セラピストのための概説リハビリテーション 第2版

  • ページ数 : 272頁
  • 書籍発行日 : 2018年2月
  • 電子版発売日 : 2021年1月27日
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商品情報

内容

セラピストを目指す学生を対象とし,リハビリテーションを概観する.第2版では,教育リハビリテーションや発達障害,機器の活用に関する項目を加えるなどアップデート.リハビリテーションを,障害をもつ人々が持てる能力を十分発揮できるような医療や福祉的対応,生活環境整備,QOLの向上をはかることを大きな理念とした総合的方略と考えるべきであるという企画趣旨のもと,第一線で活躍するセラピストを中心に執筆いただいた.

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序文

序文

20世紀の医療には急激な科学技術の発展・進歩の結果,さまざまな病気の診断・治療技術および新しい薬物などにも開発・発展が見られた.その結果,それまで致命的であった疾病に苦しむ患者の延命が可能となった.これに公衆衛生の発展も加わり,多くの伝染病が予防できるようになった.しかし,その一方で,重度の後遺症や慢性的な疾患が治癒に至らず,永続的な機能障害を残す患者が増えるといった新たな問題も出現した.このような状況の中で,リハビリテーションはそれまでの医療の中心であった内科学や外科学等に代わる新たな「障害の医学」として台頭し,今日まで大きく発展してきたのである.

リハビリテーションは,障害をもつ人々が,身体的,精神的,職業的,教育的ならびに社会的に最適な機能水準に到達し,維持することを可能にさせ,それによってより高次な自立水準へ向けた生活を変化させる諸々のサービスを提供する一連のプロセスのことである.したがって,リハビリテーションを単に「機能回復訓練」や「社会復帰」としてとらえるのでなく,障害をもつ人々がその持てる能力を十分に発揮できるような医療や福祉的対応,生活環境の整備,人間としての生活の質(QOL)の向上をはかることを大きな理念とした総合的方略と考えるべきである.このようなリハビリテーションの理念を達成するには,医師をはじめとして多くの専門職のチームワークが不可欠である.それぞれの専門職は,その独自性を最大限発揮しながら,そのほかの専門職の役割・独自性を理解・尊重し,互いの情報交換をはかり,1つの目標に向かって協働していく.これがチーム医療の基本であるが,本書ではこの点に重点をおいたのが大きな特徴である.

本書は3部構成からなり,第1部はリハビリテーションの理念と目的,第2部はリハビリテーション専門職の役割と独自性,第3部はリハビリテーション医療の展開となっている.本書はリハビリテーションに将来かかわる理学療法士,作業療法士,言語聴覚士などセラピストの「卵」である学生を対象とし,リハビリテーションを概観する「教科書」として企画されたものである.そのために,リハビリテーションを理解する上で必要最低限度の知識・情報を,図表を多く活用しながら,平易な文章で説明し,学生諸君の理解を極力高めるように工夫した.そのため執筆者のほとんどが第一線で活躍するセラピストであるという点も本書の大きな特徴である.

本書がリハビリテーションを勉学する上で学生諸君の「頼りになる羅針盤」となり,広く愛読されることを願ってやまない.


平成21年10月

編集主幹 嶋田智明

目次

第1部 リハビリテーションの理念と目的

1.リハビリテーションとは

1.リハビリテーションとは

2.医療,障害に関連した意味でのリハビリテーションの幕開け(アメリカ,日本)

3.リハビリテーション理念に関連した思想

4.障害とは何か? 障がい者をどのように捉えたらよいのだろうか?

5.リハビリテーションの諸相

6.リハビリテーション医学の特徴

2. 疾病と障害構造

1.疾病の分類

2.国際障害分類(ICIDH)

3.国際生活機能分類(ICF)

3.障害を持った人をどう理解し,接するべきか

1.受傷と闘病

2.リハビリテーション

3.スポーツと私

4.社会復帰,転職

5.リハビリテーションスタッフへの提言

4. チームアプローチの意義と問題・展望

1.チーム医療とは?

