Q&Aで学ぶ ジェネラリストのための女性診療BASIC

  • ページ数 : 334頁
  • 書籍発行日 : 2022年12月
  • 電子版発売日 : 2022年12月21日
¥4,950(税込)
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商品情報

内容

一般内科や総合診療・家庭医療、その他の診療科で女性を診る先生へ 今日から自信を持って女性診療を実践しませんか!

一般内科や総合診療・家庭医療、その他の診療科で女性を診る先生の中には、「女性特有の疾患は産婦人科で」という考えを持ち、その疾患に出会ったら産婦人科へまわすという方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし実際には、産婦人科専門医でなくても女性を診ている先生も多いでしょう。特に近年は、女性の社会進出もあいまって、ライフステージ(思春期、性成熟期、妊娠・出産、更年期、老年期)ごとに様々な健康問題に悩む女性が増え、産婦人科医でなくても、かかりつけ医に相談するケースも増えています。
そのような背景も踏まえ、2020年度からは臨床研修で産婦人科ローテーションが再び必修化されました。また、「ウィメンズ・ヘルス」という言葉もよく聞くようになり、様々な観点から女性の健康向上が意識されています。
そこで、本書では「今さら聞けないこと」を含め、各ライフステージにおいて「よくある健康問題」「隠れている健康問題」について女性診療の基本となる40個のQuestionを取り上げました。執筆者には、産婦人科やプライマリ・ケアにおいて各テーマに精通した先生方を迎え、「女性診療のことを広く伝えたい」という共通の想いのもと丁寧に解説しています。

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序文


「女性を診るということ」は、産婦人科に限らず、一般内科や総合診療・家庭医療、その他の診療科の現場で日々直面します。本書では、「女性=産婦人科診療」という枠組みを超えて、目の前に女性の患者が来たときにジェネラリストとして取り組むこと全般を「女性診療」という観点で提示します。

本書のタイトルは、『Q&Aで学ぶ ジェネラリストのための女性診療BASIC』です。「今さら聞けないこと」まで含めて、各ライフステージにおいて「よくある健康問題」「隠れている健康問題」について女性診療の基本となる40 個のQuestion を取り上げました。執筆者には、産婦人科やプライマリ・ケアにおいて各テーマに精通した先生方を迎え、「女性診療のことを広く伝えたい」という共通の想いのもと丁寧に解説いただきました。女性診療のコンセプトとしては、女性のライフステージ(思春期、性成熟期、妊娠・出産、更年期、老年期)に沿ってよくある健康問題について、予防医療や健康増進も含めた観点でケアを行うことを指します。最近の流れでは、女性の社会進出や少産化を受け、月経関連疾患を持つ女性や社会的リスクを伴う妊産婦が増加しました。患者の背景を尋ねると、子育てや介護、仕事と家庭、経済状況やメンタルヘルス、ジェンダーやセクシュアリティなど多岐にわたる心理・社会的要因が関連しあっていることが当たり前となってきています。そのような時代だからこそ、「身近で何でも相談にのる」医師や医療専門職が、産婦人科をはじめとした専門機関と連携し合うことが、より良い女性のケアに不可欠と言えるでしょう。

産婦人科医でない読者の皆様にとって女性診療が今までより身近なものとなり、産婦人科との連携が進むことを願って、本書を編集しました。お忙しい中、執筆の労を執ってくださった先生方に心より感謝申し上げます。本書を、明日診る女性患者のケアに役立てていただけましたら幸いです。


浜松医科大学 地域家庭医療学講座
井上 真智子

目次

序章 女性診療の手始めに

1.「女性診療(ウィメンズヘルスケア)」という考え方

2.女性診療で扱う問題と本書の流れ

3.自施設でどこまで実施するか

4.潜在的なニーズに気づく

column 女性の医療面接のポイント

第1章 思春期〜性成熟期

Q.01 正常な月経と月経異常の見分け方は?

1.正常な月経

2.無月経

3.月経周期の異常

4.経血量と持続期間の異常

Q.02 無月経の場合、どうしたら良い?

1.無月経の原因と対応

2.月経不順(月経周期の異常)の原因と対応

Q.03 月経困難症の診断と対応は?

1.月経困難症の分類と診断

2.機能性月経困難症の治療

3.器質性月経困難症の治療

4.若年の強い機能性月経困難症にもLEPを

5.現代病としての月経困難症・子宮内膜症

Q.04 月経前症候群の診断と対応は?

1.月経前症候群(PMS)の臨床像と診断

2.セルフケアと非薬物療法

3.薬物療法

4.不定愁訴を「PMSではない」と判断する前に

column 月経移動について

Q.05 若年女性の冷えには、どう対処したら良いですか?

