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きらめきのクリニック女子! 接遇・教育・心構え・お悩み解決まで

  • ページ数 : 136頁
  • 書籍発行日 : 2019年11月
  • 電子版発売日 : 2019年11月15日
¥2,420(税込)
ポイント : 66 pt (3%)
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商品情報

内容

クリニックにおいても一定以上のサービスが求められる過当競争時代において、「病院の顔」である医療事務スタッフはクリニックの雰囲気や印象を左右する重要な存在。にも関わらず、今まで医療事務職員向けのマネジメント書は存在しませんでした。本書では、クリニックを明るく照らす「クリニック女子」を目指すためのノウハウが詰まっています。ドクターや院長先生にとっても医療事務員と協働するためのヒントが満載です!

序文

はじめに

私は医療法人『る・ぷてぃ・らぱん』理事長で『柊みみはなのどクリニック』の院長を務める内藤孝司と申します.

このたび,クリニックの医療事務にフォーカスした本書を発行する運びとなりました.なぜ今この本を出そうと思ったのか,その理由を説明したいと思います.

本題に入る前に,まずは私の簡単なプロフィールをご紹介しましょう.私は1993(平成5)年に愛知医科大学を卒業し,耳鼻咽喉科の専門医としてキャリアをスタート.名古屋大学医学部耳鼻咽喉科をはじめ,公立病院で勤務医をしてきました.

転機となったのは1999(平成11年)のこと.父は開業医ではありませんが,家庭の事情で愛知県大府市に『柊みみはなのどクリニック』を開設することになりました.

開業医の先輩やコンサルタントから,「開業して3年は金銭的にも精神的にも厳しい状況が続くかもしれないが,その後は軌道に乗り,楽になるはず」などと言う話を聞いていたこともあり,なんとなく「若い自分でもできるだろう」と楽観視する気持ちもありました.

でもこれは,とんでもない話! 

間もなく開業から20年を迎えようとしていますが,クリニックの運営を楽だと感じる瞬間は,ただの一度もありません.

それどころか,もう目が回るほどの忙しさ.患者さまを診察するというドクター本来の仕事に加え,スタッフの採用や教育,財務状況の管理など,あらゆる業務をこなさなければならないのです.ひとつの課題を解決したと思ったらまた別の課題が出てくるといった具合に,常に数多くの課題を抱えながらクリニックの運営にあくせくしている状況が開業以来ずっと続いている状態です(笑).


みなさんご存じの通り,クリニックの経営というのは自分自身が行う診察だけではなく,それ以外の業務の比重が高いのです.その中でも特にスタッフたちとの関わり合いが非常に重要です.

良いチームを形成し,クリニックのスタッフたちに生き生きと働いてもらい,長期にわたり組織を良好に運営していく─いわゆるマネジメントをそれまでの人生において誰かに教えてもらうことがなかった私は,開業してから数年間は完全な我流で運営してしまったため,後に組織崩壊という憂き目に逢ってしまいました....

採用しても採用しても離職者が後を絶たず,多くのスタッフたちを傷付けてしまいました.「私が至らぬばかりに,みなさんにつらい思いをさせてしまった」と,今も後悔しています.

自責の念にかられる状況が続き,完全に疲れ切ってしまいました.図太い神経の持ち主であったらよかったのかもしれませんが,むしろその正反対の性格である私は,抑うつ状態になり,クリニック経営を続ける自信をすっかり失ってしまいました.

「クリニックを畳んで,勤務医に戻ろう...」

そんなことすら思ったほどです.

「開業医って全然楽じゃないじゃないか.話が違う!」

ぶつけどころのない怒りを抱えつつも,今さら漕ぎ出した船を停止させるわけにはいきません.そんなことをしてしまったら,船ごと沈んでしまうからです.

しかし,診療を続けていても私の心は深淵に沈み込み,目標を失って荒波の中を漂う船のような経営が続いていました.


そんな出口の見えない暗闇をさまよっていた時期に,ある人物がひと筋の光を照らしてくれたのです.

その人物の名は,ピーター・F・ドラッカー.

20世紀を代表する経営学者であり,「マネジメントの父」と言われる人です.

たまたま彼の執筆した『マネジメント(エッセンシャル版)』(ダイヤモンド社)を読んで感動した私は,彼の書いた書籍や文献などを片っ端から読み漁り,彼の唱えた経営理論を『柊みみはなのどクリニック』の運営にも積極的に取り入れるようにしていきました.

それだけでは飽き足らず,『マネジメント』の発行元が主催する「ドラッカー塾」にも参加.経営を一から学び,スタッフたちに身に付けたばかりのドラッカーの教えを説いて,実践していったのです.