2.チームアプローチの促進因子および阻害因子

第2部 リハビリテーション専門職の役割と独自性

1. 理学療法士

1.誕生・法的背景

2.誕生から現在までの足跡

3.リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性

4.養成課程

2. 作業療法士

1.誕生・法的背景

2.誕生から現在までの足跡

3.リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性

4.養成課程

3. 言語聴覚士

1.誕生・法的背景

2.誕生から現在までの足跡

3.リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性

4.養成課程

4. 医師

1.誕生・法的背景

2.誕生から現在までの足跡

3.リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性

4.養成課程

5. 看護師

1.誕生・法的背景

2.誕生から現在までの足跡

3.リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性

4.養成課程

6. 義肢装具士

1.誕生・法的背景

2.誕生から現在までの足跡

3.リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性

4.養成課程

7. 医療ソーシャルワーカー

1.誕生・法的背景

2.誕生から現在までの足跡

3.リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性

4.養成課程

8. 公認心理師(臨床心理士)

1.誕生・法的背景…

2.誕生から現在までの足跡…

3.リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性

4.養成課程

9. 介護福祉士

1.誕生・法的背景

2.誕生から現在までの足跡

3.リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性

4.養成課程

10. 精神保健福祉士

1.誕生・法的背景

2.誕生から現在までの足跡

3.リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性

4.養成課程

第3部 リハビリテーションの実際

[リハビリテーション医療における評価]

1.目的・意義・重要性・診断と評価はどう違うか

1.評価とは何か? なぜ重要なのか?

2.診断と評価.どこが違う?

[リハビリテーション医療における評価]

2.評価尺度・条件・治療プログラム立案

1.評価尺度

2.評価指標に求められる条件

3.治療プログラムの立案

[リハビリテーション医療の展開]

3.機能・構造障害に対するアプローチ

1.機能・構造障害とは

2.代表的な機能・構造障害

3.機能・構造障害に対するアプローチの実際

[リハビリテーション医療の展開]

4.活動制限に対する評価

1.日常生活活動(ADL)

2.ADL評価

3.ADL評価表

[リハビリテーション医療の展開]

5.活動制限に対するアプローチ

1.アプローチの原則

2.「できる活動」(能力)から「している活動」(実行状況)へ

3.活動を広げていくには

4.「活動」への不安を探る

5.活動を広げるための移動補助具

[リハビリテーション医療の展開]

6.参加制約に対するアプローチ

1.参加および参加制約

2.ICFにおける参加と参加制約

3.ICFにおける参加制約の評価

4.参加制約に対するアプローチの実際

[リハビリテーション医療の展開]

7.病院・施設でのリハビリテーション

1.リハビリテーションの目的

2.リハビリテーションの役割分担

3.リハビリテーションの過程

4.病院でのリハビリテーション

5.施設でのリハビリテーション

6.安全なリハビリテーションの提供のために

7.チームアプローチ…

[リハビリテーション医療の展開]

8.地域リハビリテーション

1.地域リハビリテーションとは何か

2.地域リハビリテーションにおける活動の実際

3.地域リハビリテーションと地域包括ケアシステム

[リハビリテーション医療の展開]

9.教育リハビリテーション

1.教育リハビリテーションとは?

2.特別支援教育とは?

3.障害のある子どもの学校や学級は?

4.指導(訓練)内容は?

5.指導する人は?

6.学校や学級の決定は?

7.特別支援教育を推進する取り組み

8.教育機関との連携における配慮

10.障害をもつ人の心理と専門職としての対応

1.障害をもつ人の心理

2.障害をもつ人の心理理解に役立つ理論

3.基本的対応とセラピストとしての心構え

4.専門職としての対応

5.社会生活と自立を支援する心理的対応

[リハビリテーションの対象疾患]

11.身体障害

1.中枢神経系疾患による障害の構造と基本的アプローチ(ICF例1〜6)

2.骨関節障害による障害の構造と基本的アプローチ(ICF例7〜11)

3.内部障害による障害の構造と基本的アプローチ(ICF例12〜13)

[リハビリテーションの対象疾患]

12.精神障害

1.精神障害とは

2.リハビリテーションの対象となる精神疾患

3.精神障害の構造と基本的なアプローチ

4.意識したい視点

[リハビリテーションの対象疾患]

13.発達障害

1.発達障害領域の障害構造

2.基本的アプローチの考え方

14. 社会資源の活用

1.社会資源に対する理解の必要性

2.社会資源の種類

3.社会資源の利用

15. リハビリテーション機器のイノベーション

1.リハビリテーション機器

2.治療場面におけるリハビリテーション機器

3.介護場面におけるリハビリテーション機器

4.リハビリテーション機器の活用に向けて

16. 関連法規

1.資格を規定する法規

2.医療に関連する法規

3.障害者福祉に関連する法規

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書籍情報

  • ISBN:9784830645648
  • ページ数:272頁
  • 書籍発行日:2018年2月
  • 電子版発売日:2021年1月27日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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