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弁膜症診療の“キモ“がわかる 徹底討論! ハートバルブ・カンファレンス

  • ISBN : 9784758319676
  • ページ数 : 284頁
  • 書籍発行日 : 2021年3月
  • 電子版発売日 : 2021年4月30日
  • 判 : A5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
販売価格 (ダウンロード販売)
¥6,820 (税込)
ポイント : 124 pt (2%)

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商品情報

ガイドラインの隙間を埋め、患者にベストな治療方針を探る!

ハートチームとして何をどのように見ていけば方針決定に至るのか,最新ガイドラインに沿って実践的に解説。
弁膜症を中心に,基礎知識とハートチーム内での治療方針選択についての症例検討を提示し,診断・治療に関する画像や動画とともに,チームとして何をどのように見ていけば方針決定に至るのか,ポイントを示しながら実践的に解説。「2020年版 弁膜症治療のガイドライン」(日本循環器学会)に準拠し,多様な症例におけるガイドラインの活かし方はもちろん,ガイドラインが適応できない場合の考え方や対処法も提示する。
また方針決定後の治療結果・経過も記載し,全体を総括して決定した方針の是非を評価できる構成。最後に囲み記事「治療方針決定のための要のルール」により治療方針決定のためのポイントを示す。検査・治療法の選択肢が広がる中で,ハートチームに関わる研修医や初学者,メディカルスタッフから,中堅の循環器内科医,心臓血管外科医まで役立つ構成・内容となっている。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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PCブラウザ閲覧では動画再生には対応しておりません。

■ 序文


ハートチームによる治療方針の決定が,欧州の学会で推奨されるようになって10年余りが経過した。当初は,interventionist によって決定されていた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の適用に,透明性を確保するためチームとして協議することが提唱されたものであった。しかし近年における弁膜症の増加とともに,ハートチームによる意思決定プロセスが,むしろ弁膜症分野においてより重要性を増しているように思われる。2020 年に改訂されたわが国の「弁膜症治療のガイドライン」は,欧米のガイドラインの“Heart Valve Team”に倣って,弁膜症分野に高い専門性を有するハートチームを特に「弁膜症チーム」と称し,このチームによる治療方針の決定を強く推奨している。本書は,まさにこのような流れの中で,ハートバルブ・カンファレンスをモチーフにして企画された最初の書籍である。

そもそも弁膜症チーム内で治療方針の検討を必要とするケースは,ガイドラインに則ってクリアカットに判断できない複雑な病態の重症患者であることが多い。患者の高齢化に伴って弁膜症が重症化していることが多く,加えて並存疾患やフレイルの合併が少なくないため,治療方針の選択には,これらを正確に評価し対応できる高い専門性をもつメンバーの参加が欠かせない。そして外科手術か,経カテーテル手術か,あるいは内科治療かの最終的な選択には,患者の生活事情・個人的な希望をも考慮したうえで,最も適切な治療方針が検討される。その一方で,まったく逆に軽症患者に対して侵襲的治療を早期に導入するケース,すなわち無症状患者に対する早期の僧帽弁形成術の是非については,外科医が我田引水的に手術を決定するのではなく,内科医やinterventionist のコンセンサスが必要であろう。ガイドラインが掲げる早期手術を推奨する条件が満たされていることをチームとして確認できるような相互理解と信頼関係がなければ,本来のチーム・アプローチにはならないと考えるからである。

本書は,このような患者個々人に対するチーム・カンファレンスの内容を会話形式にし,症例提示に用いたデータ(画像,動画など)を多数取り入れて,より実践的な形で再現したものである。さらに,「治療方針決定の評価!」と「治療方針決定のための要のルール!」を箇条書きにしてまとめ,読者諸氏にはチーム・アプローチのポイントとして参考にしていただけるよう工夫した。本書に取り上げた各症例のチーム・アプローチのすべてが必ずしも規範となるものではないが,各施設において弁膜症チームの治療方針検討の際の一助になれば望外の喜びである。


