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実験医学別冊 創薬研究のための相互作用解析パーフェクト~低中分子・抗体創薬におけるスクリーニング戦略と実例、in silico解析、一歩進んだ分析技術まで

  • ページ数 : 368頁
  • 書籍発行日 : 2021年12月
  • 電子版発売日 : 2021年12月2日
¥9,900(税込)
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商品情報

内容

創薬研究で肝となる相互作用解析の決定版的プロトコール集!多様な解析法の物理化学的な原理から実験のポイントまで丁寧に解説.AlphaFoldやクライオ電顕などを用いた立体構造から迫るアプローチも紹介.

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序文

生命科学研究はゲノム解析から進展し,相互作用の観点ではオミクス研究からインタラクトローム解析へと進んできている.しかしながら,結合するかしないかというシンプルなレベルでの理解だけでは,説明のつかないイベントが実際には生命現象を制御している.すなわち,生命科学は,生命現象について物理・化学的描像を与えただけでなく,システムとしての理解の重要性と難しさを浮き彫りにしたのである.

このような背景のもと,標的とする生命現象を支配する生命分子相互作用がどのような種類であるかをより精度よく理解できることが可能となり,またそれが必須となってきている.さらに,新たな分子の創生には最先端の分析技術が必須であり,量的にも質的にも解析可能な技術の開発がますます進むであろう.

最近の著しい技術開発として,例えば,クライオ電子顕微鏡解析,立体構造予測法AlphaFold2 といった革新的な進展は,生命科学研究の進め方に大きな影響を及ぼしている.これらをキャッチアップすることも重要である.

他方,物理化学的解析の基本は変わらず,正しく速度論的・熱力学的側面を解明することになる.さらに立体構造解析,特に動的な挙動の理解を組み合わせることは重要である.これらのアプローチの組み合わせは,以前は,時間も手間もかかり,方法論として十分ではなかったが,いまや基礎研究はもとより,健康・医療に資する創薬・医療工学にも直結するようになってきているのである.これは,新型コロナウイルスによるパンデミックに対して,治療薬の開発に相互作用解析が大きく貢献していることからも明らかである.加えて,これらの情報が高度に蓄積され,データベースの充実が進むと同時に,コンピューターベースでの多元的シミュレーションが進むことで,実際の実験を再現できる予測法も発展していくことは想像に難くない.

本書は,このような背景のもと,生命現象の本質的な理解のために特に重要な,生命分子の相互作用解析について,物理化学的な解析方法にはじまり,高次構造解析,さらには各種情報科学的な方法論について,現状をまとめたものである.現時点でのフロンティアを集結させたと自負しているが,不十分な点があるとすれば,編者の責任である.読者の忌憚ないご意見を頂戴できれば幸甚である.

最後に,本書の編集にあたり,長期間にわたり辛抱強く対応いただいた,羊土社編集部の山口恭平氏,中山理央氏にこの場をお借りして御礼申し上げたい.本書が,最先端生命科学の進展,次世代の健康・医療戦略に貢献することを願っている.


2021年10月

津本浩平
前仲勝実

目次

第1章 創薬における相互作用解析のスタンダード

Ⅰ 低中分子創薬

1 低分子・中分子創薬における相互作用解析ナビ【前仲勝実】

2 SPRを用いた低分子化合物のスクリーニング【長門石曉,津本浩平】

3 SPRを用いたヒットバリデーション,最適化のためのキャラクタリゼーション【古川 敦,三谷知也】

4 示差走査型蛍光定量法を用いたタンパク質熱安定性解析のスクリーニング【野村尚生】

5 等温滴定型カロリメーター(ITC)を用いた分子間相互作用の熱量評価【長門石曉,津本浩平】

6 マイクロスケール熱泳動法(MST)を用いた分子間相互作用解析【長門石曉,津本浩平】

7 蛍光偏光測定【菊川峰志,尾瀬農之,金城政孝】

8 フラグメント創薬(FBDD)のための溶液NMR実験法【古板恭子,児嶋長次郎】

Ⅱ 抗体創薬

9 抗体創薬における相互作用解析ナビ【津本浩平】

10 シングルセルPCRによるモノクローナル抗体作製法【登内奎介,小野寺大志,高橋宜聖】

11 ファージディスプレイ法を用いた一本鎖抗体の改変【山内聡一郎,小橋川敬博,佐藤卓史,森岡弘志】

12 SPR法を用いた抗体創薬における分子間相互作用解析【黒木喜美子】

13 等温滴定型熱量計(ITC)を用いた相互作用の熱力学的解析【田所高志】

14 BLI(バイオレイヤー干渉法)を用いた抗体エピトープ解析【新山真由美,永田諭志,鎌田春彦】

15 水素-重水素交換質量分析(HDX-MS)実験法による相互作用部位の解析【児玉高志,児嶋長次郎】

16 会合凝集体の検出【木吉真人,柴田寛子,石井明子】

17 SEC-MALSを用いた生体分子の多量体解析【齋尾智英】

18 示差走査型カロリメーター(DSC)を活用した抗体の熱安定性解析【中木戸誠,津本浩平】

19 抗体の立体構造予測と抗原とのドッキング計算【黒田大祐,津本浩平】

第2章 インフォマティクスによる相互作用解析のスタンダード

1 タンパク質アミノ酸配列からの立体構造予測【富井健太郎】

2 タンパク質-タンパク質ドッキング計算による構造予測と相互作用予測【黒田大祐,津本浩平】

3 計算による低分子ドッキング・薬物スクリーニング【福西快文,棚橋 航,真下忠彰,中村寛則】

4 MDシミュレーションによるリガンド結合解析【重田育照】

5 フラグメント分子軌道法に基づく分子間相互作用解析【田中成典】

6 創薬等に役立つインターネット上のデータベース【由良 敬,鈴木博文,栗栖源嗣,川端 猛,木下賢吾,白井 剛,土方敦司,田之倉優】

第3章 ひとつ進んだ相互作用の理解をめざして

1 X線結晶構造解析の流れとポイント・コツ【千田美紀,千田俊哉】

2 クライオ電子顕微鏡で弱い相互作用の複合体構造を解析するための戦略【岩崎憲治,大橋正隆,廣瀬未果,禾 晃和】

3 X線自由電子レーザーを用いたタンパク質の構造解析【島村達郎】

4 生体高分子溶液試料の小角X線散乱解析(BioSAXS)【清水伸隆】

5 高速原子間力顕微鏡によるタンパク質間動的相互作用の一分子計測【内橋貴之】

6 超遠心分析沈降速度法による分子間相互作用解析【丸野孝浩,内山 進】

7 Native-MSによる分子間相互作用解析【西海遥夏,石井健太郎,内山 進】

8 創薬分野におけるAIの活用【長尾知生子,李 秀栄,水口賢司】

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書籍情報

  • ISBN:9784758122566
  • ページ数:368頁
  • 書籍発行日:2021年12月
  • 電子版発売日:2021年12月2日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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