統計分析のここが知りたい

  • ページ数 : 228頁
  • 書籍発行日 : 2005年7月
  • 電子版発売日 : 2020年11月6日
¥2,750(税込)
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商品情報

内容

統計分析を行う研究者に必要なのは,データをどのような方法で分析し,その結果をどう解釈すれば良いのかを判断する正しい知識.本書は23の研究例をあげ,統計分析の基本的な考え方,注意点,結果の解釈方法を15章にわけて解説.「適切な被験者数を決める方法は?」「統計的に“有意である”の本当の意味は?」「この論文の書き方で,“信頼性”と“妥当性”をきちんと言えているのか?」等々,多くの研究者がもつ疑問を徹底解消.

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序文

まえがき

統計解析ソフトの普及により,誰でも手軽に統計分析ができるようになってきました.データを入力して分析法を指定すると,それが何についてのデータか,どのようなものを反映しているデータかなどに関わらず,統計解析ソフトは分析結果を出力してくれます.中には分析方法まで教えてくれるソフトもあります.

こうなってくると,統計分析を行う研究者に必要になってくるのは,自分のデータをどのような分析方法で分析すれば良いか,分析結果をどのように解釈すれば良いかを判断する正しい知識です.

本書は,おもに保健・看護学,心理学,教育学などの研究領域において利用されることの多い統計分析法について,その分析法の基本的な考え方と,分析結果の解釈の仕方を解説した本です.また,分析を行う際の注意点についても述べています.統計分析法を利用する多くの研究者,具体的には,卒業研究をする学生の皆さんや,病棟研究をする看護師さんたちをはじめ,大学院生,研究者の方々まで,広く読んでいただけると思います.本書には以下の特徴があります.

●研究に必要な姿勢や,研究計画書の作成などについて解説しています.通常の統計学や統計分析の本では,なかなかこういったことは語られないことです.

●質問紙を利用する研究,あるいは,心理的尺度を構成する研究においては大変重要であるにも関わらず,統計学のテキストでは不足しがちな信頼性・妥当性という概念や,調査票を作成する際の注意点などについて解説しています.

●多くの研究者が疑問を持つ「被験者はどれくらい集めればよいか」ということに対して,信頼区間というものを利用して被験者数を推定する方法を示しています.信頼区間の推定は医学系研究では必須となってきています.研究例でもなるべく信頼区間を示すようにしています.

●「統計的に有意である」とはどういうことかについて詳しく解説しています.被験者を多量に集めれば,実質科学的には意味のない結果でも「統計的に有意」とすることができてしまいます.統計的に有意であることと実質科学的に意味があることとを区別して考えることの必要性が痛感されるものと思います.

●各分析法について1つひとつ研究例を挙げ,分析結果の解釈を行っています.研究例はなるべく実際にありそうな例を挙げてありますので,皆さんが自分の研究計画を立てる際に参考になる例も見つかると思います.本書では,統計分析法の背後にある統計学の内容や細かい計算手続きについては,最小限の記述にとどめています.データに課される仮定などについて十分説明していないところもあります.しかしそれらは,本書がさまざまな統計分析法の基本的な考え方と,分析結果の解釈の仕方の解説に主眼を置いていることによります.統計学を理論的に教える本ではなく,統計分析法の実際を紹介している本だと思っていただいてよいと思います.

もちろん,統計学の内容や分析法のより詳しい理論について知る必要はないというのではありません.それらについても関心を持ち,本書を読んだ後に,巻末に挙げた参考文献などを読めば,さらに理解が深まります.本書の内容の一部は,Quality Nursing 誌上で行った2度の連載「再点検:心理的データの測定法(2000年4月〜9月)」と「統計学のここが知りたい(2004年6月〜12月)」ですでに公表していますが,この本では,それらの原稿をわかりやすく書き換え,また,大幅な加筆修正を行いました.信頼性,妥当性については,連載「再点検:心理的データの測定法」のほうが理論的には充実したものになっていますので,もしそれらに関心がある場合は,連載原稿も読んでみてください.

本書を書くにあたっては,岐阜大学医学部看護学科の竹内登美子教授にお力添えをいただきました.研究例として挙げたいくつかの研究テーマは,竹内先生たちとの共同研究からアイディアを得たものです.データはすべて人工的に作成したものですが,現実の研究テーマに即した研究例を提示することができました.東京大学大学院教育学研究科博士課程の大澤公一さんには,草稿に目を通していただくとともに,たくさんの貴重なコメントをいただきました.他にも多くの方々のお世話になり,本書は生み出されました.お世話になった皆様方に深く感謝申し上げます.