1.冷えを認識することの重要性

2.冷えの頻度

3.なぜ、女性に冷え症は多いのか

4.冷え症を誘導しやすい環境を知る

5.非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の使用し過ぎにも注意

6.自律神経系と女性ホルモン系

7.冷え症を治療せずに放っておいたら

8.生活習慣で注意することは何ですか?

9.薬物療法について

Q.06 帯下(おりもの)やかゆみを相談されたら?

1.帯下異常で考える3つの疾患

2.帯下の検査

3.帯下異常の症状と治療

4.帯下異常では性感染症を忘れない

5.外陰部のかゆみへのアドバイス

Q.07 性感染症が心配だとわれたら?

1.性感染症(sexually transmitted infections:STI)の疫学

2.性感染症の予防

3.性器クラミジア

4.口腔咽頭と性感染症

5.おわりに

column セクシュアリティについて相談を受けたら

第2章 妊娠・出産

Q.08 知っておくべきプレコンセプションケアとは?

1.プレコンセプションケアの必要性

2.プレコンセプションケアの取り組み方

3.プレコンセプションケアの具体的な対応

4.プレコンセプションケアを行うタイミング

5.将来の妊娠に向けて

Q.09 不妊について相談されたら?

1.不妊を知る重要性

2.不妊症の定義

3.不妊の原因

4.妊娠前に必要なケア

5.産婦人科・不妊症外来受診の目安

6.スクリーニング検査と指導

7.不妊治療開始後のケア

Q.10 妊娠の診断、妊娠反応検査はどうするの?

1.妊娠反応検査とは

2.妊娠の診断の重要性

3.「妊娠に気づいていない女性」に行う妊娠反応検査のタイミング

4.妊娠の診断のための超音波検査

Q.11 妊娠中に処方しても良い薬は?

1.妊娠中の処方の現状

2.妊娠中の処方のポイント

3.妊娠中でも使用可能なOTC

Q.12 妊娠中のコモンプロブレムの対応とは?

1.妊娠中の患者の診療における注意点

2.発熱

3.鼻汁・鼻閉

4.嘔気・嘔吐

5.腹痛

6.便秘

7.頻尿

Q.13 妊娠中の慢性疾患の管理は?

1.慢性疾患と妊娠

2.妊娠中の投薬の原則

3.合併症妊娠の管理方針

Q.14 妊娠中の過ごし方について相談されたら?

1.妊娠中のプライマリ・ケア医の関わり

2.妊娠初期

3.食事について

4.嗜好品について

5.運動について

6.仕事や家事について

7.旅行について

8.おわりに

Q.15 周産期メンタルヘルス・社会的ハイリスク妊産婦とは?

1.周産期メンタルヘルスについて

2.周産期うつ病について

3.周産期うつ病のスクリーニング

4.パートナーのうつ病

5.周産期メンタルヘルスへの対策

6.社会的ハイリスク妊産婦について

7.どのように気づき、つなげ、支えるか

8.地域のサポート体制について

9.プライマリ・ケア医に期待されること

Q.16 流産・死産や中絶の経験者のケアとは?

1.プライマリ・ケア医が、流産・死産や人工妊娠中絶(以下、中絶)について知っておいた方が良い理由

2.流産・死産について知っておきたいこと

3.流産・死産を経験した女性へのケア

4.流産・死産を経験した女性やその家族へのケア

5.中絶について知っておきたいこと

6.中絶を経験した女性へのケア

7.そして、プレコンセプションケアへ

Q.17 避妊法にはどのようなものが

1.日本における避妊法

2.コンドーム

3.経口避妊薬・低用量ピル

4.子宮内避妊具(IUD)、子宮内避妊システム(IUS)

5.緊急避妊法

6.プライマリ・ケア医が提供できる避妊とは

Q.18 乳腺炎の相談をされたら?

1.うっ滞性乳腺炎

2.感染性乳腺炎

3.乳腺膿瘍

4.乳腺炎における授乳継続について

Q.19 授乳中の処方についての原則は?

1.授乳中の処方の現状

2.母乳・ミルク(母乳代替品)の基礎知識

3.断乳と乳腺炎

4.授乳中に使用する薬剤の安全性

5.授乳中の投薬に関するリソース

6.授乳中に適さない薬剤

7.最終的に処方の是非は、共同意思決定を行う

Q.20 産後に尿失禁があると言われたら?

1.妊娠・出産の骨盤底への影響と尿失禁の病態

2.産後の尿失禁の疫学

3.リスク因子

4.尿失禁の評価

5.治療

6.骨盤底筋訓練の方法

column 産後の痔のケアについて

第3章 性成熟期

Q.21 女性の急性腹症へのアプローチとは?

1.女性の腹痛の鑑別疾患

2.女性の腹痛の問診と検査

3.女性の腹痛の身体診察

4.女性の腹痛の診察

Q.22 異所性妊娠、卵巣出血、卵巣嚢腫茎捻転の見分け方は?

