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理学療法のための 筋力トレーニングと運動学習 動作分析から始める根拠にもとづく運動療法

  • ページ数 : 183頁
  • 書籍発行日 : 2018年10月
  • 電子版発売日 : 2019年1月30日
¥4,950(税込)
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商品情報

内容

「麻痺なのか? 筋力低下なのか? はたまた随意性の低下なのか?」

最新のエビデンスにもとづいて効果的な筋力トレーニングと運動学習を解説.動作分析から「なぜ動けないのか?」を見極め,「こうしたら動ける」を考えるための基礎理論が身につく1冊.
(筋力トレーニング,症例の歩行動作をイメージできるストリーミング動画がWEBで閲覧できるパスコードが本文内に掲載されています。)

序文

Therapeutic exerciseは運動療法と訳されている.理学療法士の仕事の中心は運動療法だが,exerciseの意味は「手足を動かす.練習する.(兵を)訓練する」である.果たして実際の運動療法にはより広い範囲があるのではないかと考えられる.一方,筋力トレーニングが多くの運動障害に有効であることも知られている.健常者の筋力トレーニングにおいて,多くのエビデンスが得られている.しかし,障害者,高齢者の筋力トレーニングにおいてはエビデンスが少なく,あらゆるリスクをまず考慮する必要がある.例えば骨関節疾患患者では,身体耐用能が低下していることが多い.また脳卒中患者のなかにも変形性関節症,脊椎疾患の有病者が多く注意が必要である.結局,臨床では最もローリスク・ハイリターンな方法を模索している.そこで初学者にとって最善の方法を模索するなかで頼りになるのが,医学的根拠である.『基礎と臨床』,『EBM』はよく耳にする言葉だが,基礎医学を臨床に応用できているか?EBM の実践率はどうなのか?一説によると日常診療では10〜20%といわれている.学生や初心者の立場からは,どこで基礎と臨床が結びついているのかわかりにくいと思う.一方,教員の立場からは,なぜ学生達が臨床実習で基本に忠実な治療を考えないのか不思議に思う.この「基本に忠実な治療を考えること」の大切さを私は日常の講義で学生たちに伝えており,本書でもその大切さを強調したい.

本書のタイトルの「理学療法のための筋力トレーニングと運動学習〜動作分析から始める根拠にもとづく運動療法」もはじめて耳にする方には違和感があるかもしれない.しかし,整形外科疾患や脳卒中の非麻痺側には筋力トレーニングが適応で,中枢神経疾患にはファシリテーションテクニックを適応してきた従来の治療コンセプトこそ,短絡的で,基礎医学を軽視しているように感じる.「麻痺なのか?筋力低下なのか? はたまた随意性の低下なのか?」,医学用語辞典に載っていない当事者しかわからない用語に多くの学生や初心者たちが混乱させられた挙句,明確な根拠がないことに失望させられてきた.「なぜ動作が困難なのか?」は筋力テストやカルテの診断名のみではわからず,正しい分析が必要である.本書の企画を立ち上げるにあたり,羊土社によるニーズ調査で「理学療法士向けのよい筋トレの入門書がない」と知らされ,意見交換したのが契機だが,「筋トレのハウツー以前に,筋トレが本当に適応かどうか評価できるようにする能力が必要ではないか」と意見したことを記憶している.

巷でときどき耳にする「よいモノはよい」,「○年やってみないと理解できるようにならない」は怪しい言葉で,教えてもらっている側からすると煙に巻かれた印象が残る.逆に「特別なことはやってない」と語る臨床家の実践内容にこそ真理が隠されている.医学的基礎を大切にするからこそ,着実な進歩がある.理学療法は文字通り人間が自らの手で行うもので,魔法ではない.ポケットから鳩を出すような手品でもない.手品ですら種も仕掛けもある.

本書では,その種と仕掛けを科学的かつわかりやすく解説していきたい.


