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消化器クリニカルアップデート 2020年8月号(Vol.2 No.1)【特集】これだけは知っておきたい消化管疾患の診断・治療

  • ページ数 : 152頁
  • 書籍発行日 : 2020年8月
  • 電子版発売日 : 2022年6月1日
¥3,850(税込)
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商品情報

内容

特集 これだけは知っておきたい消化管疾患の診断・治療
大腸腫瘍におけるCSP とunderwater EMR の適応とコツ/消化器内科医も知っておくべき免疫チェックポイント阻害薬の作用機序とエビデンス/消化管における慢性炎症 ほか

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序文

序文

消化器クリニカルアップデートVol.2 の特集は「これだけは知っておきたい消化管疾患の診断・治療」として消化管疾患の診断・治療の現状とその病態についてわかりやすく解説していただきました。消化管疾患の診断・治療となると癌診療に注目しがちですが,実は外来においては癌以外の疾患,特に機能性疾患の方が圧倒的に多いことは皆さんご承知の通りだと思います。また,各種薬剤の登場で炎症性腸疾患(InflammatoryBowel Disease:IBD)の治療戦略も様変わりしました。そして,消化管の機能性疾患やIBDは慢性炎症との関連が示され,病態を考える上では重要です。

まず,特集1 では,器質的疾患である大腸ポリープに対してすでに広く一般化している手技であるcoldsnare polypectomy やunderwater EMR の適応とコツを解説いただいた。9mm までの癌を疑わない病変に対してはcold snare polypectomy,10 〜20mm の病変に対してはunderwater EMR が便利で確実な治療として示されました。特集2 では,消化器内科医が日常診療で使用する免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1 抗体であるニボルマブとペムブロリズマブについて解説いただいた。免疫チェックポイント阻害薬は抗腫瘍免疫応答をうまく利用した薬剤で,有効な場合は非常に高い抗腫瘍効果が得られます。しかし,その使用にあたっては作用機序と免疫関連有害事象の理解が必要であることなど,実臨床での使い方について分かりやすく示しています。日常の内視鏡診断において,特に初学者にとっては見逃さない内視鏡検査は最重要課題だと思います。特集7 では,Linked color imaging が白色光と比較して胃炎分類,胃癌や大腸腫瘍の発見・診断の有用性,潰瘍性大腸炎の粘膜治癒の評価や予後予測の有用性が報告されていることなど診断の助けとなる技術を示していただいた。

消化管の最も重要な生理機能は,食餌を消化吸収し生命維持に必要な成分に変換することです。食餌の情報をモニターし,最適な消化管の状態を作り出すために神経細胞や内分泌細胞が介在しています。また,神経やホルモンの指示を受けて消化液を分泌する外分泌細胞が存在しています。つまり,これらの機能によって自己を消化するリスクにさらしながら,非自己である食餌をエネルギーに変換する過程で免疫応答を抑制しています。また,蠕動とそれを可能とする筋層・神経系は哺乳類の消化管に共通した機能です。これら複雑な構造あるいは生理機能を理解することは消化管疾患の病態の解明に重要です。また,外界と交通しているヒトの消化管には500 種以上,数にして1,000 兆個におよぶ細菌が棲みつき,非自己である常在細菌叢を形成し免疫寛容が成立しています。つまり,消化管は腸内細菌叢の助けをかりながら(というより合わせて超生命体:superorganism と表現しても良い)消化吸収の促進,蠕動運動,エネルギー産生,物質代謝の調節,感染防御,免疫能活性化など多くの作用を有する臓器です。この微妙な関係が破綻(dysbiosis)すると様々な病態が惹起されると考えられています。特集3 では,消化管における慢性炎症をIBD と過敏性腸症候群を例にとって腸内細菌との関連も含めて解説して頂きました。腸管における慢性炎症が持続している疾患であるIBD に対する分子標的治療戦略(特集4)を病因・病態から理解する一助となると思います。また,消化器内科の外来ではPPI 抵抗性GERD,非びらん性胃食道逆流症(non-erosivereflux disease:NERD)(特集5)や便秘(特集6)を有する患者に多く遭遇します。彼ら/ 彼女らを診察するときに知っておくべき常識と最新の知見についても取り上げました。特に慢性便秘症はガイドラインが発刊され消化器科専門医は慢性便秘症のコンサルト先となります。新薬もここ数年で登場してきており病状分析と適切な薬剤選択は必須の知識となってきています。

