医学のあゆみ270巻9号 脳機能イメージングの最前線

  • ページ数 : 192頁
  • 書籍発行日 : 2019年8月
  • 電子版発売日 : 2021年2月10日
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商品情報

内容

脳機能イメージングの最前線
企画:大久保 善朗(日本医科大学大学院医学研究科精神・行動医学)

・脳機能イメージングは,脳血流や脳代謝のような特定の生体機能情報を画像化する検査法で,MRI装置を用いた機能的MRI(fMRI)や,PETやSPECTなどの核医学検査法が含まれる.
・脳機能イメージングによって,脳の形態異常を伴わないために,これまでは評価することができなかった精神疾患でも,さまざまな脳機能の異常を評価することが可能になっている.
・総論では主にMRIとPETについて最近の技術進歩を紹介し,各論では脳血管障害,認知症などの器質性疾患や,統合失調症,発達障害など精神障害について,脳機能イメージングを用いた最新の研究成果を紹介する.

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序文

はじめに

大久保善朗

日本医科大学大学院医学研究科精神・行動医学


X線を利用したコンピュータ断層法(CT)や強磁場下での核磁気共鳴を利用する核磁気共鳴画像(MRI)などの検査によって脳の詳細な構造を画像化することが可能である.このような脳形態イメージングは,脳器質疾患の診断に必須の技術としての日常診療で用いられている.一方,脳機能イメージングは,脳血流や脳代謝のような特定の生体機能情報を画像化する検査法で,MRI 装置を用いた機能的MRI(functional MRI: fMRI)や,ポジトロン断層法(PET)や単一光子放出断層法 (SPECT)などの核医学検査法が含まれる.

脳活動,脳機能の測定という目的では,fMRIは,PETのような放射性同位元素による被爆がなく非侵襲的で同一被験者での繰返し測定が可能,空間分解能もより優れる,MRI装置が全国に普及しているなどの多くの利点があり,ヒトの高次脳機能を測定するイメージングのスタンダードになっている.

一方,PET や SPECT は,放射性核種で標識した化合物(放射性リガンド)を投与し,集積したリガンドが発する放射能を体外計測して生体機能画像を作成する検査法である.糖代謝を測定するPET検査は悪性腫瘍の診断検査として,すでに日常診療で用いられていた.近年,核医学的検査では放射性リガンドの開発が進み,Alzheimer病の病理で老人斑に相当するアミロイドや神経原線維変化に相当するタウのイメージングを用いた認知症早期病態診断が可能になった.このような脳機能イメージングは,認知症の病態に対する根治的な治療法を開発するためには必須の技術と位置づけられるようになっている.

fMRI,核医学検査法以外の技術としては,近赤外線スペクトロスコピー(NIRS光トポグラフィー),脳磁図などの脳機能検査技術によって,生きている生体で脳機能のさまざまな側面を測定評価すること可能になった.そして脳機能イメージングによって,脳の形態異常を伴わないために,これまでは評価することができなかった精神疾患でも,さまざまな脳機能の異常を評価することが可能になっている.

このような脳機能イメージングの最新の進歩を紹介したく本特集を企画した.総論では,主にMRIとPETについて最近の技術進歩について紹介をお願いした.続く各論では,脳血管障害,認知症・神経変性疾患,てんかんなどの器質性疾患について,それぞれの脳機能イメージングの最近の成果を解説していただいた.さらに本特集では,統合失調症,うつ病,不安障害,発達障害など精神障害についても,脳機能イメージングを用いた最新の研究成果の紹介をお願いした.

幸いなことに,各領域でご活躍の先生方に快くご執筆いただき,この領域の最前線を知ることができる特集になった.あらためて,お忙しい中,ご執筆いただいた先生方に心から感謝申し上げます.読者におかれましては,本特集を,脳機能イメージングの最近のめざましい進歩の理解に役立てていただければ幸いです.

目次

総論

【最新の技術】

MRIによる脳機能イメージングの最近の動向 齊藤麻美・青木茂樹

超高磁場MRIによる脳機能イメージング――種間比較をめざして 定藤規弘・福永雅喜

脳ミトコンドリア機能イメージングのためのPETプローブ開発──[18F]FDGを超えるPETプローブ開発への挑戦 塚田秀夫

次世代の頭部専用PET装置の開発 山谷泰賀・高橋美和子

マルチモーダルイメージングの動向 伊藤浩

各論

【脳血管障害】

脳血管障害のPET,SPECT 岡沢秀彦

急性期脳梗塞におけるarterial spin labeling法による非造影MR灌流画像の臨床応用 篠原祐樹

【認知症・神経変性疾患】

認知症診療におけるFDG-PETとアミロイドPET 石井一成

認知症診療におけるタウPETの役割――Lessons learned from neuropathological PET imaging 仲野義和・島田斉

神経変性疾患の脳機能イメージング 石井賢二

Lewy小体型認知症の核医学画像検査 鈴木政秀・平野成樹

Alzheimer病におけるグリア細胞のPETイメージング 安野史彦

【てんかん】

てんかん診療における核医学イメージングの実際 森本笑子・松田博史

焦点性てんかんにおけるEEG-fMRIの有用性 前澤聡

【統合失調症】

fMRIによる統合失調症の神経ネットワークの変化 髙木俊輔・髙橋英彦

統合失調症の神経生理学的な知見 平野羊嗣

脳機能画像を精神疾患臨床に応用する──統合失調症スペクトラムの近赤外線スペクトロスコピー 小池進介

【うつ病】

うつ病の脳機能イメージングと診断 岡田剛・岡本泰昌

抑うつの認知バイアスの定量評価と脳イメージング 西村春輝・山田真希子

【不安障害】

不安障害の脳形態とfMRIを用いた脳機能イメージング 肥田道彦

強迫症の脳機能イメージング 酒井雄希

【発達障害,学習障害】

注意欠如・多動症(ADHD)の脳機能イメージング――最新の知見 岡田俊

愛着障害の脳機能イメージング 友田明美

マルチモダリティ脳画像解析とオキシトシンを応用した自閉スペクトラム症中核症状に対する治療薬開発 山末英典

発達性ディスレクシアのfMRI研究 浅野孝平

【疼痛】

慢性疼痛(線維筋痛症)の脳機能イメージング 臼井千恵

【治療,薬効評価】

うつ病の認知行動療法の脳機能イメージング 片山奈理子

PETによる抗精神病薬の評価 舘野周

PETによる抗うつ薬の評価 荒川亮介

脳機能イメージングによる興奮薬とドーピング効果の評価 大久保善朗

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書籍情報

  • ISBN:9784006027009
  • ページ数:192頁
  • 書籍発行日:2019年8月
  • 電子版発売日:2021年2月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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