イラストでわかる装具療法

  • ページ数 : 244頁
  • 書籍発行日 : 2021年9月
  • 電子版発売日 : 2021年10月15日
¥4,950(税込)
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商品情報

内容

装具を用いた歩行の連続写真・イラストにより,初学者にも装具と臨床とのつながりがイメージできるテキスト

●「装具」に関するテキストは多数出版されているが,装具のパーツの名称や構成,チェックアウトに重点がおかれており,初学者が,装具と臨床とのつながりをイメージするのに十分とはいえない.
●本書では,前半で装具の基本的な知識を解説し,後半では,臨床現場で接する疾患や病態ごとの装具療法について理解できるように構成.
●疾患別装具療法では実際の症例を提示し,病態に合わせた装具の選定方法からチェックアウト,装具を用いたリハビリテーションの方法までを記載.
●装具を用いた歩行の連続写真・イラストにより,初学者にも装具と臨床とのつながりがイメージしやすい.

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序文

シリーズの序

本シリーズは当初,単独で出版された『イラストでわかる小児理学療法』『イラストでわかる人間発達学』,さらに『イラストでわかる発達障害の作業療法』が多くの方から支持されたことによりシリーズ化されることになりました.すなわち本シリーズは,多くの養成校の教科書として採用された実績によって作られた企画です.きっと,キャンパスでたくさんの学生が本書を抱えて歩いていることでしょう.

本書は,編集の先生方に,「イラストでわかるシリーズ」の共通した内容である,理学療法士・作業療法士養成校の学生に合った内容で,「わかりやすい」・「興味がもてる」・「ポイントを絞った」を目標に,平易な文章でイラストを多用しコンパクトにまとめていただきました.加えて,具体的な内容については編集者の「伝えたい思い入れ」に従って構成していただきました.そのため,テキストによっては,若干,構成が異なる内容になっていると思います.

監修にあたり,できるだけ読みやすくすることを心がけました.また,不適切な用語がありましたらご教授いただければうれしく思います.最後に,ご多忙のところ監修者のお願いをこころやすく聞き入れてくださいました編集者・著者の先生方,および出版に労をいとわずにご尽力をくださった医歯薬出版株式会社編集部担当者に深くお礼申し上げます.


2019年5月

監修者 上杉雅之


編集者の序

道具は使うからこそ価値があり,どのように使われているかによって,その価値が何倍にも変化します.また,道具をうまく使っている人の姿は美しく,その姿には見惚れるものがあります.本書が出版される2021年は,東京でパラリンピック競技大会が開催されます.義手や義足に注目が集まりがちですが,障害を有した選手が,鍛え上げた体力と技術を駆使し,道具としての補装具を使いこなす姿には目を見張るものがあります.

リハビリテーションにおける「装具療法」はたいへん重要なものであり,障害者が日常生活を送るためだけではなく,社会活動へと参加を広げるためには,治療する側にも知識と技術が求められます.これまでに「装具」に関連するテキストは数多く出版されていますが,その多くは「装具のパーツの名称や構成,チェックアウト」などに重点がおかれており,初学者である学生が利用するには,装具と疾患・病態が結びつかず,臨床をイメージしにくいのではないかと感じています.

理学療法は,怪我や病気などで身体に障害のある人に対して,基本動作能力の回復や維持,および,障害の悪化の予防を目的に,作業療法は,身体,精神,発達,高齢期の障害や環境への不適応により,日々の作業に困難が生じている,またはそれが予測される人や集団に対して,健康と幸福を促進するために,それぞれ,理学療法や作業療法など「療法」を用いて,自立した日常生活を送ることができるように支援するものです.これまで,運動療法のテキストでは,運動時の負荷量の設定や方法,物理療法のテキストでは,適応疾患と物理療法器具の使い方などが掲載されているにもかかわらず,装具療法のテキストには,装具を使用したリハビリテーションについて掲載されているものが多くありません.

