臨床循環器学

  • ページ数 : 847頁
  • 書籍発行日 : 2021年3月
  • 電子版発売日 : 2021年3月19日
¥22,000(税込)
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商品情報

内容

新潮流を捉えた循環器診療の羅針盤!

スタンダードを抑えつつ進歩の波に呑まれない,循環器学の教科書が誕生!病態の知識,診断・治療法を始めとして,糖尿病・慢性腎臓病などの多臓器疾患の合併や,成人先天性心疾患・腫瘍循環器学などの新たな領域まで幅広く網羅し,実臨床に活かせるプラクティカルな視点での解説も盛り込んだ.循環器学を志す全ての人へ,循環器学を総合的・体系的に学べる必携の一冊
※一部電子書籍では表示できない図表(P.660 表11-H-3)を含みます.

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序文

序  文


総合的かつ体系的に循環器学を学ぶことができる“教科書”と呼ぶべきテキストの久々の刊行である.本テキストの前身にあたる『実践臨床心臓病学』(吉川純一・松﨑益德 編)が出版されたのは1997年である.「教育の現場で学生や研修医に“これを読んでおきなさい”と手軽に渡せる本を出版したい.」という編者の思いが詰まった渾身のテキストであった.10年後の2006年,『臨床心臓病学』(松﨑益德・吉川純一 編)と名前も新たに出版された.その出版には循環器診療が進歩したこと以外にもう一つ動機があった.それは卒後臨床研修制度への危機感である.「“渡り鳥”のような研修生活を強いられている研修医や“自動車教習所の教官”のような,ほとんど真の意味での師弟関係のない状況での研修医指導を強いられている指導医師を見ていると,現状のこの状態が正常な卒後医学教育とは考え難い.」 循環器学を志す者はこれを読んでおきなさいというテキストを作らねばならないという強い思いが込められたものであった.

それから15年,循環器学は大きく変貌した.新たな病態が解明され,疾患概念,診断,薬物治療,治療手技は異次元の進歩を遂げた.さらにevidence-based medicineに基づくガイドラインにより,診療の均霑化がもたらされた.負の側面もある.循環器学が扱う領域が広がったため,全体像が見えなくなってきていること,そして教える側の専門分化も進み,疾患の関連性など総合的な教育が難しくなっていること,などである.その結果,“なぜ”という疑問を持たずに,その治療が目の前の患者に最適なのか考えることなく黙々とガイドラインに従った診療をしている医師が増えているように思えてならない.循環器診療は進歩したものの臨床の地頭を鍛える環境が失われていると言わざるを得ない.

そこで,“これ一冊を読んでおきなさい”というものを新たに作ろうとチャンレンジしたものが本テキストである.循環器疾患の病態に関する最新の知識,診断・治療法だけではなく,糖尿病や慢性腎臓病など他臓器疾患に合併する循環器疾患,新たな領域としての成人先天性心疾患,腫瘍循環器学まで幅広く網羅した.さらに,手技のノウハウから臨床試験やエビデンスの評価法まで,これ一冊で循環器学の全てがわかるものになっている.

本書を読むことで循環器学がさらに面白くなった,理解が深まったと思っていただくことができれば,執筆者一同の大きな喜びである.


2021年3月吉日

伊藤 浩
坂田泰史

目次

第1章循環器疾患の新潮流

A 変わる疾病構造と迫られる対応

1 歴史の必然としての心血管疾患の増加

 a.第1ステージ─ 疫病・飢餓の時代/b.第2ステージ─ パンデミック後退期/c.第3ステージ─ 退行性疾患そして人為的疾患の増加期/d.第4ステージ─退行性疾患の発症の遅発化期

2 われわれの体は急激な環境の変化に適応しきれない

3 心血管疾患のこれから

 a.さらなる肥満と運動不足,サルコペニアの時代に/b.そして未体験の超高齢社会へ/c.心不全パンデミック/d.緩和医療を視野に入れた循環器診療/e.precision medicine─精密医療の試み