1.女性の腹痛の検査について

2.各疾患の超音波検査の特徴

Q.23 骨盤内炎症性疾患(PID)の診断と治療とは?

1.PIDの疫学と症状

2.PIDを疑った時の問診

3.PIDを疑った時の診察

4.PIDの検査

5.PIDの治療

Q.24 子宮内膜症の治療方針は?

1.症状と治療

2.産婦人科医に紹介するタイミング

Q.25 子宮筋腫の対処方針は?

1.薬物療法

2.手術療法

3.その他

Q.26 卵巣嚢腫・卵巣腫瘍の対処方針は?

1.診断

2.治療

Q.27 乳房にしこりや痛みがあると言われたら?

1.乳房のしこりや痛みの鑑別診断

2.診察前に考慮してほしいこと

3.診察時に多い患者からの質問と回答例

4.乳房のしこりや痛みの診察について

5.緊急性の判断

6.乳腺外科医へのコンサルト

7.精査・加療中の患者が相談に来た場合の説明

第4章 更年期・老年期

Q.28 更年期はいつから?

1.更年期という用語について

2.閉経とは

3.更年期はいつから

4.更年期における婦人科内分泌検査

Q.29 更年期障害の診断とは?

1.更年期症状・更年期障害とは

2.更年期症状について

3.更年期症状の臨床的特徴

4.更年期障害の診断

Q.30 更年期障害に用いる漢方療法は?

1.まずは、更年期と更年期障害の理解から

2.更年期障害の特徴とは

3.更年期診療に不可欠なのは「統合医療」的考え方

4.更年期障害の症状

5.漢方薬の処方法とは

6.実際の処方法

7.甘草による偽性アルドステロン症について

8.おわりに

Q.31 ホルモン療法の実際とは?

1.ホルモン補充療法(HRT)とは

2.HRT適応の考え方

3.HRTに用いるホルモン製剤

4.子宮のある女性に対するHRT処方の実際

5.HRT処方の実際

6.HRTにおける大原則

7.おわりに

column 閉経後の脂質異常症や骨粗鬆症の管理について

Q.32 尿失禁や頻尿を相談された時は?

1.尿失禁・頻尿の病態と原因

2.検査

3.治療

Q.33 閉経後に出血がみられたと言われたら?

1.閉経後子宮出血の疫学

2.高齢・ADL低下患者の診察と子宮留膿症

Q.34 在宅患者で帯下がある時は?

1.在宅患者における診療の実際

2.細菌性腟症・萎縮性腟炎

3.子宮留膿症

4.婦人科悪性疾患

5.婦人科へ紹介を検討するケース

第5章 予防・健康増進

Q.35 子宮頸がん検診のタイミングとは?

1.子宮頸がんに関する世界の動き

2.日本における子宮頸がん検診の課題

3.子宮頸がんの疫学

4.子宮頸がん検診のエビデンス

5.子宮頸がん検診を勧めるべき対象者について

6.子宮頸がん検診を勧めるタイミングと今後の課題

Q.36 女性に勧めるべきワクチンは?

1.HPVワクチンについて

2.妊娠可能年齢の女性に接種が望ましい生ワクチン

3.その他ワクチンについて

4.抗体検査について

5.実際の勧め方・接種のタイミングについて

6.おわりに

Q.37 乳がん検診とは?

1.乳がん検診の意義

2.乳がんのリスク評価

3.平均リスク女性への乳がんスクリーニング検査の推奨

4.乳がん検診の至適上限年齢

5.おわりに

Q.38 がんサバイバーのケアとは?

1.はじめに

2.がん治療のlong-term effectsとlate effectsについて

3.がんサバイバーの経験を通して、ケアニーズを学ぶ

4.例としての乳がんサバイバーシップケア

5.おわりに

Q.39 暴力・レイプなどの被害の徴候があったら?

1.どんな時に暴力や性暴力を疑うか

2.被害を開示された時

3.トラウマ・インフォームド・ケア

4.社会的支援につなげる

column LGBTQフレンドリーな医療機関になるには

Q.40 地域で、性教育などの活動を行うには?

1.性教育はいつでもどこでも

2.「性教育」という言葉から何を思い浮かべるか

3.なぜ性教育が必要なのか

4.性教育講演会実施までの5つのハードル

5.Sexual pleasure(性の悦び、性的快感)を伝える

6.男子への性教育

7.トラウマ・インフォームド・ケア/トラウマ・インフォームド・エデュケーションの考え方「困った人は、困っている人」

8.知識だけでは身を守ることはできない

9.つながってください

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書籍情報

  • ISBN:9784765319232
  • ページ数:334頁
  • 書籍発行日:2022年12月
  • 電子版発売日:2022年12月21日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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