そこで本書では,前半で,装具の基本的な知識を解説し,後半では,臨床現場で接するであろう疾患や病態ごとの装具療法について理解できるように構成しました.疾患別の装具療法では,実際の症例を提示し,病態に合わせた装具の選定方法からチェックアウト,装具を用いたリハビリテーションの方法までを記載しています.

理学療法士・作業療法士を目指す学生や,装具療法の経験が浅い理学療法士・作業療法士にとって,本書が,患者を治療するうえでの関わり方と実践的な装具療法の礎として役に立つことを祈念する次第です.

最後に,本書の刊行にあたり,たいへん忙しいなか玉稿を賜りました執筆の先生方,出版の労をいとわずにご尽力くださった出版社・ご関係の皆さまに心より感謝申し上げます.


2021年7月

編集者
 長倉裕二  岩瀬弘明

目次

第1章 装具学概論

(秋月千典)

エッセンス

理学療法と装具

装具および装具療法

 装具

 装具療法

装具の目的と役割

装具の分類と名称

 装着部位による分類と名称

 支給制度による分類と名称

装具製作の流れとチーム・アプローチ

 装具製作過程とPTの役割

装具の力学的な基礎

 3点固定の原理

 装具の可撓性と強度

 装具の力学的作用を理解するための用語

確認してみよう!・解答

先輩からのアドバイス

トピックス

第2章 靴型装具と足底装具

(相原一輝,長谷川正哉)

エッセンス

足の構造

 骨格・関節

 アーチ

 筋

 運動連鎖

 足のサイズと靴のサイズ

おもな足部変形と原因

 扁平足

 凹足

 内反尖足

 外反母趾

 強剛母趾

 足趾変形

 その他:足部潰瘍

靴型装具の選定

 靴型装具の種類

 靴型装具の構成

 靴型装具の適合判定とチェックアウト

足底装具の選定

 足底装具とは

 足底装具の種類

 足底装具の構成

 足底装具の適合判定とチェックアウト

 症例1

 症例2

確認してみよう!・解答

先輩からのアドバイス

トピックス

第3章 下肢装具とチェックアウト

(窓場勝之)

エッセンス

下肢装具の目的と種類

 目的

 種類

長下肢装具の適応と意義

 適応

 意義

長下肢装具の構成

 支柱

 半月とベルト

 膝当て

 継手

 足部

 付属品

長下肢装具の適合判定とチェックアウト

 適合判定

 チェックアウト

短下肢装具の目的と種類

 目的

 種類

金属支柱付き短下肢装具

 構成

プラスチック短下肢装具

 構成

短下肢装具の適合判定とチェックアウト

 適合判定

 チェックアウト

確認してみよう!・解答

先輩からのアドバイス

トピックス

第4章 頸部・体幹装具とチェックアウト

(安彦鉄平)

エッセンス

頸部・体幹装具

 頸部・体幹装具の目的

 構成材料による分類

 頸部・体幹装具のおもな構成部品とチェックポイント

代表的な頸部・体幹装具

 代表的な頸部・体幹装具

 代表的な側弯症装具

頸椎・体幹装具のチェックアウト

 チェックアウト項目

 代表的な装具のチェックアウト

確認してみよう!・解答

先輩からのアドバイス

トピックス

第5章 上肢装具とチェックアウト

(坂口雄哉,平上尚吾)

エッセンス

上肢装具と上肢のスプリント

上肢装具の種類と構成

 上肢装具の構造による分類

 上肢装具の装着部位による分類

上肢装具の適合判定とチェックアウト

 装具の適応過程と各時期におけるチェックアウトのポイント

 適合判定のポイントと問題に対する対応

確認してみよう!・解答

先輩からのアドバイス

トピックス

第6章 疾患別の装具療法(1)脳血管疾患

(藤﨑拡憲)

