• ページ数 : 196頁
  • 書籍発行日 : 2020年3月
  • 電子版発売日 : 2020年3月2日
¥3,080(税込)
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商品情報

内容

ICU長期入室は,しばしば退院後も生存者に肉体的・精神的ダメージを与え続け,社会復帰を困難にする.この問題をとらえた,集中治療後症候群(post intensive care syndrome,PICS)に関する本格的入門書.本邦の第一人者がおくる本書は,救命率が向上すればするほど要介護者が増加するというパラドキシカルな問題を解決するための羅針盤となろう.

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序文

巻頭言

集中治療の進歩により,重症病態の救命率は著しく改善してきている.一方で,ICUに長期間入室した生存者の多くは,退院後も長期にわたり身体的,精神的な問題を抱え,社会復帰が困難となっていることが明らかになり,集中治療後症候群(PICS)として認識されてきている.さらに,家族への影響も甚大である.少子高齢化が進む中で,救命率が向上するにつれ,要介護となる人々が増える構図は社会的に健全な状態とは言えず,救急・集中治療の存在自体が揺るぎかねないパラドキシカルな問題をはらんでいる.

集中治療は,集中治療を受ける患者の救命の先にある社会復帰を目標とすべきものである.このためには,集中治療に携わる医師・スタッフのみならず,集中治療に直接関わらない医療従事者との連携も含めて社会全体で取り組むべき課題であると考える.近い将来,超高齢化社会は確実に到来する.今こそ,われわれが直面するPICSについて改めて考え,ICUを退室した患者一人一人の「生活の質」の改善に,少しでも寄与できる対策を打ち立てる必要がある.そのため,日本集中治療医学会では,「PICS対策・生活の質改善検討委員会」を立ちあげ,積極的に活動を行っている.本書はその委員長であり,日本におけるPICS研究の第一人者である井上茂亮先生を中心に立案され,それぞれの分野のトップランナーが執筆している.2018年に提唱されたばかりの小児PICSについても詳しく書かれており,これほどまでに詳細にあらゆる側面からPICSについてわかりやすく書かれた書物は他にない.まさに"All About PICS"というべき内容となっている.

PICSは単に医療問題ではなく社会問題としてとらえていく必要がある.本書が,集中治療に携わる医療従事者のみならず,広く人々に読まれ,健康寿命の長い高齢化社会に実現の一助となれば幸いである.


2020年1月吉日

藤田医科大学医学部 麻酔・侵襲制御医学講座
西田 修

目次

目 次

I PICSの背景因子

Q1▶▶なぜ今PICSなのか?

Q2▶▶PICSとは何か,3つのドメインは?

Q3▶▶どのような年齢層や性別がPICSに陥りやすいか?

Q4▶▶どのような基礎疾患を有する患者がPICSに陥りやすいか?

Q5▶▶ICUケアからみたPICSの原因は?(治療介入因子,環境因子,精神因子)

II 身体機能障害

Q6▶▶ICU-AWとは何か?CIM, CIPとの関連は?

Q7▶▶ICUでどのようにICU-AWの診断をすべきか?

Q8▶▶ICU-AW発症の関連因子は?

III 認知機能障害

Q9▶▶ICUにおける認知機能障害とは?

Q10▶▶ICUで認知機能障害を診断するにはどうすればよいか?

Q11▶▶ICUにおける認知機能障害は長期予後と関連しているか?

IV 精神障害

Q12▶▶どのようなメンタルヘルス障害があるか?

(不眠,記憶障害,PTSD,不安,うつなど)

Q13▶▶不眠が患者のQOLに与える影響は?

Q14▶▶ICUにおけるメンタルヘルス障害の評価法は?

Q15▶▶ICUメンタルヘルス障害と長期予後は?

V PICS-F

Q16▶▶PICS-Fとは何か?

Q17▶▶何がICU患者家族のメンタルヘルスに影響を及ぼすか?(リスクファクターなど)

Q18▶▶ICU生存患者家族における睡眠障害のインパクトは?その原因は?

Q19▶▶PICS-Fをどのように認知するべきか?

VI PICS-P

Q20▶▶PICS-Pとは何か?

VII 予防と治療

Q21▶▶ABCDEFGHバンドルとは何か?

Q22▶▶ABCDEFGHバンドルはPICSを予防できるか?

 コラムABCDEFGHバンドルに"I(愛)"を加えたら...

VIII 早期リハビリテーション,理学療法

Q23▶▶PICSの予防に早期リハビリテーションを行うか?

Q24▶▶ICU-AWの予防に神経筋電気刺激を行うか?

Q25▶▶ICU-AWの予防に他動関節運動療法を行うか?

IX 栄養管理

Q26▶▶ICU患者における低栄養と長期予後の関係は?

Q27▶▶ICU患者に早期から栄養を開始するにはどのようにすべきか?

Q28▶▶早期経腸栄養はPICSを予防するか?

Q29▶▶高齢者がPICSに陥らないための栄養療法は何か?

X 環境整備・日記

Q30▶▶耳栓や音楽療法による騒音対策はPICSを予防するか?

Q31▶▶ICU患者における日記の効果は?

Q32▶▶メンタルケアはPICSを予防するか?

XI 看護ケア

Q33▶▶PICS予防のためにICUルーチンシステムをいかに変えるか?

Q34▶▶患者・家族のPICS対策はどのようにすべきか?

Q35▶▶家族の面会制限を行うか?

XII 多職種連携

Q36▶▶ICUにおける多職種とは? 各職種の役割と意義は?

Q37▶▶PICSを予防するために,どのように多職種で連携をとるべきか?その秘策は?

XIII PICS外来・フォローアップ

Q38▶▶PICS外来とは何か?

Q39▶▶PICS外来立ち上げのプロセスは?

Q40▶▶PICS外来の意義は?


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書籍情報

  • ISBN:9784498166202
  • ページ数:196頁
  • 書籍発行日:2020年3月
  • 電子版発売日:2020年3月2日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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