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別冊「医学のあゆみ」老化メカニズムの徹底究明 分子からアンチエイジングまで

  • ページ数 : 132頁
  • 書籍発行日 : 2021年2月
  • 電子版発売日 : 2021年3月26日
¥4,840(税込)
ポイント : 88 pt (2%)

商品情報

内容

分子レベルでの研究から加齢性疾患の治療まで,最新の老年医学をわかりやすく解説!

●高齢化により,フレイルや認知症,サルコペニア,ロコモティブシンドロームなどの加齢性疾患が増加し,社会的な課題となってきました.生活習慣を改めることで老化を制御できると考える,抗加齢医学(アンチエイジング)にも注目が集まっています.
●分子からアンチエイジングまで各分野の専門家に解説いただき,本書を通読することで老化メカニズムの全体像を理解できるようにまとめました.

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序文

はじめに

石井直明


老化は細胞を構成しているDNAや蛋白質,脂質に小さな傷が生じ,加齢とともにその傷が蓄積してくることで正常な代謝が妨げられ,細胞の機能が低下することからはじまると考えられている.細胞の機能低下はそれらの細胞から成り立っている臓器・器官の機能低下を起こし,個体老化へと結びつく.「老化に関する病理生理学的および細胞性基準(Martin GM,1978)」1)で示されているように,老化は多面的発現(pleiotropy;プライオトロピイ)を示すことが知られている.この多面的発現は,細胞・臓器・器官がすべて同じメカニズムで老化を生じるわけではなく,固有のメカニズムに従って老化していくことにより現れると考えられる.

近年,線虫やショウジョウバエ,マウスなどの実験動物から寿命に関わる遺伝子が続々と同定・解析され,エネルギー代謝とその副産物として生じる酸化ストレス,さらにアミノ酸代謝や脂質代謝,アポトーシスやオートファジー,それらの経路に関わるシグナル伝達系が関与していることが明らかになってきた.新たな研究対象として注目されているエクソソームやマイクロRNAなども,遺伝子の制御を通して老化に関わっていることが明らかになりつつある.

「老化に関する病理生理学的および細胞性基準」1)には糖尿病や高血圧,骨粗鬆症など生活習慣病の要素も多く含まれている.高齢化社会を迎え,生活習慣が深く関わっているフレイルや認知症,サルコペニア,歩行障害(ロコモティブシンドローム)が増加し,社会的な問題となってきたことから,生活習慣を改めることで老化を抑制できると考える抗加齢医学(アンチエイジング)にも注目が集まっている.

このように老化のメカニズムのすべてを明らかにするには,細胞内分子,細胞,臓器・器官,個体から抗加齢まで,網羅的な研究が必要となる.本書では,それぞれの分野の専門家が自らの研究データも含めた,世界的な研究の最新の成果をわかりやすく解説するとともに,老化のメカニズム全体のなかでの各分野の位置付けを明確にすることで,読み終わった時には老化の全体像が理解できるような形でお届けする.


文献

1) Martin GM.Genetic syndromes in man with potential relevance to the pathobiology of aging.Birth Defects Orig Artic Ser 1978;14(1):5-39.

目次

はじめに(石井直明)

1.老化の分子シグナル

(森 亮一・下川 功)

Keywords カロリー制限,FoxOファミリー,Cox6b1,Neuropeptide Y,microRNA

2.酸化ストレス研究の現状と展望

(石井恭正・安田佳代)

Keywords 酸化ストレス,老化,代謝,加齢性疾患,ミトコンドリア

3.糖代謝

(遠藤玉夫)

Keywords 糖鎖修飾,糖蛋白質,老化,糖鎖変化

4.脂質代謝と抗老化メカニズム

(田川亮真・小林正樹・樋上賀一)

Keywords 白色脂肪組織,ミトコンドリア生合成,カロリー制限,Srebp-1c

5.DNA損傷応答と老化

(本山 昇)

Keywords 早期老化症,DNA損傷,アポトーシス,細胞老化,SASP

6.正常組織は老化とともに遺伝子変異が蓄積する

(横山顕礼・垣内伸之・吉里哲一・小川誠司)

Keywords 老化,体細胞変異,クローン進化,ドライバー変異

7.老化とエピジェネティックドリフト

(深水昭吉)

Keywords DNAメチル化,ヒストン修飾エピゲノム

8.細胞老化

(川口耕一郎・三河隆太・杉本昌隆)

Keywords 細胞老化,SASP,老化細胞除去,senolytic薬

9.老化が免疫系に及ぼす影響

(錦見昭彦・丸山光生)

Keywords 加齢動物,免疫担当細胞,炎症,リンパ球,リンパ組織

10.加齢と骨代謝

(清水孝彦)

Keywords 骨代謝,superoxide dismutase(SOD),活性酸素,骨脆弱性,抗酸化剤

11.新しい老化モデル動物・ハダカデバネズミ

(河村佳見・三浦恭子)

Keywords ハダカデバネズミ,老化,がん,iPS細胞

12.認知症と老化に伴う記憶低下の予防と制御─細胞内シグナル伝達系を標的として

(柳井修一・遠藤昌吾)

Keywords 記憶,認知症,細胞内シグナル伝達系,cAMP,ERK

13.サルコペニアの診断とメカニズム

(沢田秀司・町田修一)

Keywords サルコペニア診断,筋線維タイプ,筋サテライト細胞

14.フレイルの病態メカニズム

(重本和宏・大村卓也・森 秀一)

Keywords フレイル,身体的フレイル,サルコペニア,認知症

15.カロリー制限による抗老化機構の解明とその制御物質の探索

(近藤嘉高・伊藤麻衣子・千葉卓哉)

Keywords カロリー制限,カロリー制限模倣物,スクリーニング,抗酸化,六君子湯

16.老化制御

(石神昭人)

Keywords 老化制御,健康寿命,レドックスバランス,カロリー制限,栄養

17.抗加齢ドック

(山田千積・石井直明・西崎泰弘)

Keywords 抗加齢医学,健康寿命,サクセスフルエイジング,一次予防

18.未来の老化研究

(石井直明)

Keywords 環境,遺伝子,老化研究の歴史,老化研究の未来


サイドメモ

 Ames dwarfマウス

 認知的フレイル

 ドラッグ・リポジショニング

 主な老年関連学会の歩み

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書籍情報

  • ISBN:9784006528528
  • ページ数:132頁
  • 書籍発行日:2021年2月
  • 電子版発売日:2021年3月26日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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