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高齢者ケアのキーノート いつもと違う高齢者をみたら 第3版 在宅・介護施設での判断と対応

  • ページ数 : 144頁
  • 書籍発行日 : 2023年3月
  • 電子版発売日 : 2023年2月14日
¥2,860(税込)
ポイント : 52 pt (2%)
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商品情報

内容

高齢者ケアにかかわるスタッフと家族のための対応手引き集
最新情報を盛り込み,さらに読みやすくアップデート!

●急変前のささいな変化に気づく「眼」と,適切に対処するための「判断力」を養う好評書の最新版!
●「しばらく様子を見ていていいか,それとも病院へ送るべきか」を見極めるためのチェックポイントと初期対応の要点を10症状・19事例を通して解説.
●人生の最終段階を迎える前に準備しておきたい「意思確認書」や,本人と家族が望む「看取り」に向けた対応・心がまえについても詳述.
●第3版では,デザインを一新し索引を新設するとともに,施設内感染対策の留意点,皮下輸液の手順,浮腫みへの対応など,今日の高齢者ケアに必須の知識・技術を新規収載.

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
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序文

第3版発行にあたって

本書は,高齢者施設や在宅で高齢者と向き合っている方々が,立ち往生したときの手引きをめざしてきました.初版(2016年発行)は,介護現場にいる看護師や介護スタッフに向けた急変時対応マニュアル集として発行しました.その後,読者からのお便りや,講師を務めたセミナーでの質疑応答で,看取り対応に苦慮しているとの相談をかなり受けました.そこで第2版(2018年発行)は内容を全面的に見直し,早期発見・早期対応のノウハウと終末期対応を軸に編成しました.

そして,今回お届けする第3版は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が登場したあとの改訂というタイミングになりました.100年に一度の公衆衛生危機とも称された新興感染症の蔓延期は,誰もが等しく感染リスクを負い,多くの職場に影響が出ました.医療や介護の現場も例外ではなく,病者や高齢者をケアする側の人たちは苦戦を強いられました.

スタッフが感染した場合はもちろんですが,家族の感染によってスタッフが濃厚接触者になると自宅待機となって職場に行けなくなることから,感染を受けていないスタッフは少人数で現場を切り盛りすることになりました.

感染症が流行っていても,高齢者の体調変化は以前と同じように起こります.体調チェックをするスタッフの総数が減れば,ちょっとした変化への目配りが手薄になってきます.この状態が続くと早期発見は難しくなり,体調を崩す高齢者が増えていきます.そのようなときに施設内感染が起こると,現場は混沌とした状態に陥ります.

「Aさんが発熱した」との連絡を受けて看護師のあなたが居住スペースに入ったら,断続的に咳をしている人や,妙に呼吸のはやい人がいる.さらに傾眠状態の人や,ムセている人もいる.Aさんを観察すると,以前にはみられなかった足の浮腫みがある.すると「Bさんがベッド上で吐いています」と介護スタッフが報告に来た……そんな感じです.

体調を崩し始めた高齢者に何が起きているかを迅速につかみ,緊急措置が必要な人かどうかを的確にさばく力が,以前にも増して求められるでしょう.やがて安定した状態が訪れた高齢者の笑顔をみれば,初期対応の正しさを実感できるはずです.

第3版では,施設内感染と向き合うための留意点や皮下輸液の手順,浮腫みへの対応など,基盤として身につけておきたいノウハウをCOLUMNとしてまとめました.その上で,COVID-19蔓延期やポスト・コロナの時代になっても通用する内容かどうか,総チェックをしてみました.

また,読みやすさ重視の視点に立ってデザインや構成をリニューアルし,検索しやすいよう巻末に索引も設けています.

介護に追われて日々格闘している方々にとって,本書が少しでも助けになることを祈ります.