B 根拠ある診療とは

1 診断・治療の根拠は

2 EBMの活用法

3 新しいエビデンスで臨床を考える

4 診療ガイドラインの見方・活用法

5 EBMの限界

C 個別化医療・先制医療

1 循環器疾患の危険因子─遺伝因子と環境因子との関係

2 「単一遺伝子疾患」における知見

3 rare variant

4 「多因子疾患」における知見

5 遺伝子変化と疾患発症との関係性─水槽モデル

6 予防医療と先制医療

7 薬剤反応性の個別化

8 ゲノム医療

D 医療の質のたゆまぬ向上を目指して

1 医療の質とは

2 医療安全

3 標準治療と治療成績

4 医療の評価の問題点

5 医療の質のたゆまぬ向上を目指して

E チーム医療:心不全

1 心不全チーム医療の歴史と概念

2 心不全チーム医療に関わる医師とメディカルスタッフの役割

3 チーム医療の実践

4 栄養介入

5 緩和ケア

F 臓器連関

1 心腎症候群

2 脳を介した循環調節

G 腸内細菌叢と循環器疾患

1 ヒト腸内細菌叢検査の現状とその意義

2 腸内細菌叢と冠動脈疾患との関係

3 腸内細菌関連代謝物と循環器疾患との関係

4 心不全患者に特徴的な腸内細菌叢は存在するのか

5 循環器疾患治療のための腸内細菌叢・腸内細菌関連代謝物への介入法

H 求められる医療倫理

1 インフォームドコンセントの実践

2 意思決定プロセス

3 遺伝カウンセリング(遺伝相談)

I 地域連携の実際

1 地域診療所での医療体制へ

2 地域でのチーム医療─訪問看護・リハビリテーション

3 多施設多職種での連携・情報共有の場─地域から入院へ

4 多施設多職種での連携・情報共有の場─入院から退院へ

5 かかりつけ医の予防の意識

6 情報通信技術の有効活用

J 緩和医療

1 循環器医療と緩和医療の融合

 a.患者の病識と現実の乖離/b.循環器疾患終末期の判断と医療者の認識/c.循環器領域における緩和医療リソースの使用/d.多職種チームによる介入

2 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)と意思決定支援

 a.循環器領域におけるACPのエビデンス/b.ACPの実施時期/c.心不全患者における医療機器の停止と意思決定支援

3 末期心不全に対する緩和ケアの実際

 a.呼吸困難/b.全身倦怠感/c.疼痛/d.抑うつ・不安/e.譫妄/f.終末期の苦痛

第2章心不全

A 心不全の疫学と病型

1 疫学と臨床像

2 ステージ分類

3 LVEFによる心不全の分類

4 今後の動向

B 心不全の病態生理

1 心力学的側面

 a.心機能曲線/b.急性心不全と慢性心不全/c.肺うっ血の発症様式/d.LVEFが低下した心不全(HFrEF)と保たれた心不全(HFpEF)

2 神経体液性因子・炎症

 a.レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAA系)/b.交感神経系/c.ナトリウム利尿ペプチド/d.炎症・酸化ストレス

C 心不全の分子生物学的機序

1 カルシウムハンドリング

2 サルコメアの異常

3 炎症の関与

D 心不全の診断

1 身体所見

 a.左心不全症状/b.右心不全症状/c.「低心拍出状態」に基づく症状/d.フラミンガム診断基準/e.問診

2 病態・重症度評価

 a.Forrester分類・Nohria-Stevenson分類/b.クリニカルシナリオ

3 血液検査

 a.ナトリウム利尿ペプチド/b.BNPの産生と代謝/c.BNPのカットオフ値

4 腎機能

 a.心腎連関

5 心エコー(収縮機能・拡張機能)

 a.収縮機能(LVEF)/b.拡張機能/c.左室流入血流速波形/d.僧帽弁輪速度波形/e.左房容積係数/f.三尖弁逆流速度/g.拡張機能障害の診断アルゴリズム

6 心不全の診断

E 急性心不全

1 診断・病態評価

2 初期対応

3 初期病態評価に応じた薬物療法

4 急性期後のマネージメント

F HFrEFの診療

1 概念・定義

2 診断・病態評価

3 治 療

4 LVEFが改善した心不全(HFrecEF)

G HFpEFの診療

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

H 非薬物治療:内科的治療

1 植込み型除細動器(ICD)