2021年2月

関西医科大学特命教授/聖路加国際病院心血管センター顧問
川副浩平

■ 目次

略語一覧

執筆者一覧

序 知っておきたい心臓の基本構造 -弁膜と線維骨格-/川副浩平

Ⅰ 徹底討論!大動脈弁症例を解き明かす

大動脈弁症例を読み解くためのキモ!-診断・治療に必要な基礎知識のチェック- /泉 知里

Case 1 LVEFが低下したmoderate AR(ARに介入するかどうか)/ 三宅 誠

Case 2 Severe ARに高度左室機能低下を伴う若年症例に対する大動脈弁置換術を施行する? 施行時の人工弁は生体弁? 機械弁?/天野雅史・泉 知里

Case 3 無症候性severe AS:どのように症状を定義するか(高齢者では活動性が下がるので決めにくい) /長谷川宏子・渡辺弘之

Case 4 LVEFが低下した低流量低圧較差ASをどう治療するか/三宅 誠

Ⅱ 徹底討論! 大動脈弁+虚血性心疾患症例を解き明かす

大動脈弁+虚血性心疾患症例を読み解くためのキモ! -診断・治療に必要な基礎知識のチェック-/古堅 真・渡邉 望

Case 1 3VD+moderate ASで高度大動脈アテローマ(CABG+SAVRまたはoff pump CABGのみ) /岡田 厚・泉 知里

Case 2 高齢者の症候性severe ASに発症した急性心筋梗塞(PCIとTAVI/BAVでどう治療するか)/古堅 真・渡邉 望

Case 3 虚血で低心機能のsevere AS(虚血とASどちらを先に治療すべきか, それぞれカテ治療か開胸術か,治療の至適時期など決定困難例が多い)/ 石橋健太・渡辺弘之

Case 4 症候性severe ASに発症した急性心筋梗塞+虚血性MR(PCIか,緊急手術か)/西野 峻・渡邉 望

Ⅲ 徹底討論!僧帽弁症例を解き明かす

僧帽弁疾患を読み解くためのキモ!-診断・治療に必要な基礎知識のチェック- /川副浩平

Case 1 労作時息切れを伴うmoderate MRの手術適応(sinus rhythm例)をどうする? /仲井えり・川副浩平

Case 2 労作時息切れを伴うmoderate MRの手術適応(慢性心房細動例)をどうする? /谷口直樹・川副浩平

Case 3 労作時息切れを伴うmoderate MRの手術適応(mild MS合併例)をどうする? /細野光治・川副浩平

Case 4 Moderate MRに発作性心房細動を合併したらどうする? /林 秀幸・阿部幸雄・渡辺弘之

Case 5 僧帽弁逸脱のうっ血性心不全+発作性上室頻拍(緊急手術)/西野 峻・渡邉 望

Case 6 Barlow症候群のsevere MR:無症状・左室機能正常・肺高血圧なし(早期手術の対象とすべきか)/西野 峻・渡邉 望

Case 7 2度の開心術後の僧帽弁逸脱(複雑病変)による両心不全(開胸手術か,MitraClipⓇか)/木村俊之・渡邉 望

Case 8 心房中隔欠損術後遠隔期の心不全(MRと収縮性心膜炎)/諏訪惠信・川副浩平

Ⅳ 徹底討論!機能性僧帽弁逆流症例を解き明かす

機能性僧帽弁逆流症例を読み解くためのキモ!-診断・治療に必要な基礎知識のチェック- /村石真起夫・渡辺弘之

Case 1 Poor LVで機能性MRの再発(再手術で心不全が解決する?)/西畑庸介・川副浩平

Case 2 機能性MRはいつ治療するか(すべての治療に抵抗するまで待つことは本当に患者のためになるか) /村石真起夫・渡辺弘之

Ⅴ 徹底討論!三尖弁症例を解き明かす

三尖弁症例を読み解くためのキモ!-診断・治療に必要な基礎知識のチェック-/太田光彦・渡辺弘之

Case 1 単独TRで利尿薬が有効なうちに手術を施行した症例/太田光彦・渡辺弘之

Case 2 労作時息切れを伴うsevere TR(COPD合併例)(手術でどこまでよくなる?)/細野光治・川副浩平

Ⅵ 徹底討論!連合弁膜症症例を解き明かす

連合弁膜症症例を読み解くためのキモ!-診断・治療に必要な基礎知識のチェック- /泉 知里

Case 1 Marfan症候群症例における大動脈基部拡大に対する手術時に,Barlow症候群を合併する僧帽弁に対する手術介入を追加するか?/天野雅史・泉 知里

Case 2 Severe AS+MAC MS moderate AS単独(TAVI or SAVR)か,SAVR+MVRか? /岡田 厚・泉 知里

Case 3 ASとMSを合併したときの治療戦略はわからないことが多い /加藤奈穂子・渡辺弘之

Ⅶ 徹底討論!感染性心内膜炎症例を解き明かす

感染性心内膜炎症例を読み解くためのキモ!-診断・治療に必要な基礎知識のチェック-/木村俊之・渡邉 望

Case 1 感染性心内膜炎と脳梗塞,脳出血(古典的課題だが,症例ごとに検討が必要) /妹尾麻衣子・渡辺弘之

Case 2 感染性心内膜炎と妊娠(どこまで妊娠継続可能か,次の手を考えるのはいつかが難しい)/江口紀子・渡辺弘之

Case 3 開頭術を先行して施行した2症例(感染性心内膜炎に合併する脳梗塞は変貌する) /仲井えり・川副浩平


索引

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