血糖管理のための糖尿病治療薬活用マニュアル

  • ページ数 : 316頁
  • 書籍発行日 : 2020年3月
  • 電子版発売日 : 2020年3月2日
¥5,060(税込)
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商品情報

内容

近年の糖尿病治療は,新薬の登場により選択肢が増え血糖コントロールの改善が期待される一方で,処方が複雑になり新たに臨床での難しさが生じている.本書では,大きな転換を迎えている糖尿病治療を取り巻く現状で,一般内科医など,非糖尿病専門医が安全・安心に血糖管理を行えるよう,治療薬の使い方をエキスパートが解説.治療薬ごとの使い方や病態に応じた実際の治療法,薬剤の相互作用など,日常診療での疑問に応える一冊.

序文

日本のみならず,世界全体での糖尿病患者の増加はとどまることを知らない.最新の「国民健康・栄養調査」によると,糖尿病有病者(糖尿病が強く疑われる人)は1,000万人になった.一方,新しい可能性を秘めた新薬が糖尿病治療の現場に次々と登場し,糖尿病治療が"パラダイムシフト"しつつある.2009年のDPP-4阻害薬登場に続き,2014年にはSGLT2阻害薬が発売され,経口糖尿病薬の選択肢が増え,その処方が複雑化してきた.また,2000年以降に登場した超速効型インスリン製剤や持効型インスリン製剤がますます進化するとともに,2010年にはGLP-1受容体作動薬が登場し,注射薬の選択肢が増えるとともに,その処方が複雑化してきた.

これら,新薬に関わる話題は事欠かない.2015年のEMPA-REG OUTCOME試験に引き続き,2017年にはCANVAS programが発表され,糖尿病患者の動脈硬化性疾患・心不全,腎機能障害の治療に際して,SGLT2阻害薬が高く評価されるようになった.また,2016年以降,GLP-1受容体作動薬の心血管イベントに及ぼす影響を検討した大規模試験が複数報告され,注目されるようになった.従来,注射療法は毎日行う必要があるとされてきたが,最近のGLP-1受容体作動薬には週1回投与で毎日注射製剤と同等あるいは同等以上の効果が期待できるものが出てきた.

こうした新薬の登場のおかげで,糖尿病患者の血糖コントロールは全体としてみれば改善しているという報告がある一方,薬物療法だけでは十分な血糖コントロールが得られない場合もあり,そこに糖尿病治療の難しさがある.また,これだけ進化した薬物が市場にあっても,昔ながらの処方から脱却できていない事例も散見され,クリニカル・イナーシャと呼ばれている.ただ,薬剤の選択肢の急激な増加により,第一選択薬の選び方や既存薬との併用のタイミング,同じ薬理作用を持つ薬剤間での使い分けなど,多くの臨床上の疑問が生まれてきたことも事実である.

今回,一般内科医などの非糖尿病専門医を対象に,糖尿病患者の血糖管理を安全に行うための治療薬の使い方について解説する『血糖管理のための糖尿病治療薬活用マニュアル』の出版を企画し,各領域に造詣が深い先生方に御執筆いただいた.本書が糖尿病治療に携わっておられる皆様に広く役立つものとなることを願い,序とさせていただく.


2020年1月

横浜市立大学大学院医学研究科
分子内分泌・糖尿病内科学
寺内康夫

目次

目次

1章 血糖コントロールの目標

1-1▶糖尿病治療の目標

1-2▶血糖コントロールおよびその他の代謝指標とその目標値

1-3▶小児における血糖管理目標

1-4▶高齢者における血糖管理目標

1-5▶妊娠時における血糖管理目標

2章 糖尿病治療薬の種類

2-1▶糖尿病治療における内服薬の種類と特徴

2-2▶糖尿病治療における注射製剤の種類と特徴

2-3▶開発中の糖尿病治療薬

3章 糖尿病の初期治療とステップアップ

3-1▶糖尿病の初期治療におけるインスリンの絶対適応と相対適応

3-2▶糖尿病初期診療における病態に応じた内服薬の使い分け

3-3▶糖尿病初期治療における病態に応じた注射製剤の使い分け

3-4▶糖尿病治療のステップアップ

4章 糖尿病治療における内服薬の使い方

4-1▶スルホニル尿素(SU)薬の使い方

4-2▶ビグアナイド薬の使い方

4-3▶速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)の使い方

4-4▶チアゾリジン薬の使い方

4-5▶α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)の使い方

4-6▶DPP-4阻害薬の使い方

4-7▶SGLT2阻害薬の使い方

4-8▶配合剤の使い方

4-9▶週1回内服薬の使い方

4-10▶経口血糖降下薬の併用方法

4-11▶経口血糖降下薬から注射製剤への切り替え方

5章 糖尿病におけるGLP-1受容体作動薬の使い方

5-1▶GLP-1受容体作動薬(毎日投与)の使い方

5-2▶週1回GLP-1受容体作動薬の使い方

5-3▶GLP-1受容体作動薬と内服薬の併用療法

6章 インスリンの使い方

6-1▶インスリンの導入方法とステップアップ

6-2▶基礎インスリンの使い方

6-3▶追加インスリンの使い方

6-4▶混合型および配合溶解インスリンの使い方

6-5▶インスリンを打つ回数とタイミング,単位数の調節法

6-6▶インスリンスライディングスケールの使い方

6-7▶自己血糖測定器,CGM,CSII,SAPの使い方

6-8▶インスリン自己注射の指導

6-9▶インスリンから内服薬への切り替え方

7章 低血糖

7-1▶低血糖の鑑別診断と治療法

7-2▶低血糖を避ける糖尿病内服薬の使い方

7-3▶低血糖を避けるインスリン製剤の使い方

8章 病態に応じた治療法の実践

8-1▶1型糖尿病の血糖コントロール法

8-2▶2型糖尿病の血糖コントロール法

8-3▶糖尿病性ケトアシドーシスおよび高血糖高浸透圧症候群の治療法

8-4▶周術期における血糖コントロール法

8-5▶輸液・高カロリー輸液時の血糖コントロール法

8-6▶経管栄養中の血糖コントロール法

8-7▶ステロイド投与時の血糖コントロール法

8-8▶肝疾患・膵疾患・腎疾患の血糖コントロール法

8-9▶認知症,精神疾患の血糖コントロール法

8-10▶妊娠時の血糖コントロール

8-11▶肥満糖尿病患者の血糖コントロール法

8-12▶高齢者の血糖コントロール法

8-13▶担癌患者の血糖コントロール法

9章 血糖コントロールに影響を与える薬剤

9-1▶血糖コントロールに影響する薬剤

9-2▶糖尿病治療薬と相互作用する薬剤

10章 糖尿病治療薬の費用対効果

10-1▶経口血糖低下薬の薬価と費用対効果

10-2▶インスリンおよびGLP-1受容体作動薬の薬価と費用対効果


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書籍情報

  • ISBN:9784498123861
  • ページ数:316頁
  • 書籍発行日:2020年3月
  • 電子版発売日:2020年3月2日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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