勢と重力

 姿勢をつくるものと乱すもの

第7章 アライメントを教えるもの,導くもの

 アライナーシャツ

第8章 美しく立つゼミの学生のレポートより

第9章 美しく立てないため外来に来た患者さんたち

 症例1 ボウリング部大学生の膝痛

 症例2 テニス同好会女子学生の膝痛

 症例3 大学ボート部員の腰痛

 症例4 バレリーナの下肢痛

 症例5 中年ゴルフインストラクターの腰痛

 症例6 高齢者の膝の痛み

第10章 特別体育の学生たちの言葉

まとめ

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