2 着用型自動除細動器(WCD)

3 心臓再同期療法(CRT)

4 カテーテルアブレーション

5 呼吸補助療法(CPAP・ASV)

6 運動療法

7 遠隔医療とテレモニタリング

I 非薬物治療:外科手術

1 虚血性心不全の進展機序

2 手術適応

3 冠動脈バイパス術(CABG)

4 左室形成術

J 重症心不全(ステージD)

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

第3章不整脈・心臓突然死

A 不整脈の機序

1 心臓の電気生理

 a.イオンチャネルとイオン電流/b.活動電位/c.電気興奮の伝播

2 刺激伝導系

3 不整脈の発生機序

 a.異常自動能/b.トリガードアクティビティ/c.リエントリー

4 遺伝性不整脈

 a.先天性QT延長症候群/b.Brugada症候群/c.先天性QT短縮症候群/d.カテコラミン誘発多形性心室頻拍/e.進行性心臓伝導障害/f.その他

B 不整脈の診断とリスク層別化

1 概念・定義

2 分 類

3 病態生理

4 症 状

5 身体所見

6 重症度

7 検 査

8 リスク層別化検査

C 上室性不整脈

1 上室期外収縮

2 頻脈性不整脈の鑑別診断

3 発作性上室頻拍

4 房室結節リエントリー性頻拍

5 早期興奮症候群

6 房室回帰性頻拍

7 心房粗動

8 心房頻拍

9 洞結節リエントリー性頻拍

10 inappropriate sinus tachycardia

11 房室接合部頻拍

D 心房細動

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

E 心室期外収縮・心室頻拍

1 概念・定義

2 分 類

3 機 序

4 病態生理

5 リスク評価

6 診 断

7 治 療

F 遺伝性不整脈

1 先天性QT延長症候群

2 Brugada症候群

3 早期再分極症候群

4 QT短縮症候群

G 徐脈性不整脈

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

H デバイスの調整と管理,合併症

1 CRTの効果を上げるための調整

2 合併症・デバイス感染とリード抜去

3 長期管理・ペースメーカ外来

I 失神と心臓突然死

1 定義・疫学

2 診 断

 a.初期評価/b.リスク評価/c.初期評価後の対応

3 検 査

 a.血液検査/b.心血管系検査/c.神経系検査

4 疾患別の診断・治療

 a.不整脈/b.器質的心疾患/c.遺伝性不整脈/d.反射性失神/e.起立性低血圧/f.起立不耐症/g.偽失神

第4章動脈硬化性・炎症性疾患

A 動脈硬化の機序

1 動脈硬化プラークの形成・進展

2 動脈硬化プラークの不安定化

3 プラークびらん

4 冠動脈内血栓形成のメカニズムとその調節因子

5 冠動脈内血栓制御機構

B 脂質代謝の正常と異常

1 リポ蛋白代謝の正常と異常

2 LDL-C,レムナント,sdLDLがなぜ悪いか

3 Lp(a)などの関与

C 動脈硬化のスクリーニング

1 概念・定義

2 病態生理

3 スクリーニング法

4 治 療

D 安定冠動脈疾患

1 概念・分類

2 病態生理

3 問診・診察

4 胸痛の鑑別診断

5 リスク評価方法

6 非侵襲的な虚血診断方法

7 至適薬物療法

8 血行再建

9 心外膜冠動脈に閉塞病変のない狭心症

E ST上昇型心筋梗塞

1 急性冠症候群の概念・定義

2 機械的合併症

3 診 断

4 治 療

F 非ST上昇型急性冠症候群

1 心筋梗塞の診断―universal defi nition

2 ST上昇型心筋梗塞との違い

3 診断・急性期治療

4 侵襲的治療戦略・保存的治療戦略

5 冠動脈血行再建

6 慢性期管理

G 冠動脈インターベンション(PCI)