エッセンス

脳血管疾患の概略

症例提示

脳血管疾患片麻痺者への下肢装具療法の方針

 装具療法開始時の対応

 装具療法1~2カ月目の対応

 装具療法3カ月目以降の対応

 長下肢装具の選定について

装具の処方・製作に必要な理学療法評価

 膝関節伸展位での足関節背屈可動域

 膝関節可動域

 足関節底屈・背屈筋力

 膝関節伸展筋力

 平行棒内歩容による膝関節の安定性

 筋痙縮(とくに下腿三頭筋)

 感覚障害(表在,深部)

 高次脳機能障害・認知症

 その他

 装具のおもな使用場所

装具処方・製作に必要な装具の知識

 AFOの機能的特徴による分類

 たわみの程度

 AFOの背屈角度と装具装着での下腿前傾角度

 歩行周期とAFOの望ましい機能

脳血管疾患で起こりやすい異常に対する装具での対応

 膝折れに対する装具での対応

 下垂足に対する装具での対応

 反張膝に対する装具での対応

 尖足に対する装具での対応

 内反足に対する装具での対応

 鉤爪趾に対する装具での対応

装具歩行での問題点と対処法

脳血管疾患片麻痺で使用する上肢装具

確認してみよう!・解答

先輩からのアドバイス

トピックス

第7章 疾患別の装具療法(2)踵骨骨折

(後藤和也)

エッセンス

病態

 解剖

 原因

 分類

 治療

 後遺症

 治療上の注意点

理学療法評価

 情報収集

 問診

 形態測定

 ROM測定

 筋力測定

 基本動作

 その他の評価指標

免荷装具

 PTB免荷装具

 Graffin型PTB免荷装具

 Graffin型靴型足部免荷装具

免荷装具を使用したリハビリテーションの目的と方法

 目的

 方法

症例提示

 症例1

 症例2

確認してみよう!・解答

先輩からのアドバイス

トピックス

第8章 疾患別の装具療法(3)脊髄損傷

(浅井直樹)

エッセンス

脊髄損傷における装具とリハビリテーション

頸髄損傷完全型/不全型四肢麻痺における上肢装具

頸髄損傷の上肢機能に関する障害像

不全型脊髄損傷(頸髄損傷不全型四肢麻痺/胸腰髄損傷不全型対麻痺)における下肢装具

 不全型脊髄損傷の歩行機能に関する障害像

下位腰髄損傷完全型/不全型対麻痺における下肢装具

 下位腰髄損傷の障害像

胸腰髄損傷完全型対麻痺における練習用下肢装具

 完全型対麻痺の障害像

確認してみよう!・解答

先輩からのアドバイス

トピックス

第9章 疾患別の装具療法(4)頸・胸腰椎疾患(椎間板ヘルニア,圧迫骨折,側弯)

(篠原 博)

エッセンス

体幹装具を使用したリハビリテーションについて

頸椎椎間板ヘルニアの症状,装具,装具を使用した理学療法

 椎間板ヘルニアの病態

 画像所見の特徴

 症状および障害像

 頸椎椎間板ヘルニアに対する装具療法の考え方

腰椎椎間板ヘルニアの症状,装具,装具を使用した理学療法

 症状および障害像

 腰椎椎間板ヘルニアに対する装具療法の考え方

脊椎圧迫骨折の症状,装具,装具を使用した理学療法

 病態

 症状

 脊椎圧迫骨折に対する装具療法の考え方

側弯症の症状,装具,装具を使用した理学療法

 病態

 画像所見の特徴

 側弯症に対する装具療法の考え方

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トピックス

第10章 疾患別の装具療法(5)運動器疾患(変形性膝関節症)

(塚越 累)

エッセンス

病態

 膝関節の機能解剖

 病態

変形性膝関節症の保存的治療

膝装具を使用したリハビリテーションの目的と治療

 膝装具の目的

 膝装具の適応

 軟性膝装具

 硬性膝装具

 膝装具の装着方法と注意点

足底板を使用したリハビリテーションの目的と治療

 足底板の目的

 足底板の機能

 足底板の効果

 足底板の適応

 足底板の種類

症例紹介

 装具の選択

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トピックス

第11章 疾患別の装具療法(6)末梢神経障害(尺骨神経,橈骨神経,正中神経)

(内藤光祐)

エッセンス

末梢神経障害とは?