今回の特集が,読者の皆様の今後の診断・治療に役立ち,研究のヒントとなれば幸いです。


後藤田卓志
日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野

目次

トピックス

消化器癌におけるがんゲノムプロファイリング検査の活用

国立がん研究センター中央病院消化管内科 平野 秀和,他

特集  これだけは知っておきたい 消化管疾患の診断・治療

序文

日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野 後藤田卓志

1)大腸腫瘍におけるCSP とunderwater EMR の適応とコツ

大阪国際がんセンター消化管内科 七條 智聖,他

2)消化器内科医も知っておくべき免疫チェックポイント阻害薬の作用機序とエビデンス

愛知県がんセンター薬物療法部 松原 裕樹,他

3)消化管における慢性炎症

九州大学大学院医学研究院病態制御内科学 荻野 治栄,他

4)分子標的治療時代における炎症性腸疾患の治療戦略

杏林大学医学部消化器内科学 三好 潤,他

5)どうする胸やけ患者-ボノプラザン登場後のGERD 診療

日本医科大学消化器内科学 川見 典之,他

6)慢性便秘の診断と治療薬の選択

横浜市立大学大学院肝胆膵消化器病学教室 中島 淳,他

7)消化管観察におけるLCI の有用性と実際

京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 土肥 統,他

座談会

膵外分泌機能不全(慢性膵炎・膵切除後)に対する治療戦略

司会:潟沼 朗生  討論者:松本 逸平,祖父尼 淳,芹川 正浩,大塚 隆生

連載企画

私の履歴書

牛に引かれて善光寺参り

東京大学医学部附属病院感染制御部 小林 由佳

目の前のことに情熱を

熊本労災病院消化器内科 瀬戸山博子

外から見た日本医療への提言─今後の医療界に期待すること─

株式会社ドーム代表取締役CEO 安田 秀一

【コラム】Slow life, No Medical life!

横浜市立大学消化器・腫瘍外科学 遠藤 格

留学のススメ

米国留学のすゝめ─ MD アンダーソンがんセンター留学体験記─

福島県立医科大学医学部消化器内科学講座 鈴木 玲

静岡県立静岡がんセンター内視鏡科留学体験記

豊川市民病院消化器内科 岩井 朋洋

今日のカンファレンス

稀な疾患

日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科分野 草野 央,他

消化器医にちょっと役立つ豆知識

1)臨床研究トラブルシューティング(全4 回) 第1 回

京都大学地域医療システム学/臨床疫学 山崎 大

2)訪日外国人が腹痛で救急受診(東京2020オリンピック・パラリンピック開催に向けて):

最低限度知っておきたい初期対応

東京医科大学救急・災害医学分野 谷野 雄亮,他

3)シュアクリップの有用性

Part1 胆膵領域

東京医科大学臨床医学系消化器内科学分野 山本健治郎,他

Part2 消化管領域

日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野 鈴木 翔,他

4)消化器内科医が知っておくべき病理学的基礎知識(全4 回)

胆膵領域 第1 回:EUS-FNA 検体診断について

東北大学大学院医学系研究科病態病理学分野 古川 徹

消化管領域 第1 回:腫瘍の病理診断~質的診断編~

がん研究会有明病院臨床病理センター病理部 中野 薫,他

5)胆膵MRI の基礎知識(全4 回)第1 回: Chemical shift imaging による微量の脂肪の検出

九州大学放射線科 石神 康生

ライブセミナーレポート

「第2 回東京メトロポリタン国際内視鏡ライブ」印象記

東京医科大学臨床医学系消化器内科学分野 土屋 貴愛

「第 17 回 北海道胆膵内視鏡診断・治療研究会ライブセミナー」印象記

手稲渓仁会病院消化器病センター 金 俊文

クローズアップ! メディカルスタッフ!

久留米大学病院消化器病センター・消化器内視鏡センター

久留米大学病院看護部 田中 美穂,他

地域医療を考える

地域のために病院はいかに変態すべきか─病院を中心とした街づくりに向かって─

けいじゅヘルスケアシステム理事長 神野 正博

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書籍情報

  • ISBN:9784865173840
  • ページ数:152頁
  • 書籍発行日:2020年8月
  • 電子版発売日:2022年6月1日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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