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ペリネイタルケア2022年夏季増刊 事例でまなぶ 助産師ができる周産期のメンタルヘルスケア

  • ページ数 : 256頁
  • 書籍発行日 : 2022年6月
  • 電子版発売日 : 2022年7月20日
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商品情報

内容

すぐに生かせる知識とケアを網羅した実践書

病態生理、各種ガイドライン、向精神薬といった基礎知識を踏まえて、妊産褥期を通した14事例から助産師によるスクリーニングやケアの実際を紹介。最新トピックス、対応のピットフォール、多職種連携のポイントについても解説し、知識とケアを体系立てて学べる。

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序文

はじめに


周産期は、新しい命の誕生を心待ちにして過ごし、そして出産、育児と、出来たての家族がスタートする大きな変化のときです。この時期、誰もが幸せの絶頂を過ごしているかというと、そうではないのです。2016年に日本産科婦人科学会で発表された妊産婦の自殺率は、出生数10万に対して8.7%、さらに、東京都23区で2005年からの10年間に自殺で亡くなった妊産婦は63人(うち妊娠中23人、産後1年未満40人)と報告されました。これは、周産期の出血などで死亡する割合の約2倍にも相当します。ここから、周産期のこころの医療が火急的に、そして、あらゆる関連組織で本格的にスタートしたのではないかと思います。

周産期のメンタルヘルスケアが重要な背景として、さまざまな状況が考えられます。妊娠期では、予想外の妊娠、つわりなどの体調不良、パートナーとのトラブル、生活困窮、もともと精神疾患を持っていた場合などあるかもしれません。また、産後は、不慣れな子育て、泣きやまない赤ちゃんに自分が泣きたくなることもあるでしょうし、赤ちゃんと2人だけの1日を過ごし誰とも話をしていない状況になって、笑顔でいられなかったり自分を責めてしまうこともあるでしょう。これまでの社会状況に加え、少子化や核家族化が進んでいること、就業から育児へのギャップ、さらにコロナ禍による閉塞感や孤立も関連しているかもしれません。この時期、全ての女性は優しいケアを受けることが重要です。

本書では、あらためて周産期のメンタルヘルスケアを取り上げています。なぜ周産期のメンタルヘルスケアが必要なのかということで、妊娠に伴う身体とこころの変化、そこに付随して起こるさまざまな影響など(ホルモン変化の影響については諸説ありますが)をまとめました。また、前述した衝撃の報告から5年を経て、組織を挙げての取り組みや対策がなされてきた、その集大成としての各ガイドラインについても解説しています。そして、周産期だからこそ気になる薬のこと、メンタルヘルスへのアプローチとしての対処法、最後に、多様な場面をどう支えていったかを示す事例集が本書の柱になっています。

新しく生まれる命が大切に育まれ、誰もが幸せになれるように、そして生きやすい社会になるように、「私たち助産師がいつもそばにいて、皆全力で支えているよ」というメッセージを伝えられたら幸いです。

最後に、執筆いただいた皆さまに、心から感謝します。そして、この結集された一冊がこれからのより良い未来につながることを確信しています。


長崎大学生命医科学域 教授 江藤宏美

目次

・はじめに

・編集・執筆者一覧

【第1章】周産期メンタルヘルスに詳しくなろう

A 周産期メンタルヘルスの病態生理

01 周産期の身体とこころ~産後うつ病のホルモン仮説 北村俊則・羽田彩子・大橋優紀子

02 精神疾患の種類と病態生理 西紋昌平・鈴木利人

03 ボンディング障害 齋藤知見

04 アタッチメント障害 渡辺久子

05 マルトリートメント(マルトリTM)が脳に及ぼす影響 友田明美

06 父親(パートナー)のメンタルヘルス 竹原健二

07 助産師の助産観が産婦の育児観に及ぼす影響 古宇田千恵

B 周産期メンタルヘルスに関するガイドライン

08 産婦人科診療ガイドライン:産科編2020 佐藤昌司

09 妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル改訂版 鈴木俊治

10 周産期メンタルヘルス コンセンサスガイド 鈴木俊治

11 精神疾患を合併した、或いは合併の可能性のある妊産婦の診療ガイド 下屋浩一郎

12 エビデンスに基づく助産ガイドラインー妊娠期・分娩期・産褥期2020 馬場香里

13 統合失調症薬物治療ガイドライン 根本清貴

C 周産期メンタルヘルスのくすり

14 妊産婦に使用される抗うつ薬・抗精神病薬 柳田俊彦

15 妊娠期の服薬指導 渡邉博幸

16 産後・授乳期の服薬指導 鈴木俊治

D 助産師の役に立つメンタルヘルス対処法

17 エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)ほか各種質問票によるスクリーニング 山下 洋

18 助産師による妊産婦のスクリーニングのコツ 立岡弓子

19 認知行動療法を基盤としたコミュニケーション 久保田智香・蟹江絢子

20 妊産婦の自殺防止策 重見大介

21 多職種連携地域母子保健システム「須坂モデル」 立花良之

22 周産期におけるマインドフルネスの活用 井上裕美

23 妊産婦が利用できる各種の社会的支援制度 鈴宮寛子

24 施策を生かした産後ケアへのアプローチ 島田真理恵

25 不眠に対する認知行動療法 岡島 義

【第2章】周産期メンタルヘルスの事例に学ぼう

26 長期入院中の妊婦のメンタルヘルスケア(切迫早産の場合) 山本智美

27 出産恐怖症(トコフォビア)の妊婦のケア 竹形みずき

28 出生前診断で重篤な胎児疾患が分かった妊婦・家族の支援 高橋雄一郎

29 ペリネイタルロスのグリーフケア 蛭田明子

30 NICU入院中の親への支援①~助産師による母乳育児支援を含めて 皆川沙織・滋田泰子

31 NICU入院中の親への支援②~臨床心理士の立場から 堀内ギルバート祥子

32 産後の多様な褥婦(シングル・外国人・障がい者など)の支援 小澤千恵

33 母乳育児継続に悩む母親へのメンタルヘルスケア~BSケアによる寄り添いの視点 寺田恵子

34 訪問助産師(精神科訪問看護)による産後のメンタルヘルスケア 山岸由紀子

35 育児困難や育児不安が強い産婦のケア 毛利多恵子

36 児童虐待防止へのアプローチ 錦井友美

37 多職種連携によるペアレンティング・サポート 相川祐里

38 パートナーの役割とメンタルヘルスケア 安藤哲也

39 周産期スタッフのメンタルケア 永田雅子

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書籍情報

  • ISBN:9784840476065
  • ページ数:256頁
  • 書籍発行日:2022年6月
  • 電子版発売日:2022年7月20日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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