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病理と臨床 2022年臨時増刊号 がんゲノム医療時代の分子腫瘍学

  • ISBN : 9784011204000
  • ページ数 : 424頁
  • 書籍発行日 : 2022年4月
  • 電子版発売日 : 2022年4月21日
  • 判 : B5変型
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥9,900 (税込)
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商品情報

ゲノムの最新知識やその解析法の実際といった基本的事項を押さえ,腫瘍にかかわる代表的な分子機構を概説するとともに,家族性腫瘍や各臓器のがんにおける分子腫瘍学の最新知見を集約!がん遺伝子パネル検査の実情と展望についての解説も.知識のアップデートのために読むも良し,診断に迷ったときの辞書として手元に置くも良し.“がんゲノム医療時代”の今,押さえておきたい知識が詰まった心強い一冊.

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■ 序文

「病理と臨床」40巻臨時増刊号
がんゲノム医療時代の分子腫瘍学
発刊にあたって


これまで病型分類は組織学的特徴をもとになされてきたが,いくつかの腫瘍および疾患単位では遺伝子異常をもとにした疾患名が用いられている.これらの変化は,次々と発表される全ゲノム解析・RNA解析などのゲノム解析結果に基づき,稀な腫瘍までカバーされつつある結果ともいえる.また,分子異常に基づいた多くの治療法が確立され,それは臓器横断的に適応されるものもある.同時に,がんゲノム医療を通じて得られた遺伝子変異情報はクリニカルシークエンスとして実臨床に還元されると共に,臨床治験の大きな推進力ともなっている.すなわち,これらの分子腫瘍学の発達により,それぞれの腫瘍で多くの知見が得られ,診断や治療に生かされている.

「病理と臨床」では分子腫瘍学の重要性に鑑み,定期的に臨時増刊号としてその時代時代の最新の知見を集約してきた.しかしながら,2016年(34巻)の「癌の分子病理学―病理診断から治療標的探索まで」が最新であり,以降,がんゲノム医療が実際の医療として実施されると共に,分子病理専門医制度も開始されている.そこで,もう一度これらの知見を集約し,最新の分子腫瘍学をまとめることとした.分子標的治療のためのコンパニオン診断についての解説や分子病理専門医取得のためのテキストについてはそれぞれ個別の特集や雑誌として存在するため,この臨時増刊号では純粋に分子腫瘍学に焦点を当て,現時点において解明されていること,これから解析しなくてはいけないことをまとめることにした.

まず第1部では分子腫瘍学序論として,がんの分子生物学の総論および解析方法を挙げ,第2部で多くの腫瘍で異常が見出されている代表的なパスウェイについて概説している.第3部では各論を取り上げ,家族性腫瘍および各臓器の腫瘍について最新の知見を含めての解説をお願いした.第4部では現在のゲノム医療を推進してきたパネル検査について展望も含めて記載している.第1部・第2部と第3部とは重複する内容もある.しかしながら,これら総論と各論は共に横糸・縦糸の関係に当たり,それらを組み合わせることで分子腫瘍学を網羅することができると考えている.

分子腫瘍学はさらなる進歩が望まれ,また,実際に日々変遷していることから,本書の知見は記載された時点での知識にしかすぎず,それぞれの知見のアップデートは読者にゆだねられる.しかしながら,ある時点での参考書として一冊の本としてまとめることは意義があると思っている.本臨時増刊号が,読者の研究・診療に役立つことを願ってやまない.


監修:谷田部 恭,宇於崎 宏,北川 昌伸
編集:西原 広史,関根 茂樹,榎本  篤,石川 俊平

■ 目次

第1部 がんの分子病理学(序論)

 A がんの分子生物学

 1 ゲノムの構成/河津正人

 2 遺伝子バリアントの表記方法/下平秀樹

 3 がん遺伝子とがん抑制遺伝子/高阪真路

 4 エピジェネティクス(1)メチル化異常/臼井源紀 他

 5 エピジェネティクス(2)ヒストン修飾の異常/梅原崇史

 6 エピジェネティクス(3)RNAによる制御/立和名博昭 他

 7 遺伝子異常と多段階発がん/中山端穂 他

 B 解析法

 1 FISH・ISH/菱川善隆 他

 2 分子病理学的検索のための核酸抽出/燕 果歩 他

 3 PCR法/松坂恵介

 4 ヒトゲノム研究におけるマイクロアレイ解析(CGH・SNP・メチル化など)/永江玄太

 5 次世代シークエンシング(1)次世代シークエンシングの原理/芳賀泰彦 他

 6 次世代シークエンシング(2)がんゲノム医療における変異解析/加藤 護

 7 次世代シークエンシング(3)RNAシークエンシング解析/市川 仁

 8 次世代シークエンシング(4)リキッドバイオプシー/松寺翔太郎 他

第2部 腫瘍発生にかかわる分子機構

 1 WNTシグナル経路/関根茂樹

 2 MAPK経路/衣斐寛倫

 3 PI3K/AKT/mTOR経路/原 文堅

 4 TGF-β経路/鈴木裕之 他

 5 細胞周期とチェックポイント制御因子/工藤保誠

 6 DNA修復機構/織田信弥

第3部 がんの分子病理学(各論)

 A 家族性腫瘍

 1 Lynch症候群/赤木 究

 2 遺伝性びまん性胃がん/椙村春彦 他

 3 遺伝性乳癌卵巣癌症候群/川上 史 他

 4 Li-Fraumeni症候群/中野嘉子

 5 家族性大腸腺腫症/山口達郎

 6 多発性内分泌腫瘍症/榎本 篤 他

 B 臓器がん

 1 脳腫瘍/里見介史 他

 2 頭頸部がん・口腔がん/森 泰昌

 3 唾液腺腫瘍/中黒匡人

 4 甲状腺がん/近藤哲夫

 5 食道がん/斉藤秀幸 他

 6 胃がん/牛久哲男

 7 大腸がん/関根茂樹

 8 GIST/廣田誠一

 9 肝細胞がん/柴田龍弘

 10 胆道がん/尾島英知

 11 膵がん/古川 徹

 12 肺がん/松原大祐

 13 乳がん/永澤 慧 他

 14 腎がん/佐藤悠佑

 15 尿路がん/南雲義之 他

 16 前立腺がん/宮城洋平

 17 子宮体がん/織田克利

 18 子宮頸がん/吉田 裕

 19 卵巣がん/前田大地

 20 骨軟部腫瘍/岩崎 健 他

 21 皮膚腫瘍・悪性黒色腫/松井馨之 他

 22 悪性中皮腫/関戸好孝

 23 白血病/越智陽太郎 他

 24 リンパ腫/藤澤 学 他

第4部 遺伝子パネル検査

 1 がんゲノム医療の制度/四十物絵理子

 2 がんゲノム医療(1)OncoGuideTMNCCオンコパネルシステムの特徴/角南久仁子

 3 がんゲノム医療(2)FoundationOne®CDxがんゲノムプロファイルの特徴/林 秀幸

 4 がんゲノム医療(3)血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を用いたがん遺伝子パネル検査の特徴/青木 優 他

 5 小児・AYAがん遺伝子パネル検査の展望/田尾佳代子

 6 造血器遺伝子パネル検査の展望/水野洸太 他

 7 遺伝性腫瘍に対する多遺伝子パネル検査/山本英喜 他

終わりに―がん遺伝子診断の未来―/石川俊平

索引

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