1 PCIの適応

2 PCIの施行法

3 病変形態の分類と治療成績予測

4 ガイディングカテーテル

5 ガイドワイヤー

6 ステント

7 ロータブレーター

8 抗血小板薬の種類と使い方

9 周術期心筋梗塞の意義

10 慢性完全閉塞病変

H 大動脈瘤

1 概念・定義

2 分 類

3 機 序

4 症候・病態

5 診 断

6 治 療

I 大動脈解離

1 病態・疫学

2 病 型

3 診 断

4 合併症(続発症)

5 治 療

6 予後(外科治療成績)

J 高安動脈炎

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

第5章末梢血管疾患

A 末梢動脈硬化症

1 末梢動脈疾患に対する診断と検査

2 重症下肢虚血とその管理

3 腎動脈狭窄症

B その他の血管疾患

1 血管炎の概念・定義

2 線維筋性異形成

3 膝窩動脈捕捉症候群

4 Buerger病

5 Raynaud現象

6 腸間膜動脈解離

7 下肢急性動脈閉塞症

C 脳卒中

1 概念・定義

2 病態生理

 a.脳梗塞/b.脳内出血/c.くも膜下出血/d.一過性脳虚血発作

3 身体所見と神経症状

 a.意識障害/b.眼球共同偏倚/c.構音障害/d.失語/e.半側空間無視/f.運動麻痺/g.感覚障害/h.運動失調/i.頭痛/j.めまい

4 急性期の画像診断・治療

 a.脳梗塞/b.脳内出血/c.くも膜下出血

5 潜因性脳梗塞とESUS

 a.定義・診断基準/b.塞栓源の検索・再発予防

6 頸動脈病変の治療方針

 a.症候性頸動脈狭窄/b.無症候性頸動脈狭窄

7 慢性期の予防戦略

 a.降圧療法/b.抗血栓療法/c.脂質低下療法/d.その他の危険因子の管理

D 静脈血栓塞栓症

1 概念・定義

2 疫学・危険因子

3 病態生理

4 症状・身体所見

5 診 断

6 重症度および臨床分類

7 治 療

第6章心臓弁膜症

A 心臓弁膜症の疫学

1 心臓弁膜症の頻度

2 疾患別頻度

3 増加する弁膜症

B 心臓弁膜症の診断

1 身体所見

2 検 査

3 定量的評価の重要性

4 負荷検査の役割

C 僧帽弁閉鎖不全症

1 定義・病態生理

2 診 断

3 治療・予後

D 僧帽弁狭窄症

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

E 大動脈弁閉鎖不全症

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

F 大動脈弁狭窄症

1 疫学・機序

2 臨床症状

3 診 断

4 治 療

5 合併症

6 フォローアップ

G 三尖弁疾患・肺動脈弁疾患

1 三尖弁閉鎖不全症

2 肺動脈弁狭窄症

3 肺動脈弁閉鎖不全症

H 人工弁

1 生体弁と機械弁の種類

2 人工弁の選択と近年のトレンド

3 術後管理と弁の寿命

4 機能不全・合併症と再手術の時期

I 感染性心内膜炎

1 病 態

2 疫学・基礎疾患

3 診 断

4 治 療

第7章心筋疾患・心膜疾患

A 拡張型心筋症

1 概念・定義

2 成因・病態生理

3 診 断

4 臨床経過・治療

B 肥大型心筋症

1 概念・定義

2 疫学・予後

3 病態生理

4 病 因

5 診 断

6 治 療

C 不整脈原性右室心筋症

1 概念・定義

2 病態生理・原因遺伝子

3 診 断

4 治療・予後・臨床遺伝子診断

D 拘束型心筋症

1 概念・定義

2 疫学・病型

3 遺伝子異常

4 病態生理

5 診 断

6 治 療

7 予 後

E 周産期心筋症

1 概念・定義・頻度

2 危険因子・病態生理

3 診 断

4 治療・予後

F 心臓サルコイドーシス

1 概念・定義・疫学

2 症 状

3 診 断

4 画像検査

5 治 療

G 心アミロイドーシス

1 概念・定義

2 疫 学

3 病 型

4 診断・鑑別診断

5 治 療

H 化学物質による心筋障害

1 カフェインによる心筋障害

2 セロトニンによる心筋障害

3 アンフェタミン・メタンフェタミンによる心筋障害