2018年9月

畠中 泰彦

目次

第1章 動作分析から主要問題点を導き出す

1.主要問題点を判定するのは治療者だが,それは患者の希望や欲求に大きく影響を受ける

2.観察からわかること

3.観察から分析へ.介入から再分析へ

4.主要問題点に影響をおよぼす筋

(1)姿勢保持とバランス

(2)寝返り

(3)起き上がり

(4)椅座位からの立ち上がり

(5)歩行

(6)段差,階段昇降

5.運動機能障害の量的側面と質的側面

6.運動療法の効果(即時効果,短期効果,長期効果)と治療計画

(1)即時効果

(2)短期効果

(3)長期効果

(4)3カ月以降の治療計画

第2章 筋力トレーニングに活用すべき生理学,運動学の知識,臨床での実践方法

1.筋力増強のメカニズム

(1)筋収縮の力学的特性

(2)トレーニングの原理

(3)トレーニングの一般原則

2.トレーニングのプログラムにおいて決定すべき項目

(1)強度(intensity)

(2)反復回数(repetition)

(3)休息時間(interval)

(4)頻度(frequency)

3.動作特異性と筋収縮の形態

(1)等張性収縮(isotonic contraction)

(2)等尺性収縮(isometric contraction)

(3)等速性収縮(isokinetic contraction)

4.筋持久力増強のメカニズム

(1)筋内部のエネルギー源

(2)筋への酸素運搬能力

(3)筋の酸素摂取能力

(4)神経系の機能

5.筋パワー増強のメカニズム

6.筋力トレーニングの方法および特性

(1)筋力トレーニングの方法

(2)トレーニング方法の特性

(3)筋力のトレーニング効果

7.栄養,休養

(1)栄養

(2)休養

8.ウォームアップとクールダウン

(1)ウォームアップ

(2)クールダウン

9.部位別筋力トレーニングの方法

(1)コアトレーニング

(2)深層筋と表層筋のトレーニング

第3章 運動学習に活用すべき神経生理学,運動学の知識,臨床での実践方法

1.運動学習とは

(1)運動技術と運動スキル(技能)の定義

(2)パフォーマンスとは

(3)運動学習の定義

(4)潜在学習と顕在学習

2.運動学習に活用すべき神経機構の知識

(1)運動の出現における階層性

(2)運動制御理論における並列性処理システム

(3)中枢神経系における階層的・並列的な機能構造

(4)刺激入力から認知における感覚システム

(5)運動目的生成とプログラミング過程

(6)運動の記憶

(7)運動学習に伴う神経可塑性

(8)シナプス可塑性(synaptic plasticity)

(9)Hebbの法則

(10)大脳皮質における可塑性

3.運動学習効果の評価方法

(1)トランスファーデザイン

(2)神経機能の計測

(3)パフォーマンスの計測

4.運動学習効果を高める方法

(1)モチベーション(動機づけ)

(2)リハビリテーションにおける教示と口頭指示

(3)運動イメージ

(4)フィードバック

(5)転移

(6)注意と記憶

(7)練習条件

(8)ロボットによる歩行練習支援

5.課題の難易度設定

(1)具体的な学習目標を設定するためには

(2)Challenge Point Frameworkとは

(3)課題難易度の調整方法

第4章 ケーススタディ

1.脊柱管狭窄症

(1)症例提示

(2)歩行分析

(3)異常メカニズムの考察

(4)治療のポイント

2.変形性膝関節症

(1)症例提示

(2)歩行分析

(3)異常メカニズムの考察

(4)治療のポイント

3.脳卒中片麻痺

(1)症例提示

(2)歩行分析

(3)異常メカニズムの考察

(4)治療のポイント

4.パーキンソン病

(1)症例提示

(2)理学療法評価

(3)動作分析

(4)異常メカニズムの考察

(5)治療のポイント

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書籍情報

  • ISBN:9784758102377
  • ページ数:183頁
  • 書籍発行日:2018年10月
  • 電子版発売日:2019年1月30日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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