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薬局 2022年9月 Vol.73 No.10 不妊とくすりの現在(いま) ~ここが変わった! 治療法・治療薬から保険制度まで

  • ページ数 : 194頁
  • 書籍発行日 : 2022年9月
  • 電子版発売日 : 2022年8月30日
¥2,200(税込)
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商品情報

内容

特集 不妊とくすりの現在ここが変わった! 治療法・治療薬から保険制度まで
特集にあたって
 不妊の基礎知識
不妊治療のいま:保険適用拡大で何が変わったか
 ・保険適用拡大で不妊治療はどう変わったか
ほか

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序文

特集にあたって

2022年4月から一般不妊治療や生殖補助医療の多くが保険適用となり,生殖医療の現場において大きな変革がもたらされている.泌尿器科においても,手術,薬物療法,検査など,多岐にわたって保険適用となった.これまで保険で行っていた外科治療は,精索静脈瘤に対する手術や閉塞性無精子症に対する精路再建術などであったが,今回,精巣内精子採取術,顕微鏡下精巣内精子採取術についても保険適用となった.また,使用法に条件があるとはいえ,勃起不全(ED)が原因と考えられる不妊症に対して,ED治療薬であるホスホジエステラーゼ5阻害薬が保険適用となったことも,対象となるカップルにとって朗報であると考えている.Y染色体微小欠失検査も保険適用となったが,精巣内精子採取術の適応の判断を目的とする場合に限定されている.高度乏精子症においても数%はY染色体微小欠失が関係していると考えられているが,その有無を検査する目的で行う場合は自費診療となる.

したがって,男児への遺伝に関する遺伝カウンセリングなどきめ細やかな診療を提供することが難しくなると考えられる.長らく自費診療で行っていた治療を,その成績を損なうことなくどのようにして保険診療に組み込んでいくか,われわれ専門医がこれまで培ってきた技術や経験が試されているともいえる.特定不妊治療費助成金の交付が,「治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満であること」を条件としていたように,今回の保険適用についても体外受精や顕微授精などの生殖補助医療は,「当該患者又はそのパートナーのうち女性の年齢が当該生殖補助医療の開始日において43歳未満である場合に限る」とされている.女性パートナーの年齢が43歳以上の場合は自費診療となるが,保険適用となっていない技術を引き続き提供することも可能である.しかし,生殖補助医療の「やめどき」ついては個別に検討していく必要がある.2022年4月以降,比較的若いカップルも外来を受診するようになり,今後の不妊治療の拡大を感じているところであるが,解決すべき課題も多い.

このような背景を踏まえ,久具宏司先生(東京都立墨東病院 産婦人科部長)と今回の特集を企画した.泌尿器科領域では,不妊治療のエキスパートの先生方にそれぞれのテーマについて執筆いただいた.保険適用となったことが泌尿器科における不妊治療においてどのような影響や変化をもたらしたのか,そして今後どのように発展していくのかを,読者のみなさまにわかりやすく届くことを期待している.


市川 智彦
千葉大学大学院医学研究院 泌尿器科学 教授


少子化は,わが国が国家として直面する重要な課題の一つである.日本の年間出生数は年々減少を続け,2021 年には811,604 人となった.1 人の女性が一生の間に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は1.30で,世界的にみて最低レベルである.さまざまな社会事象が少子化を引き起こす要因と考えられるなか,男女の未婚率の上昇に表れる非婚化,結婚する男女においても初婚年齢の上昇に伴う晩婚化,結婚した後,子をもつまでの期間の延長,それらの要素が複合した晩産化も少子化を推し進める一因と考えられている.出産を経験した女性でも,平均の第1 子出産年齢は,2020 年には30.7 歳となっている.

そのような状況下,不妊カップルの増加がクローズアップされている.現在の日本における不妊カップルは全カップルの約15%に達するといわれている.晩婚化が進むなど,今後の社会行動の変化によっては,不妊カップルはさらに増加するかもしれず,不妊治療はますます注目を浴びるものと思われる.わが国で1983年に導入された体外受精はそれまでの不妊治療に風穴を開け,近年急速に拡がってきた.体外受精を中心とした治療手技は生殖補助医療技術(ART)とよばれ,現在の日本では体外受精を経て生まれる児は,全出生児の7% を超えている.ART はtechnologyではあるが,従来一般不妊治療に用いられてきた薬剤も改良を重ね,ART施行時にさまざまな方法で使用される.

わが国では,2022年4月から不妊治療に保険診療が適用されることになった.特に顕微授精を含む体外受精が保険診療の対象となったのは大きな変化である.不妊治療の保険診療化が少子化解消に寄与するかは疑わしいところではあるが,これまで費用面から不妊治療に二の足を踏んでいたカップルにとってハードルが下がるのは望ましいことである.生殖医療実施施設の門をたたくカップルがこれまで以上に増えることであろう.

今回,『薬局』では,不妊と薬にスポットを当て,不妊の原因や治療などの基礎知識,一般不妊治療ならびにARTにおける種々の薬剤の考え方と使用法,疾患を有する不妊患者へのアプローチに加えて,保険診療における使用のルールや留意事項について,第一線で活躍中の先生方が解説する特集を企画した.


久具 宏司
地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立墨東病院 産婦人科 部長

目次

特集 不妊とくすりの現在ここが変わった! 治療法・治療薬から保険制度まで

特集にあたって(市川 智彦,久具 宏司)

不妊の基礎知識(小野 政徳 ほか)

不妊治療のいま:保険適用拡大で何が変わったか

・保険適用拡大で不妊治療はどう変わったか(松山 玲子 ほか)

・保険適用拡大における不妊の薬物療法(平田 哲也)

新型コロナウイルス感染症と不妊治療(相澤(小峯) 志保子)

不妊の薬物治療の基礎知識

・女性不妊(浦田 陽子 ほか)

・男性不妊(辻村  晃)

・妊孕性・性機能に影響を及ぼすリスクのある医薬品(古井 辰郎 ほか)

・不妊治療で漢方薬を活用する知識とノウハウ(小林 秀行)

女性不妊における薬物治療の実践

・抗エストロゲン製剤(久須美 真紀)

・ゴナドトロピン製剤(横山 絵美 ほか)

・ドパミン作動薬(カベルゴリン)(福井 淳史 ほか)

・GnRHアナログ(田村 博史)

・アロマターゼ阻害薬(レトロゾール)(髙橋 俊文)

・インスリン抵抗性改善薬(メトホルミン)(松崎 利也 ほか)

・プロゲステロン経腟製剤(藤原 敏博)

・エストロゲン製剤(林  裕子 ほか)

男性不妊における薬物治療の実践

・非内分泌療法(湯村  寧)

・内分泌療法(白石 晃司)

・ホスホジエステラーゼ5阻害薬(小宮  顕)

さまざまな疾患と不妊

・婦人科疾患と不妊(内田 聡子)

・感染性疾患と不妊(北島 道夫)

・免疫性疾患と不妊(内田  浩)

・内分泌疾患と不妊(岩瀬  明)

シリーズ

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・フルオロキノロンで透析患者の心突然死リスク上昇

(佐藤 宏樹 澤田 康文)

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書籍情報

  • ISBN:9784009107310
  • ページ数:194頁
  • 書籍発行日:2022年9月
  • 電子版発売日:2022年8月30日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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