ドクター富野の もっともわかりやすい CKD集中講義

  • ページ数 : 196頁
  • 書籍発行日 : 2022年1月
  • 電子版発売日 : 2021年12月29日
¥5,280(税込)
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商品情報

内容

CKDの概念やその原因となる代表的疾患の病態と治療について、研修医など若手臨床医にも理解しやすいよう平易な文章で解説。エビデンスと同時に著者の長年の経験に裏打ちされたエピソードも交えられ、多層的に学べる。

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序文

─ 序 文 ─


慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は,わが国に多く認められる疾患群である.CKD は一つの腎疾患を指すのではなく,ある一定の基準を満たしていれば,すべてCKDと診断されるので,患者数が増えていくのは当然ともいえる.CKDは,C( cause:原疾患)とG(glomerular filtration rate:糸球体濾過量),A(Albuminuria:アルブミン尿・蛋白尿)の値からステージ分類される(CGA 分類).診断そのものは,C(原疾患)さえしっかり診断できれば,難しいものではない.しかし,一度診断されたステージは固定されるものではなく,経過とともに変化する.ご自分のCKDステージをよく理解されている患者さんも多い.


一方,研修医や若手医師諸君にしてみれば,CKDのステージが決まるとそれだけで最終診断がついてしまったような感覚に陥っていることはないだろうか.Cについて,どこまで精査が進んだのか? 的確な画像診断や病理診断(腎生検)は行われたのか? Cとしては,糖尿病や高血圧,腎炎,多発性囊胞腎などが含まれているが,その進展や増悪には,加齢とともにメタボリックシンドローム(メタボ:肥満)や高尿酸血症,脂質異常症,喫煙,過剰飲酒,睡眠不足といった生活習慣の乱れが深く関わっている.Gは,血清クレアチニン値から求めた推算糸球体濾過量(eGFR)だけでよいのか? ほかに調べるべきマーカーはないのか? Aでいえば,24時間蓄尿でのアルブミンや蛋白の測定は必要ないのか?─このように,考えなければならないことは多い.つまり,CKDと診断したあとの深みのある診療が求められる.


次いで,CGA分類をもとに治療をどのように進めていくかが重要である.現在,国内・外で各腎疾患の診療ガイドラインが刊行され,それらに従った根拠に基づく医療「Evidence Based Medicine (EBM)」がなされている.これらガイドラインは,多くの患者さんのデータをもとに作成され定期的な改訂がなされており,信頼のおけるものになっている.しかしながら,患者さん個々の臨床経過や病状に合ったガイドラインを作ることは難しいことである.そこで,CKD診療において医師はEBM を行うのが基本であるが,目の前にいる患者さんに合わせた,いわゆる“オーダーメイド医療”や経験に基づいたExperience Based Medicineを取り入れていくことも大切である.


これまでCKDに関する教科書・解説書は数多く出版されてきたが,今回あえて『ドクター富野のもっともわかりやすいCKD集中講義』を刊行した.その意図は,腎臓専門医の立場から,CKDと急性腎障害(acute kidney injury:AKI)の概念および,健康とCKDの関連について触れたうえで,CKDの原因となる代表的疾患の病態と治療について,研修医を中心とした若手臨床医に知っていただきたいと思ったからである.治療については,ガイドラインを取り上げ,著者の経験も含めながらわかりやすく記載した.しかし本書では,CKDから末期腎不全に進展したあとの腎代替療法や保存的腎臓病療法(Con servative Kidney Management:CKM),CKDにより発症・合併する心血管疾患(car diovascular disease : CVD)については十分に記載されていないので,拙著『血液透析の理論と実際』(中外医学社)などをご参照いただきたい.


研修医や若手医師諸君が将来どのような専門分野に進まれようとも,CKDとのかかわりは続くと思われるので,本書は皆さんに末永く活用していただける解説書になっていると自負している.しかし,執筆には過不足があろうかと思われるので,皆さんの忌憚のないご意見をお待ちしています.


最後に,本書の出版にご尽力いただいた渡辺嘉之社長はじめ総合医学社の皆さんに厚くお礼申し上げます.