4 アルコールによる心筋障害

I 心筋炎

1 概念・定義

2 疫 学

3 病因・機序

4 病 型

5 診 断

6 治 療

7 病型別診断と治療方針

8 生命予後とフォローアップの注意点

J 心膜炎・心囊液貯留

1 心膜の解剖

2 急性心膜炎

3 収縮性心膜炎

4 心囊液貯留と心タンポナーデ

K 心臓腫瘍

1 概念・定義

2 病態生理

 a.塞栓症状/b.心囊液貯留/c.心臓内直接浸潤による症状/d.心内腔閉塞症状/e.全身症状

3 診 断

 a.心臓粘液腫/b.乳頭状線維弾性腫/c.横紋筋腫/d.心臓線維腫/e.脂肪腫/f.傍神経節腫/g.血管腫/h.血管肉腫/i.横紋筋肉腫

4 治 療

第8章肺高血圧症

A 肺高血圧症の定義・分類・診断

1 定 義

2 臨床分類

3 症状・身体所見

4 診断・検査

5 PAHの重症度と予後

B 肺動脈性肺高血圧症

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治療─指標・移植の適応

5 予 後

C 左心性心疾患に伴う肺高血圧症

1 疫学・定義

2 診 断

3 臨床像とIpcPH・CpcPHの病態

4 治療と目標となる指標

D 結合組織病に伴う肺高血圧症

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

E 慢性血栓塞栓性肺高血圧症

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

第9章成人先天性心疾患

A 成人先天性心疾患の疫学と課題

1 激増する成人先天性心疾患

2 小児科からの移行における課題

3 妊娠・出産

4 社会的問題・適応

5 他臓器合併症

B Fallot四徴症

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

C 心房中隔欠損症・卵円孔開存症

1 心房中隔欠損症

2 卵円孔開存症

D 心室中隔欠損症

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

5 管 理

E 修正大血管転位

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

F Fontan循環

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

5 多臓器合併症

G 川崎病

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

H チアノーゼを呈する成人先天性心疾患

1 概念・定義

2 病態生理

3 診 断

4 治 療

I 成人先天性心疾患患者の妊娠と出産

1 総 論

2 病態生理─母体における循環動態変化

3 診断─妊娠リスク評価

4 治療─周産期の薬物療法と分娩方法

第10章腫瘍循環器学

A 腫瘍循環器学の定義と課題

1 腫瘍循環器学とは

2 腫瘍循環器外来(Onco-Cardiology Unit)の実際

3 これからの腫瘍循環器学

B がん治療関連による心機能障害・不整脈

1 概念・定義

2 病態生理

3 診断とスクリーニング

4 治 療

C がん治療関連による血管障害

1 がん放射線療法

2 血管内皮増殖因子経路阻害薬

3 BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬

4 フッ化ピリミジン系薬剤

5 プラチナ製剤

6 プロテアソーム阻害薬

7 免疫チェックポイント阻害薬

D がんに伴う血栓塞栓症

1 概念・定義

2 疫 学

3 機 序

4 診 断

5 治 療

6 予 後

第11章生活習慣と心疾患

A 2型糖尿病

1 2型糖尿病の疫学

 a.糖尿病と大血管障害/b.糖尿病と不整脈/c.糖尿病と心不全

2 糖尿病性心筋症の病態と機序

 a.心筋細胞内カルシウム調節系の障害/b.RA系の亢進/c.酸化ストレスの増加/d.基質とエネルギー代謝の変化/e.ミトコンドリア機能異常/f.心臓毛細血管機能異常

