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- ICUとCCU 2020年7月号(Vol.44 No.7)【特集】腸管・腸内細菌叢と集中治療
商品情報
内容
腸管・腸内細菌叢の概論/重症病態における腸管粘膜バリアの重要性/重症病態における腸内細菌叢と免疫系のかかわり ほか
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序文
特集にあたって
腸管は多臓器不全の“motor”ともいわれています。われわれは腸内細菌叢と相互作用することで,協調的な「腸内生態系」を形成していますが,高度侵襲(敗血症,外傷,熱傷など)に曝されると腸内細菌叢の多様性は失われ,病原微生物が異常増殖するdysbiosisの環境へと変化していきます。このような腸管および腸内細菌叢の変化は,多臓器不全の進展にも影響を及ぼし,重症患者の予後に深く関与することがわかってきました。つまり,高度侵襲時における腸管・腸内細菌叢の破綻のメカニズムと積極的な腸管保護戦略の重要性を理解することは極めて重要であると考え,ミニ特集「腸管・腸内細菌叢と集中治療」を企画しました。
腸管内には100兆個以上の個性をもった細菌叢が存在しており,腸管粘膜バリアは物理的または化学的に腸内微生物を制御することで,宿主免疫と腸内微生物の対峙を防ぎ,炎症反応を防止することで腸管恒常性維持に大きく貢献しています。しかし,重症病態においては,腸管虚血再灌流によりleaky gutとなり,菌体成分が全身循環へ漏出し全身炎症を増悪させ,臓器不全を進行させると考えられており,重症病態と腸管粘膜バリアの重要性に関して,自らの研究成果も含めて奥村龍
先生に解説していただきました。また,健常人の腸内細菌微生物は共生的な関係を構築していますが,宿主の免疫力が低下した状態に陥ると,危険な感染症を引き起こす微生物へと変貌するため,その仕組みについて,免疫システムの相互作用の点から後藤義幸先生に解説していただきました。
抑うつ,概日リズム障害,せん妄などの精神疾患と脳・腸相関に関して,集中治療領域への応用の可能性も含めて黒川駿哉先生に,また,重症病態における腸管と遠隔臓器(心,肺,腎)の連関に関しては,大須賀章倫先生に解説していただきました。清水健太郎先生には,重症病態での腸内細菌叢の役割と予防的なプロバイオティクス・シンバイオティクス療法に関して,また,吉原努先生には,食事や薬剤を中心にgut dysbiosisを引き起こす原因と病態について解説いただきました。
古くから,われわれ日本人は,腸が「第二の脳」として気分や認知に影響を与えることを知っていました。「腹の虫が治まらない」「腹の虫の居所が悪い」などの言葉はそれを表しています。レーウェンフックの時代から始まった腸内細菌叢の研究は,20世紀後半に飛躍的に進展しました。宿主のさまざまな生理作用や,免疫関連疾患,腸管疾患,代謝内分泌疾患,精神・神経疾患など多種多様な疾患とのかかわりがこの数年の間に急速に解明されています。本企画の各項目はその分野の第一人者の先生方に執筆をお願いいたしました。本誌が,この分野や周辺領域の新たな視点や着想の一助となり,集中治療で管理されている重症患者の救命につながるならば望外の喜びです。お忙しい中ご執筆いただきました先生方には,この場を借りて心から御礼を申し上げたいと思います。
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科救急・集中治療医学分野
垣花 泰之
目次
特集:腸管・腸内細菌叢と集中治療
特集にあたって
垣花 泰之
腸管・腸内細菌叢の概論
垣花 泰之
重症病態における腸管粘膜バリアの重要性
奥村 龍
重症病態における腸内細菌叢と免疫系のかかわり
後藤 義幸
抑うつ,概日リズム障害,せん妄における脳 - 腸相関のメカニズムと集中治療領域への応用の可能性
黒川 駿哉・岸本泰士郎
重症病態における腸管・腸内細菌叢と臓器(心・肺・腎)不全
大須賀章倫
重症病態における腸内細菌叢と腸管内治療
清水健太郎・小倉 裕司
腸内細菌の研究の動向と集中治療領域への展望
吉原 努・野上 麻子・高津 智弘・三澤 昇
芦苅 圭一・松浦 哲也・日暮 琢磨・中島 淳
症例
異なる臨床経過を呈した上腸間膜静脈血栓症の2例
西濱 雅充・磨田 裕
記録集
第7回12誘導心電図伝送を考える会
12誘導心電図伝送を考える会
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書籍情報
- ISBN:9784865173819
- ページ数:82頁
- 書籍発行日:2020年7月
- 電子版発売日:2022年8月24日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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