• ページ数 : 404頁
  • 書籍発行日 : 2022年7月
  • 電子版発売日 : 2022年7月4日
7,260
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商品情報

内容

本邦初!心不全患者の栄養パーフェクトガイド

循環器科医師・薬剤師・栄養士・リハビリスタッフなど多職種に役立つ実践的知識!
心不全ステージごとの注意点や併存疾患を考慮した対応がよくわかるベストマニュアル.薬物療法やリハビリなど普段の治療効果に差がつく,これからの時代に欠かせない知識をまとめた本邦初の心不全患者の栄養パーフェクトガイド.

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序文

2018年に日本心不全学会からの『心不全患者における栄養評価・管理に関するステートメント』では,心不全の栄養についての既知と未知について,問題提起がなされました.以降,心不全の栄養に関する関心が一気に高まり,多くの研究が日本でも行われてきました.時期を前後して,神奈川県では神奈川心不全栄養研究会,関西では関西心不全栄養療法研究会(現在,関西中部心不全栄養療法研究会に変更)が,それぞれ立ち上がり,心不全栄養を推進してきました.さらに,日本循環器学会の『2021年改訂版心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン』において,心臓リハビリテーションの立ち位置の変化とともに守備範囲が広がっていることが再認識されました.特に疾病管理の中に栄養管理も含まれ,「第7章 栄養と食事療法」で大きく取り上げられました.しかし,心臓リハビリテーションにおいて,これまで運動療法の分野の方が多くのエビデンスが構築されてきました.それに比べ,栄養の分野はまだ道半ばではありますが,これまでの進歩が感じられる,心不全の栄養に関するバイブルを目指して準備してきました.

これまで心不全栄養に関して,これだけ本格的な書籍もなく,循環器医師のみならず,心不全に関わる多くのメディカルスタッフ,心臓リハビリテーション指導士,心不全療養指導士の皆様に目を通していただきたく,栄養の基礎から最新のトピックス,基礎研究から臨床の内容まで,幅広い内容,全国の経験豊富な栄養や心不全の専門家,多職種の執筆者,総勢66名で作り上げました.『心不全栄養バイブル』が,臨床現場,そして心不全患者さんに還元されることを願っています.

新時代になり,心不全を取り巻く環境は,新薬や弁膜症に対する新しいデバイスの登場により劇的に変化しています.心不全栄養に関する研究も,今回を機に,さらに多くのエビデンスの構築がされ,さらにバージョンアップした改訂版ができることを今から楽しみにしています.トピックスにも取り上げましたが,現在,心不全における腸内細菌叢などの研究も盛んに行われ,心不全患者に対して弁置換術ならぬ便置換術,心臓移植よりも便移植が盛んに行われる時代が近い将来やって来るかもしれません.

最後に,心不全栄養をテーマに書籍化をしていただきました中外医学社の皆様に御礼申し上げます.


2022年5月

聖マリアンナ医科大学薬理学
木田圭亮

目次

第1章 心不全の栄養総論

1 なぜ,心不全の栄養なのか (中村丁次)

2 心疾患と肥満 一次予防に関する内容(清水敦哉 荒井秀典)

3 心不全だから低栄養なのか? 低栄養だから心不全なのか? 心不全の低栄養について (山本一博)

第2章 心不全の病態と栄養

1 なぜ減塩が必要なのか? 心不全と食塩について(肥後太基)

2 なぜ,減塩が難しいのか? 心不全と味覚について(水田栄之助)

3 なぜ,低栄養をきたすのか? 心不全と食欲低下(小西正紹)

4 なぜ,低栄養をきたすのか? 心不全と口腔トラブル・嚥下障害 (吉村芳弘)

5 なぜ,低栄養をきたすのか? 心不全と消化吸収障害(大谷朋仁)

6 なぜ,心不全で悪液質になるのか?心臓悪液質と低栄養について

7 なぜ心不全で低栄養,サルコペニア,フレイルになるのか?(若林秀隆)

第3章 心不全の栄養評価

1 血液検査で心不全の栄養評価は可能か (中屋 豊)

2 急性心不全の栄養評価方法 特徴と注意点 (宮澤 靖)

3 慢性心不全の栄養評価 特徴と注意点 (近藤閲子)