2021年初冬
新型コロナウイルス感染症の終息を願って
富野康日己

目次

総 論

 慢性腎臓病(CKD)とは? 慢性腎不全(CRF)とは?

●定義・疾患概念

●分類・原因

●病態生理・病理

●症 状

●診 断

●治 療

●FAQ 〜ドクター富野と研修医の病棟での会話!〜

 急性腎障害(AKI)とは? 急性腎不全(ARF)とは?

●定義・疾患概念

●分類・原因

●病態生理・病理

●症 状

●診 断

●治 療

●腎代替療法とは?

●FAQ 〜ドクター富野と研修医の病棟での会話!〜

 健康と慢性腎臓病(CKD)

●健康とは?

●病気への対応は?

●ブレスロー先生の7つの健康習慣とは?

●生活習慣病としての慢性腎臓病(CKD)

各 論 〜腎臓専門医が伝える慢性腎臓病(CKD)〜

 糖尿病性腎臓病 diabetic kidney disease(DKD) 糖尿病腎症 diabetic nephropathy(DN)

●定義・疾患概念

●病態生理

●症候(症状)・検査所見

●糖尿病腎症の診断基準・分類

●糖尿病腎症と糖尿病性腎臓病の違い

●治 療

●FAQ 〜ドクター富野と研修医の病棟での会話!〜

 腎硬化症 nephrosclerosis(NS)

●腎臓も血圧と深い関係をもつ?

●腎硬化症の病態に関与する因子

●良性腎硬化症 benign nephrosclerosis

●悪性腎硬化症 malignant nephrosclerosis

 IgA腎症 IgA nephropathy

●定義・疾患概念

●病態生理

●症候(症状)・検査所見

●病理診断基準

●治 療

●腎臓専門医への紹介前

●腎生検を依頼するときどうするの?

●FAQ 〜ドクター富野と研修医の病棟での会話!〜

 多発性囊胞腎 polycystic kidney disease(PKD)

●定義・疾患概念

●病態生理

●症候(症状)・検査所見

●合併症

●治 療

●FAQ 〜ドクター富野と研修医の病棟での会話!〜

 ループス腎炎 lupus nephritis(LN)

●定義・疾患概念

●病態生理

●症候(症状)・検査所見

●診断基準と予後

●治 療

 急速進行性糸球体腎炎 rapidly progressive glomerulonephritis(RPGN)

●定義・疾患概念

●病態生理

●症候(症状)・検査所見

●診断基準

●治 療

 ネフローゼ症候群 nephrotic syndrome

●定義・疾患概念

●病態生理

●症候(症状)・検査所見

●治 療

●難治性ネフローゼ症候群とは?

●FAQ 〜ドクター富野と研修医の病棟での会話!〜

 痛風腎(高尿酸血症による腎障害) gouty kidney

●定義・疾患概念

●病態生理

●症候(症状)・検査所見

●治 療

 尿細管間質性腎炎 tubulointerstitial nephritis(TIN)

●定義・疾患概念

●病態生理

●症候(症状)・検査所見

●治 療

●薬剤性腎障害とは?

 腎機能低下時に注意する薬剤

●NSAIDs

●抗菌薬

●RA 系抑制薬

●造影剤

 末期腎不全(保存期・透析期)の薬物療法

●腎性貧血の管理:薬剤の選択

●血清 Ca・Pの管理

●血清 Kの管理

●代謝性アシドーシスの管理

●尿毒素(uremic toxin)の管理

●CKDステージ4・5患者さんへの心のケア

●CKDステージ5D(血液透析療法)患者さんへのケア

 腎機能低下時の使用禁忌薬剤

●CKDステージ1〜2

●CKDステージ3〜5

 附則:医療スタッフが患者さんに説明するうえで必要な新型コロナ感染症(COVID-19)についての最低限の知識

●新型コロナ感染症(COVID-19)とは?

●透析患者での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は?

●医療スタッフができる新型コロナ感染症(COVID-19)対策は?

●これまでよく聞かれる情報から私たちができる対策

●是非守りましょう!

●日ごろの注意点


参考文献

索 引

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書籍情報

  • ISBN:9784883784561
  • ページ数:196頁
  • 書籍発行日:2022年1月
  • 電子版発売日:2021年12月29日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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