医学のあゆみ273巻9号 ゲノム編集の未来

  • ページ数 : 232頁
  • 書籍発行日 : 2020年5月
  • 電子版発売日 : 2021年2月10日
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商品情報

内容

ゲノム編集の未来
企画:山本 卓(広島大学大学院統合生命科学研究科,同ゲノム編集イノベーションセンター)

・ゲノム編集は,細胞内で標的の遺伝子を狙って改変する技術である.CRISPR-Cas9を使った方法が報告されて以来,その簡便性と効率性によって基礎研究から応用分野までさまざまな分野での利用が広がった.
・医学分野でのCRISPR-Cas9のインパクトはさらに大きく,遺伝性疾患の発症機構の研究や治療法の研究のため,モデル細胞・動物をゲノム編集によって作製することが可能となっている.
・本特集では,国内トップランナーのゲノム編集研究者に,ゲノム編集の基礎と医学分野の最新のゲノム編集技術について執筆いただく.

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序文

はじめに

山本 卓
広島大学大学院統合生命科学研究科,同ゲノム編集イノベーションセンター


ゲノム編集(genome editing)は,細胞内で標的の遺伝子を狙って改変する技術である.2012年に,細菌の持つCRISPR-Cas9(clustered regularly interspaced short palindromic repeat-CRISPR-associated protein 9)を使った方法が報告されて以来,ゲノム編集は,その簡便性と効率性によって基礎研究から応用分野までさまざまな分野での利用が広がった.CRISPR-Cas9の魅力は基礎研究目的であれば,研究者が安価に利用することでき,原理的にはどのような細胞や生物にも適用可能な点にある.すでに微生物や農水畜産物の品種改良において積極的に使われている.

医学分野でのCRISPR-Cas9のインパクトはさらに大きく,遺伝性疾患の発症機構の研究や治療法の研究のため,モデル細胞・動物をゲノム編集によって作製することが可能となっている.また,さまざまな種類のがんモデルの作製や,がん関連遺伝子のスクリーニングなどが積極的に進められている.さらには,旧世代のゲノム編集ツール〔ZFN(zinc-finger nuclease)など〕で確立したゲノム編集治療法をベースにした,さまざまな疾患に対応可能なCRISPR-Cas9のゲノム編集治療法には大きな期待が寄せられている.とくに,体細胞治療では正確性と安全性が不可欠であるため,DNA二本鎖切断(double-strand break:DSB)を使わない塩基編集(base editing)や,標的遺伝子の発現量を調節する遺伝子制御(gene regulation)が注目されている.その一方で,効果的な治療には,CRISPR-Cas9を体内の目的の組織の細胞へ運ぶためのデリバリー技術の開発も急務であり,標的組織に効率よく必要量のCRISPRシステムを運ぶウイルスベクターや脂質ナノ粒子などの開発が大きな課題である.

本特集では,国内トップランナーのゲノム編集研究者に,ゲノム編集の基礎と医学分野の最新のゲノム編集技術について執筆をお願いした.国内においても,海外に対抗できるゲノム編集技術の開発が進んでいることを,医学分野の研究者へ伝えることができれば幸いである.

目次

ゲノム編集の原理とツール開発

多様化するゲノム編集――一般的ゲノム編集法から最新手法までを原理から紐解く 佐久間哲史・他

ゲノム編集ツール 落合博

Casタンパク質の立体構造に基づいた新規ゲノム編集ツールの開発 濡木理

ゲノム編集2.0 中出翔太・相田知海

一塩基レベルでの精密なゲノム編集技術 森田健太郎・西田敬二

健常人および患者に共通して観察される欠失変異に隣接した相同配列と正確なゲノム編集における相同配列の活用 Janin Grajcarek・他

CRISPR-Cas3を用いた新しいゲノム編集 吉見一人・真下知士

マイクロRNAで標的細胞特異的にゲノムの編集を誘導するオンシステム 弘澤萌・齊藤博英

エピゲノム編集技術 森田純代・他

ゲノム編集と疾患モデル細胞・動物

ゲノム編集技術を用いた培養細胞における疾患モデリング 宮本達雄・他

CRISPR-Cas9を用いた疾患モデルマウスの作製――不妊モデルマウスを例に 野田大地・他

i-GONAD法によるゲノム編集動物の作製 大塚正人

ゲノム編集技術を用いた遺伝子改変ラットの作製 宮坂佳樹・真下知士

ゲノム編集を活用したアルツハイマー病モデル動物の作製 笹栗弘貴・西道隆臣

ゲノム編集を用いた疾患モデルマーモセットの作製 汲田和歌子・佐々木えりか

CRISPR-Cas9システムの遺伝学スクリーニングへの応用 遊佐宏介

染色体導入技術とゲノム編集技術によるヒト化動物・疾患モデル細胞の作製 香月加奈子・香月康宏

胚盤胞補完法による移植用臓器作製 長嶋比呂志・松成ひとみ

ゲノム編集と治療

遺伝子治療とゲノム編集治療 三谷幸之介

ゲノム編集を活用した重症先天性好中球減少症の治療開発 今中雄介・岡田賢

ゲノム編集を用いた表皮水疱症での治療戦略 新熊悟

AAVベクターを用いた血友病のゲノム編集療法の開発 平本貴史・大森司

ゲノム編集を用いた頭蓋骨発生および軟骨恒常性メカニズムの解明――イントロン型マイクロRNAと宿主遺伝子の関連性を探る 茂久田翔・他

iPS細胞とゲノム編集技術を用いたALS病態モデル作製 一柳直希・岡野栄之

ゲノム編集を用いた筋ジストロフィー治療技術開発動向 渡邉啓・他

ゲノム編集を用いたがん免疫細胞治療の臨床開発 一戸辰夫・他

人工転写因子を用いた癌抑制技術開発 深澤拓也

組換えタンパク質による転写制御システムの開発と安全な細胞加工技術への応用 石坂幸人

ゲノム編集の安全性評価と倫理問題,特許の現状

ヒト受精胚を対象とするゲノム編集に関する規制の動向 加藤和人・他

ゲノム編集技術のオフターゲット解析法 鈴木啓一郎

ゲノム編集ツールの知的財産の動向 橋本一憲

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書籍情報

  • ISBN:9784006027309
  • ページ数:232頁
  • 書籍発行日:2020年5月
  • 電子版発売日:2021年2月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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