四肢の末梢神経障害の症状

四肢の末梢神経障害の発症要因

四肢の末梢神経障害分類

末梢神経評価

 ティネル徴候

 感覚検査

 筋力検査

 自律神経機能検査

 手の肢位

末梢神経障害の発生頻度(絞扼性神経障害)

末梢神経障害と装具療法(概要)

 尺骨神経障害

 橈骨神経障害

 正中神経障害

確認してみよう!・解答

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第12章 疾患別の装具療法(7)関節リウマチ

(内藤光祐)

エッセンス

病態

 罹患率

 RAの経過

 寛解と増悪(症状の進行・強さ)の指標

 病期と機能障害分類

 治療(装具療法を中心に)

病期ごとの装具の目的と症例提示

 ステージI(初期)

 ステージII(中等期)

 ステージIII(高度進行期)

 ステージIV(末期)

 症例提示

症状別の装具の選択と目的

 上肢の関節変形と装具

 下肢の関節変形と装具

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トピックス

第13章 疾患別の装具療法(8)糖尿病

(河辺信秀,渡部祥輝)

エッセンス

病態

 糖尿病足病変の病態

 糖尿病足病変の治療・予防に装具療法がなぜ必要か?

 装具選択のためのリスク分類

症例提示

 創傷治療期の症例

症例の装具の選択

 装具療法

装具を使用したリハビリテーションの目的と方法

 創傷治療期のリハビリテーション

 発症・再発予防期のリハビリテーション

確認してみよう!・解答

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トピックス

第14章 疾患別の装具療法(9)小児

(吉田勇一)

エッセンス

脳性麻痺(痙直型両麻痺)

 痙直型両麻痺児に対する下肢装具選択の視点

 下肢装具を使用したリハビリテーションの目的と方法

ペルテス病

 ペルテス病に対する装具選択の視点

 装具を使用したリハビリテーションの目的と方法

発育性股関節形成不全

 発育性股関節形成不全に対する装具選択の視点

 装具を使用したリハビリテーションの目的と方法

二分脊椎

 二分脊椎に対する装具選択の視点

 装具を使用したリハビリテーションの目的と方法

デュシャンヌ型筋ジストロフィー

 デュシャンヌ型筋ジストロフィーに対する装具選択の視点

 装具を使用したリハビリテーションの目的と方法

ポストポリオ症候群

 ポストポリオ症候群に対する装具選択の視点

 装具を使用したリハビリテーションの目的と方法

先天性内反足

 先天性内反足に対する装具選択の視点

 装具を使用したリハビリテーションの目的と方法

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トピックス

第15章 疾患別の装具療法(10)スポーツ外傷

(木下めぐみ,石井陽介)

エッセンス

膝前十字靱帯損傷(膝関節装具)

 病態

 症例1

 症例に対してどのような視点で装具を選択するか

 装具を使用したリハビリテーションの目的と方法

足関節外側靱帯損傷(足関節装具)

 病態

 症例2

 症例に対してどのような視点で装具を選択するか

 装具を使用したリハビリテーションの目的と方法

膝半月損傷(インソール)

 病態

 症例3

 症例に対してどのような視点で装具を選択するか

 装具を使用したリハビリテーションの目的と方法

確認してみよう!・解答

先輩からのアドバイス

トピックス

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  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784263266465
  • ページ数:244頁
  • 書籍発行日:2021年9月
  • 電子版発売日:2021年10月15日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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