3 糖尿病の治療

 a.運動療法/b.禁煙/c.栄養・食事療法/d.薬物療法

B 高血圧

1 疫 学

2 病態生理

3 診 断

 a.診断/b.リスク層別化/c.塩分量の評価/d.動脈スティフネスの関与/e.二次性高血圧(原発性アルドステロン症含む)

4 治 療

 a.治療のゴール/b.薬剤の選択と組み合わせ/c.腎動脈アブレーションの可能性

C 脂質異常症

1 概念・定義

2 病態生理

 a.高LDL-C血症/b.高TG血症/c.食後高脂血症/d.低HDL-C血症/e.リポ蛋白(a)/f.メタボリックシンドローム・2型糖尿病/g.慢性腎臓病/h.原発性脂質異常症

3 診断

4 治療

 a.生活習慣の改善/b.食事指導/c.薬物治療

D 現代人における栄養摂取の問題

1 わが国における食習慣と循環器疾患の関連─時代推移

2 栄養と栄養素─食事摂取基準

3 脂質摂取量と脂肪酸摂取バランス─脂肪酸摂取パターンの重要性

4 飲酒と循環器疾患─適量とは

5 ビタミン・微量元素と循環器疾患

6 食習慣の改善─どのように行うか

E スポーツと心疾患

1 運動不足による体への影響

2 運動とその効果

3 運動に対する心血管系反応

4 スポーツ心臓─診断と問題点

F 喫煙

1 喫煙はなぜ悪い

2 禁煙治療と禁煙プロトコール

G 貧血

1 貧血と循環器疾患

2 貧血の原因・病態に合わせた治療の重要性

3 治療方針と新しい治療の可能性

4 至適なヘモグロビン濃度

H 心臓リハビリテーション

1 心臓リハビリテーションとは

2 エビデンス

3 プログラム

4 運動療法

5 チーム医療

第12章特定患者の心疾患

A 高齢者

1 高齢者の定義

2 高齢者の併存疾患

3 高齢者心血管疾患の特徴

4 高齢者における栄養の問題

5 治 療

6 薬剤の問題

B 女性と妊娠

1 妊娠・出産における血行・循環動態の変化

2 妊娠中の血行動態評価

3 妊娠・授乳中の薬物治療

C 循環器疾患を持つ非心臓手術患者の管理

1 概 念

2 リスクの層別化

 a.緊急手術かどうか?(そうでなければbへ)/b.unstable cardiac conditionかどうかの判断(そうでなければcへ)/c.手術のリスクの評価/d.運動耐容能の評価/e.危険因子の評価

3 虚血性心疾患患者の周術期対応

 a.血行再建/b.薬物療法

4 PCI既往のある患者の周術期対応

 a.PCIの時期と手術時期の関係/b.抗血小板薬の休薬について

5 抗凝固薬の周術期対応

6 不整脈患者への周術期対応

7 弁膜症患者への周術期対応

第13章他臓器疾患による心血管疾患

A 内分泌異常と心疾患

1 甲状腺機能と心疾患

 a.甲状腺中毒症/b.甲状腺機能低下症/c.薬剤誘発性甲状腺機能異常

2 下垂体疾患と心疾患

 a.先端巨大症/b.Cushing症候群/c.下垂体機能低下症

3 副腎疾患と心疾患

 a.原発性アルドステロン症/b.褐色細胞腫・パラガングリオーマ/c.副腎不全

B 神経筋疾患と心疾患

1 筋ジストロフィ

 a.筋ジストロフィの病型/b.Duchenne型筋ジストロフィ/c.Becker型筋ジストロフィ/d.Emery-Dreifuss型筋ジストロフィ/e.筋強直性ジストロフィ/f.顔面肩甲上腕型筋ジストロフィ