令和5年 早春 著者

目次

第1章 「いつもとちがう」ことへの気づきは,なぜ大切か

 様子見でよいか,即受診すべきか―判断をせまられる現場

 施設・訪問看護師が感じている重圧

 施設・訪問看護師に求められる「見極め力」「翻訳力」

 介護スタッフに求められる「正しくとらえる力」「伝える力」

 「いつもとちがう」ときの対応は環境によって異なる

 どのような環境下でも情報共有は不可欠

 「自然死」としての看取りはアクシデントによる死を乗り越えた先にある

 「いつも」を知り,アクシデントの芽を摘み取る

 介助技量だけで症状を克服しようとしていませんか

 原因が複数あるなら対応の前に検索を

 原因検索とスタッフの負担軽減のために医療知識を身につけよう

 介護と看護の意見がまとまらない理由

 「職制」で意思決定の権限を明確に

 介護と看護が連携するための望ましい姿勢

第2章 症状とバイタルサインのみかた

 「いつもとちがう」に出合ったら―ささいな情報も見落とさない

 うまく活用したい「パルスオキシメータ」

 バイタルサインの異常と変化をみる

 摂食・排便・睡眠のチェックも忘れずに

第3章 「いつもとちがう」に出合ったときの対応事例集

 事例を通して「様子見」と「受診」の分岐点を考えてみよう

1.食べない

 事例(1) 「なんとなく気持ちが悪く,味がしない」と言うAさん

 事例(2) 嘔吐・発熱があり,急に食べられなくなったBさん

 「食べない」ときに求められる対応

 「食べない」ときの考え方とチェックポイント

 事例(3) 発熱後に摂食率が落ち,食事中に呼吸困難となったCさん

2.発熱している

 事例(4) 悪寒戦慄を伴う発熱が続くDさん

 「発熱している」ときに求められる対応

 「発熱している」ときの考え方とチェックポイント

3.痛みを訴える

 「痛みの7ポイント」をチェックして活用しよう

 事例(5) 急に左胸・背部の激しい痛みを訴えたEさん

 事例(6) 尻もちをついた後,体位交換時に強い痛みを訴えるようになったFさん

 事例(7) 朝から胃の部分の痛みを訴え,微熱もみられるGさん

 「痛みを訴える」ときに求められる対応

 「痛みを訴える」ときの考え方とチェックポイント

4.機嫌が悪い

 事例(8) 退院日から不眠や便秘があり,不機嫌になったHさん

 「機嫌が悪い」とき(せん妄)に求められる対応

 「せん妄」の考え方とチェックポイント

5.低血糖

 事例(9) 食欲低下や倦怠感,易怒性がみられ,その後覚醒レベルが低下したIさん

 事例(10) 食欲低下や倦怠感,著明な発汗がみられ,その後覚醒レベルが低下したJさん

 「低血糖」のときに求められる対応

 「低血糖」の考え方とチェックポイント

6.高血糖

 事例(11) 倦怠感や食欲低下,口腔乾燥がみられ,覚醒レベルが低下したKさん

 「高血糖」のときに求められる対応

 「高血糖」の考え方とチェックポイント

7.意識がない

 事例(12) 排便後,トイレ内で意識消失したLさん

 事例(13) 施設入居中の姉の面会に来て,会話している途中に意識消失したMさん

 「意識がない」ときの考え方とチェックポイント(1)

 事例(14) インフルエンザと診断されて6日後に意識障害がみられたNさん

 事例(15) 倦怠感と食欲低下があり,徐々に覚醒レベルが低下したOさん

 「意識がない」ときの考え方とチェックポイント(2)

 事例(16) 急に覚醒レベルが低下し,意識障害が進行しているPさん

 「意識がない」ときに求められる対応

8.脈拍数が多い(頻脈)

 事例(17) 数日前から脈拍数が多い状態が続いているQさん

 事例(18) 4日前から脈拍数が多く,活気がなくなってきたRさん

 「脈拍数が多い」とき(頻脈)に求められる対応

 「脈拍数が多い」とき(頻脈)の考え方とチェックポイント

9.呼吸数が増えている

 「呼吸数が増えている」ときに求められる対応と考え方

10.呼吸していない? 心停止?