4 心不全の骨格筋量評価 特徴と注意点 (前田圭介)

第4章 急性心不全における栄養管理

1 CCUにおける心不全の栄養管理 オーバービュー(簗瀬正伸)

2 CCUにおける経腸栄養(アクセス,介入タイミング,投与量,リスクマネジメント) (父川拓朗)

3 CCUにおける静脈栄養(アクセス,介入タイミング,投与量,リスクマネジメント) (吉田 稔)

4 CCUにおけるせん妄予防の重要性 (鷲田幸一)

5 心原性ショックの患者に対する経腸栄養 (島田晶子)

6 心臓血管外科術後の栄養管理 (立石 渉)

第5章 AHAステージ別に考える心不全の栄養管理

1 心不全のステージ分類とは? ステージ分類の考え方(佐藤直樹)

2 ステージA,B;ステージの進行を防ぐ栄養管理とは?(後岡広太郎)

3 ステージC,D;再入院を防ぐ栄養管理とは? (奥村貴裕)

第6章 心不全と合併疾患における栄養管理のポイント

1 高血圧合併心不全の栄養管理 (石原綾乃)

2 糖尿病合併心不全の栄養管理 (中村祐太)

3 慢性腎臓病合併心不全の栄養管理 (齊藤正和)

4 がん合併心不全の栄養管理 (木田圭亮)

5 SHD(構造的心疾患)を有する心不全の栄養管理(土井駿一)

6 骨粗鬆症合併心不全の栄養管理 (杉本匡史)

7 便秘合併心不全の栄養管理心不全患者の排便コントロール(梅井正彦 赤澤 宏)

8 心臓悪液質の栄養管理と治療介入 (新保麻衣 石田純一)

第7章 心不全治療と栄養素の関係

1 心不全と微量栄養素・ビタミン (中屋 豊)

2 心不全とカルニチン (衣笠良治)

3 心不全と中鎖脂肪酸 (安達 仁)

4 心不全とアミノ酸 (辻 修平)

第8章 シナリオ別に考える心不全の栄養指導・管理のポイント

1 急性心不全の退院前栄養指導のポイント(玉木大輔 前澤秀之 江波戸美緒)

2 慢性心不全における外来での栄養食事指導のポイント(柴田みち)

3 心臓リハビリテーションにおける心不全の栄養管理のポイント (河野裕治)

4 在宅医療における心不全の栄養管理のポイント(鬼村優一)

5 心臓移植待機(植込型VAD)中の栄養管理のポイント(中村牧子 絹川弘一郎)

6 心臓移植後の栄養管理のポイント (波多野 将)

7 心不全患者の人生の最終段階(終末期)における緩和ケアと栄養管理のポイント (村井亜美 大石醒悟)

第9章 心不全の栄養を多職種で介入する

1 心不全の栄養に医師はどのように関わるか? (鈴木規雄)

2 心不全の栄養に看護師はどのように関わるか?(朝倉之基)

3 心不全の栄養に管理栄養士はどのように関わるか?(竹内晴美)

4 心不全の栄養に薬剤師はどのように関わるのか?(土岐真路)

5 心不全の栄養に理学療法士はどのように関わるか?(飯田有輝)

6 心不全の栄養に臨床心理士はどのように関わるのか?(穴井己理子)

7 心不全の栄養に医療ソーシャルワーカーはどのように関わるか? (齋藤慶子)

第10章 心不全の栄養に関するContraversy

1 慢性心不全に水分制限は必要vs不要 (猪又孝元)

2 急性心不全の急性期にエネルギー制限は必要vs不要(宮島 功)

3 高齢心不全患者に減塩は必要vs不要 (小笹寧子)

4 経腸栄養投与中のリハビリテーションは行うvs控えるべき(岩津弘太郎)

第11章 心不全の栄養・フレイルに関する最新のトピックス・エビデンス

1 心不全と腸内細菌 (山下智也 林 友鴻 平田健一)

2 心不全と代謝性疾患 (名越智古)

3 FRAGILE-HF研究 (神谷健太郎)

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書籍情報

  • ISBN:9784498136762
  • ページ数:404頁
  • 書籍発行日:2022年7月
  • 電子版発売日:2022年7月4日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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