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これでわかる!もう怖くない! 輸液・栄養療法レクチャー~処方から学ぶ must/must not

  • ページ数 : 228頁
  • 書籍発行日 : 2012年2月
  • 電子版発売日 : 2021年10月1日
5,500
(税込)
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商品情報

内容

これ一冊で輸液の基本から実践までを理解できる!

まず,輸液の基礎をわかりやすく解説し,次に,合併症が多い中心静脈栄養の適切な管理について,EBMに則って作成された「ガイドライン」をもとに,実際に判断する根拠・理由を重点に考え,個々の管理方法を具体的に「must(せなあかん),must not(したらあかん)」で提示するかたちで解説.さらに,輸液を施行することが多い症例を提示しながら輸液処方のポイントを解説した,輸液の基本的な考え方から実践までを学ぶのに最適な一冊.

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序文

はじめに


臨床の現場で避けて通れない医療手段の一つに輸液がある.輸液を受けたことのある人は決して少なくなく,多くの人が輸液を受けるので,医療関係者としては輸液に精通しておかねばならない.特に薬剤師の先生方も最近は,NST(nutrition supportteam) メンバーの一員として回診に参加し, 中心静脈栄養(total parenteralnutrition:TPN)施行患者の輸液メニューを回診中にチェックすることになり,カルテや輸液処方せんを一瞥して瞬間的に評価できないといけない.しかし,輸液の知識を習得することは一見やさしそうであるが,困難でかなりの努力を必要とする.

輸液のボトルを初めて見たとき,大抵の人は「何でこんなに種類がたくさんあるのだろう?」と疑問に思う.系統立てながら整理して覚えていかないと,数が多すぎて実際にすぐに役立たないことになる.輸液に関しては,簡単明瞭でわかりやすく実践的かつ適切な教科書がなく,また授業もされていないのが,わが国の医療教育の現状である.医学部の学生時代に,海水の成分と身体内の液体の成分を比較した表を見せられて,眠たくなったことを思い出す.また医療現場に配属されてからは,「ゆっくり,きっちり,しっかり」と勉強する時間もなく,やっと時間を見つけ(作って)教科書を読み始めても,「それで,そして,どうすればいいの?」と,イライラがつのるだけで,すぐに役に立つ実践的な教科書もない.

輸液についてまったく理解していないと,訳がわからなくなり,「輸液は怖い」と避け,ついつい適当に誤魔化して対応することになる.そして,ますます苦手意識をもち,輸液を毛嫌いするようになる.これでは,いつまで経っても適切な輸液の施行ができずに,誤った輸液をしてしまうことになりかねない.しかし,たとえ間違った輸液がなされても,人間のもっている「ホメオスターシス」能力により,身体が勝手に輸液の間違いを是正してくれるという情けないことが起こっている.とはいえ,輸液の「致命的」な間違いは,患者にそれこそ「致命的」な損害を与えかねない.「たかが輸液,されど輸液」である.

本書は,株式会社じほうから出版されている薬剤師向け月刊誌「月刊薬事」において,平成19年8月号から平成22年4月号まで33回にわたって連載した「処方から学ぶmust/must not 輸液・栄養療法のエッセンス」に加筆修正を加えて単行本化したものである.したがって,本書の原稿はそもそも薬剤師の先生方に向けて書いたものであるが,医師や看護師などNSTを構成するその他の職種の方々にも,また学生諸君にも,十分勉強になる内容となっている.

まず,輸液を理解するために,「なぜ?(なんで?)」と理由を深く掘り下げ追及し考えることで,エッセンスだけを覚えていただこうと,輸液の基礎についてわかりやすく解説した.その次に,合併症が多いTPNの適切な管理について,EBM(evidence based medicine)に則って作成された「ガイドライン」をもとに,実際に判断する根拠・理由を重点に考え,個々の管理方法を具体的に「must(せなあかん),must not(したらあかん)」で提示するかたちで解説した.それ以降は,輸液を施行することが多い各種疾患などを想定し,具体的な症例を提示しながら輸液処方のポイントを解説した.


本書を通じて,日頃目にしている輸液メニューの問題を発見し,解説できる能力と同時に,解決までのスピード感を身につけていただきたい.


平成24年2月

山東 勤弥

目次

1 輸液の基礎

2 ガイドラインに沿った中心静脈栄養の管理 must(せなあかん),must not(したらあかん)

3 胃切除後合併症での食事摂取開始

4 「温故知新」 昔,むかし,その昔・・・

5 たかが輸液,されど輸液

6 だれかが阻止できたはず

7 TPN処方を“瞬時に"チェックできますか?

8 末期がん患者の輸液管理

A 死について(“死に方"について)

B 終末期医療(ターミナルケア)

C 栄養管理から皮下持続輸液まで

D オピオイドの使用法

9 肝硬変患者の輸液管理

A 肝硬変の病態・所見

B 肝硬変の栄養管理

C 肝性脳症の栄養管理

10 胃全摘出後合併症により腎不全患者の輸液管理

A 症例を理解するための基礎的知識

B 栄養管理について

C 腎不全用経腸栄養剤

D 本症例の処方内容の問題点

11 褥瘡を有する糖尿病患者の栄養管理

A 糖尿病の基礎的知識

B 褥瘡ケアの基礎的知識

C 褥瘡の栄養療法の基礎

D アルギニンの重要な働き

E 本症例のまとめ

12 食道がん患者の栄養管理

A 病態・治療の理解と術前栄養管理

B 化学療法時の栄養管理

13 骨髄移植患者の栄養管理

A 造血幹細胞移植の概要と感染対策

B 造血幹細胞移植後の合併症

C 造血幹細胞移植の栄養療法のまとめ

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書籍情報

  • ISBN:9784830660610
  • ページ数:228頁
  • 書籍発行日:2012年2月
  • 電子版発売日:2021年10月1日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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