 事例(19) 介護スタッフが訪室したところ,呼吸が止まっていたSさん

 「呼吸していない?」「心停止?」のときの考え方

 「呼吸していない?」「心停止?」のときに求められる対応

第4章 終末期対応の実際

 看取りの場の移り変わり

 死因がわからなければ「解剖」になることも

 病院に向けた意思確認書は3つに分けて用意しよう

 意思確認書その1―急変時での対応

 意思確認書その2―終末期での対応

 意思確認書その3―心肺停止状態での対応

 施設・在宅に暮らす高齢者が病院搬送後に亡くなったら

 看取りは自然死へのサポート行為

 「終末期より手前の時期」の対応を決めておこう

 家族の意向に沿ったブレない姿勢が求められている

 終末期に移行しつつある人をどう拾い上げるか

 終末期にみられる症状・所見・時間的変化

 看取り対応の手順

第5章 高齢者医療の未来

 高齢者の背景・病態に合わせた対応―肺炎の場合

 高齢者の背景・病態に合わせた対応―糖尿病の場合

 高齢者は感染しやすく治りにくい

 高齢者は痩せともろさが共存している

 解明されていない「老衰」の本態

 人間は何歳まで生きられるのか

 老衰の指標は病態評価で

 終末期対応にも求められる「多様性」

 高齢者や病者の声に耳を傾けることの大切さ

 「前看取り期」をしっかり確保しよう

参考文献


索引

COLUMN

 (1)現場で働くスタッフに伝えたいこと

 (2)皮下輸液の利点と実施時の留意点

 (3)流行する感染症(COVID-19のような新興感染症を含む)への対応における留意点

 (4)浮腫み(むくみ)がみられたときの向き合い方

ワンポイント MEMO

 (1)「終末期」「人生の最終段階」の定義

 (2)症状に乏しい「高齢者の肺炎」は予防と早期発見が大切!

 (3)尿路感染症の判定は簡易検査キットで

 (4)悪性症候群は初期対応が肝心

 (5)敗血症を疑うサインを知っておこう

 (6)食止めや摂食ムラがあるときはインスリン分泌を促す薬に注意!

 (7)自然回復する「意識消失」と,治さないと回復しない「意識障害」

 (8)覚醒と認識

 (9)覚醒レベルの低下が起きる電解質異常・起きない電解質異常

 (10)知っておきたい 市販の消炎鎮痛剤・坐薬のリスク

 (11)抗コリン作用を示す薬剤

Q&A

 (1)誤嚥してムセているとき,背中を叩くタッピングをしてよいですか?

 (2)何℃以上であれば「発熱あり」といえますか?

 (3)いきなり高熱が出ました.何が原因と考えられますか?

 (4)発熱の原因が特定できない場合もありますか?

 (5)発熱がみられたら,まずクーリングで対応すればよいですか?

 (6)微熱が続いているときは,どのように対応すればよいですか?

 (7)いったん高熱が出たものの,しばらくして自然に平熱に戻れば対応は不要ですか?

 (8)高血糖状態が長く続くと,どのような症状がみられますか?

 (9)低ナトリウム血症ではどのような症状がみられますか?

 (10)腎機能が低下すると,血清ナトリウム値は上がりますか? それとも下がりますか?

 (11)高齢者に低ナトリウム血症が起きやすいのは,腎機能や心機能が低下しているからですか?

 (12)痛み止めの服用による胃潰瘍を防ぐためには,どのような点に留意すればよいですか?

 (13)水なしで飲むことができる口腔内崩壊錠(OD錠)を噛み砕いて飲んでもよいですか?

 (14)脱水の場合,血圧は上がりますか,それとも下がりますか?

 (15)脈拍数の増加(頻脈)や低下(徐脈)をきたしやすい薬剤はありますか?

 (16)心肺蘇生を行う場合,意識がないことを確認し,AED(自動体外式除細動器)を用意したらさっそく心肺蘇生を開始すればよいですか?

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書籍情報

  • ISBN:9784263237687
  • ページ数:144頁
  • 書籍発行日:2023年3月
  • 電子版発売日:2023年2月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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