2005年7月

石井 秀宗

目次

1.研究するにあたって

1-1 研究計画をしっかり立てる

1-2 データの種類を考える

1-3 調査票の作成

2.これだけは知っておいて

2-1 統計分析は三平方の定理が大好き

2-2 全体とサンプル-母集団と標本

2-3 なんといっても代表値

2-4 散らばりも大事(1)-分散

2-5 標本分散と不偏分散

2-6 散らばりも大事(2)-標準偏差

2-7 標準偏差(SD)と標準誤差(SE)

2-8 関連を知りたいことも多い

3.被験者はどれくらい集めればよいか

3-1 対応のある2つの平均値を比較する場合の被験者数

3-2 対応のない2つの平均値を比較する場合の被験者数

3-3 3つ以上の平均値を比較する場合の被験者数

3-4 相関係数を推定する場合の被験者数

3-5 尺度を作る場合の被験者数

3-6 2つの比率を比較する場合の被験者数

4 データの収集と入力

4-1 データ収集で気をつけなければいけないこと

4-2 いざデータ入力

4-3 データ入力後のチェック

5.尺度を作る研究で必要なこと

5-1 信頼性と妥当性

5-2 信頼性係数の定義

5-3 信頼性係数の推定

5-4 妥当性の確認

6.因子分析

6-1 因子分析はたくさんの相関関係をコンパクトにまとめる

6-2 因子分析の方法

6-3 軸の回転

6-4 因子分析に関するいくつかの疑問

7.統計的分析の基本ツール

7-1 統計分析の種類

7-2 統計的検定の考え方

7-3 p値の正体

7-4 統計的推定の考え方

7-5 自由度とは

8.2つの平均値の比較

8-1 対応のある2つの平均値の比較

8-2 対応のない2つの平均値の比較

8-3 平均値の非劣性・同等性の検証

9.多数の平均値の比較

9-1 分散分析の基本的な考え方

9-2 多重比較法について

9-3 対応のある1要因の平均値の比較

9-4 対応のない1要因の平均値の比較

9-5 対応のない2要因の平均値の比較

9-6 対応のある要因と対応のない要因がある場合の平均値の比較

10.相関係数を用いる研究

10-1 相関係数の分析

10-2 相関係数におけるいくつかの注意点

11.回帰分析

11-1 回帰分析の基本的な考え方

11-2 単回帰分析を用いた研究事例

11-3 重回帰分析の考え方

11-4 重回帰分析を用いた研究事例

11-5 回帰分析におけるいくつかの注意点

12.共分散構造分析

12-1 共分散構造分析の基本的な考え方

12-2 モデルの適合度の比較

12-3 潜在変数間の相関を説明する因子を仮定したモデルによる分析

12-4 共分散構造分析におけるいくつかの注意点

13.分割表の分析

13-1 分割表と連関係数

13-2 2×2表の分析

13-3 一般の分割表の分析

13-4 分割表の分析におけるいくつかの注意点

14.順序分類データの比較

14-1 順序分類データと分類データの違い

14-2 対応のある2つの順序分類データの比較

14-3 対応のある3つ以上の順序分類データの比較

14-4 対応のない2つの順序分類データの比較

14-5 対応のない3つ以上の順序分類データの比較

14-6 順序分類データの分析におけるいくつかの注意点

15.比率の比較

15-1 比率と分割表

15-2 対応のある2つの比率の比較

15-3 対応のある3つ以上の比率の比較

15-4 対応のない2つの比率の比較

15-5 対応のない3つ以上の比率の比較

15-6 比率の非劣性・同等性の検証

付録.信頼区間の推定

A1.平均値の信頼区間

A2.対応のある2つの平均値の差の信頼区間

A3.対応のない2つの平均値の差の信頼区間

A4.相関係数の信頼区間

A5.比率の信頼区間

A6.対応のある2つの比率の差の信頼区間

A7.対応のない2つの比率の差の信頼区間

参考文献

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784830644603
  • ページ数:228頁
  • 書籍発行日:2005年7月
  • 電子版発売日:2020年11月6日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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