2 ミトコンドリア病

 a.ミトコンドリア心筋症

C 自律神経と心疾患

1 たこつぼ心筋症

2 神経調節性失神

3 検査・診断

D 凝固異常症

1 止血血栓の形成と溶解

2 凝固反応と線溶反応の生理

3 凝固異常による疾患

E 慢性腎臓病

1 疫 学

2 機 序

3 心血管疾患のスクリーニング

4 慢性腎臓病と不整脈・弁膜症

5 治 療

6 造影剤腎症

第14章診察と検査

A 病歴と身体診察

1 病 歴

 a.呼吸困難/b.胸痛/c.動悸

2 身体所見の意義

3 問診で注意すべきこと

B 心電図

1 心電図の基本

2 心電図異常波形

3 運動負荷心電図

C 心エコー図

1 心エコー図検査の基本断面

2 心腔計測と収縮能

3 左室拡張能評価

4 冠動脈疾患と左室局所壁運動異常

5 心臓弁膜症

6 ストレイン解析

7 三次元心エコー

8 肺エコー

D 血管エコー

1 大動脈エコー

2 末梢動脈エコー

3 静脈エコー

4 腎動脈エコー

E 胸部単純X線

1 胸部X線像の基本

2 各撮影像で何が見えるか

3 どこに注意してどう読むか

4 各構造物による陰影の変化

5 肺野の見どころ

6 胸郭の変形やその他の所見

F MDCT

1 冠動脈CT施行件数増加の背景

2 冠動脈CTの適応

3 非造影心臓CTの評価

4 冠動脈CT評価の実際

5 FFR-CT

G 核医学検査・PET

1 心臓核医学検査の特徴

2 心筋虚血評価の役割

3 心筋虚血評価の重要性

4 心筋血流量(MBF)の定量的評価

5 分子イメージング

H MRI

1 シネMRI

2 遅延造影MRI

3 冠動脈MRA

4 負荷心筋パーフュージョンMRI

5 T1マッピング

6 feature tracking法

I カテーテル検査

1 準備と穿刺,カテーテル操作

2 血行動態評価

3 冠動脈造影

4 冠攣縮誘発試験

J 冠動脈内画像診断法

1 冠動脈の解剖学的評価

 a.血管内超音波(IVUS)/b.光干渉断層法(OCT)

2 冠動脈の生理学的評価

 a.血流予備量比(FFR)/b.瞬時血流予備量比(iFR)およびその他の安静時指標

K 心筋生検

1 適 応

2 手 技

3 結果の解釈

L 心肺運動負荷試験

1 目的・意義

2 各種運動負荷の特徴

3 方法・禁忌・中止基準

4 ランプ負荷中の生理学的応答とパラメータ

5 心臓弁膜症・肺高血圧症における意義

第15章臨床研究を実施する

A 臨床研究の計画

1 目的を立てる

2 研究デザインを考える

3 適格基準を考える

4 評価項目を考える

5 サンプルサイズを考える

B 臨床試験のエビデンスの解釈

1 ランダム化比較試験

 a.ランダム化比較試験の特徴と観察研究との違い/b.リアルワールドのためのRCTと観察研究の相補関係

2 リアルワールドデータの生かし方

3 レジストリーデータの生かし方

4 エビデンスレベルとガイドライン─Minds診療ガイドライン

5 今後の展望

索 引

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書籍情報

  • ISBN:9784830619670
  • ページ数:847頁
  • 書籍発行日:2021年3月
  • 電子版発売日:2021年3月19日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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