するとどうでしょう.スタッフたちの働きぶりもクリニック内の雰囲気も,明らかによくなっていったのです.その詳しい内容については,本題とは異なるので,ここでは割愛させていただきます.(興味のある方は拙著『グレートクリニックを創ろう!』〔中外医学社刊〕を,ぜひお読みください)


2019年8月現在,私が最高経営責任者を務める『柊クリニックグループ』は名古屋地区に5院展開し,医師や看護師,医療事務員など,総スタッフ数は100人を超える大所帯となりました.

地方にある平々凡々とした町医者がドラッカーの経営理論を取り入れたところ,良い意味での大きな変貌を遂げたことは,同じくクリニックを経営する方々にとっては,とても関心を引く出来事だったようです.

『グレートクリニックを創ろう!』が世に出てからというもの,私の元には講演の依頼が相次ぐようになりました.

それこそ全国各地に足を運ばせてもらい,そこで私と同じような悩みを抱える多くのクリニック経営者と知り合うようになったのです.私にとって彼らは言わば,同じ志をもった仲間.講演後に場を設けて,理想とするより良いクリニックを作り上げていくにはどうしたらよいか,さまざまな意見をぶつけ合ったものでした.

そうやって交流を深めるうちに,私は全国各地のクリニック経営者が,ある共通の悩みを持っていることに気付いたのです.

その悩みとは,「優秀な医療事務職員がなかなか育たない」ということ.また,「よい人がいても,長続きしない」という声もよく耳にしました.

そもそも医療事務職員がどんな業務を行っているか整理してみると,非常に多岐にわたっていることがわかります.

例えば...

●患者さまの受付業務

●患者さまの受付業務

●診察券の発行

●診療報酬の計算

●会計業務

●電話応対

●クリニック内の清掃

●新人部下への教育

●医師や看護師との医療連携業務

......etc

思い付くままにざっとあげてみましたが,細かく見ていくとおそらくもっと多くの業務があるのではないでしょうか.

診療報酬の計算など専門性が求められる業務もあれば,患者さまへの応対など文字通り「病院の顔」としての役割もあるクリニックの経営を支える大切な柱.彼女たちの存在なしにクリニックが成り立つことはないでしょう.

嫌な話ではありますが,現代はクリニックにも一定以上のサービスが求められる過当競争時代.医療事務職員に求められる役割は,今まで以上に大きなものになってきているのです.

ただ,それほど重要な存在になっているにもかかわらず,現場では医療事務職員向けのマニュアル本やマネジメント本,医療事務職員を対象とした自己啓発本の類いを見かけることはありません.おそらくこれまでは,その重要性があまり認識されていなかったからなのでしょう.

幸い,私たち『柊クリニックグループ』には,どこに出しても恥ずかしくない優秀な医療事務職員が多数在籍しています.彼女たちの知識や経験,ノウハウを一冊の本にまとめることができれば,よい医療事務職員の確保に困っている全国のクリニック経営者の皆様のお役に立てるのではないかと考え,本書を作ることを思い至ったのです.


この後の章では,『柊クリニックグループ』の中でも特に優秀で,医療事務のみならず各院を統括する教育マネージャーとしても力を発揮してくれている後藤のり子と永延梨沙の2人に,医療事務の仕事とは何か,看護師や歯科衛生士などさまざまな職種のスタッフたちをマネジメントするにあたっての苦労話や成功事例,仕事を通じて得た知識や喜びなど,余すところなく語ってもらいました.

彼女たちの話は,すでに医療事務職員として働いている人はもちろん,これから医療事務職員を目指そうという人,クリニックの経営者,ドクターやナースなど,クリニックにかかわるすべての方の参考になると思います.

ぜひ,彼女たちの話に耳を傾け,これからの業務に役立てていただければ,これほどうれしいことはありません.医療事務という仕事を,今一度深く見つめ直してみてはいかがでしょうか.


2019年8月

医療法人る・ぷてぃ・らぱん 理事長
柊クリニックグループ最高経営責任者
柊みみはなのどクリニック大府柊山 院長
内藤 孝司

目次

第1章 後藤のり子編

1 混乱と災害

2 成長と疲弊

3 激震 電子カルテ

4 チーム・組織としての産声

5 クリニックで働くということ

第2章 永延梨沙編

6 新卒入職

7 法人の拡大と違和感

8 転機

9 リーダーとは何か?

10 クリニックスタッフに限界はない

第3 章 Q&A

11 おしえて! 後藤さん,永延さん こんなとき,どうする?


あとがき

COLUMN

モチベーションUp & Keepのコツ

後藤のり子編

永延梨沙編

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