安全で効果的な腹水治療

  • ページ数 : 136頁
  • 書籍発行日 : 2025年1月
  • 電子版発売日 : 2025年2月18日
¥3,960(税込)
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商品情報

内容

◆肝硬変や癌に伴う大量腹水は強い苦痛症状を伴うにもかかわらず、これまで積極的な治療がされてきませんでした。
◆そんななか、KM-CART®システム・技術を利用することで安全な大量腹水ドレナージが可能に!
◆KM-CART®の仕組みから、ドレナージの手技、術前・術後の管理や、看護師・臨床工学検査技師との連携までをまとめた、11,000件以上の「大量ドレナージ」の経験を持つ著者にしか書けない、腹水治療の最前線の1冊です。

序文

序文

肝硬変や癌の進行期に伴う大量腹水は腹部膨満感や,呼吸苦などの強い苦痛症状を伴うため,治療の中止につながり,患者の生きる希望を奪ってしまう。“腹水は抜いてもすぐ溜まる,抜くと弱る!”がいまの医療界の常識で,これまで積極的に腹水に対する治療が行われてこなかったために大量の腹水で苦しみながら旅立っていく患者が多数存在するのが現状である(図)。

日本では,1981年に日本独自の難治性腹水治療法として腹水濾過濃縮再静注法(Cell-free and concentrated Ascites Reinfusion Therapy;CART)が保険承認されたが,臨床医には“CARTは効果に乏しい上に副作用が強い”と認識されており,普及していない。そんななか,筆者は2008年に,心臓外科医時代の人工心肺ならびに濾過膜の研究と病理医・消化器外科医時代の癌治療・研究の経験を活かし,大量の癌性腹水も安全かつ迅速に処理可能な改良型の腹水治療システム〔KM(Keisuke Matsusaki)-CART®システム〕と,安全な大量腹水ドレナージを可能にした循環管理術(KMCART®技術)を考案した。そして2011年,“腹水は抜くと弱る”という世界の医療常識を変えるために,腹水治療を専門で行う世界初の「腹水治療センター」を東京・要町病院に立ち上げた。

以来,2009年に立ち上げたCART研究会(2024年,日本CART研究会に名称変更)の臨床研修会や学会発表,講演会などでKM-CART®による積極的腹水治療の必要性と有効性を発信してきたが,志を同じくする多くの医療者に恵まれて全量ドレナージ+KM-CART®の輪が徐々に広がってきている。現在,要町病院腹水治療センターには腹水で苦しむ多くの患者が全国から来院しており,腹水治療専任医として看護師,臨床工学技士と協力して個々の患者の病態,腹水性状に応じたオーダーメイドの腹水治療をこれまで11,000例以上に対し,一度に最大40.1Lをドレナージして安全かつ効果的に施行している。

CARTは患者の要望の高まりに伴い多くの施設(全国約2,000施設)で行われるようになってきているものの,医師も含めてCARTに携わる医療者に対する基本的な教育がなされておらず,臨床工学技士が装置の操作方法のみ教えられて画一的な腹水処理が行われているのが現状である。“CARTは効果に乏しい上に副作用が強い”と臨床医が認識し,患者に勧めるべき治療ではないとされている最大の理由である。

本書では,筆者のこれまでの様々な治療経験から“安全で効果的なCART”,“患者に喜んでもらえるCART”の実践に必要なポンプや膜の特性などのCARTの基本知識,術前診察・検査から腹水ドレナージ,濾過濃縮,点滴静注,退院時指導までの知識と技術に私が日頃気をつけているちょっとしたコツを加えてわかりやすく解説した。本書が医療者ならびに医療関係者がCARTを学ぶ一助になり,筆者の夢である腹水で苦しむ患者“腹水難民 ”がいなくなる世界の実現につながれば幸いである。


2024年12月

日本CART研究会 事務局長/要町病院腹水治療センター センター長
松﨑圭祐

目次

1章 腹水の基本知識

2章 腹水治療の歴史

3章 従来型CARTシステムの問題点

4章 改良型CART:KM-CART®(システム&技術)の誕生

5章 KM-CART®の実際

6章 癌患者へのKM-CART®

7章 肝硬変患者へのKM-CART®

8章 その他疾患(心・腎不全,ネフローゼ症候群など)へのKM-CART®

9章 在宅でのCARTの現状

10章 今後のCARTの展開

11章 巻末資料

12章 参考文献

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書籍情報

  • ISBN:9784784973958
  • ページ数:136頁
  • 書籍発行日:2025年1月
  • 電子版発売日:2025年2月18日
  • 判:B5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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