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- 宮崎 泰成
- 上気道感染症を科学する
商品情報
内容
いわゆる “かぜ”の疑問に答える1冊。患者から質問される、感染予防効果があるとされる食品について理論的背景を提示。呼吸器基礎疾患のある患者への対応も記載。
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序文
序文
新型コロナ感染症のパンデミックを迎えて
上気道感染症を科学する
―実地医家、そして医学コメンテーターに捧げる―
上気道感染症は感冒や副鼻腔炎として発症するが、咽頭、鼻腔、喉頭、中耳そして結膜に感染を来す疾患の総称である。
時には気管、気管支、細気管支、肺胞領域など下気道に炎症が波及し、気管支炎、細気管支炎さらに急性肺炎を併発する。
小児、高齢者、COPDや気管支喘息などの呼吸器基礎疾患のある患者、あるいは免疫低下状態にある基礎疾患を持つ患者にとっては、時には生命を脅かす下気道感染症への発端として上気道感染症の予防、的確な治療は重大な意味を持つ。また、健常者が罹患した場合、病気休暇による労働力のロスや集中力欠如などによる作業効率の低下など経済的損失は計り知れない。
本書を発行する目的は、2016年の『日本胸部臨床』誌の特集「上気道感染症を科学する」の“企画にあたって”で述べたとおり、臨床医（実地医家）は自らの経験上の判断で患者の病状に対処するか、エキスパートが経験に基づいて発言する書籍に拠って対処する現況があり、過去のエビデンスに基づく正しい姿勢とはいえない。抗菌薬の使用、解熱薬の使用、鎮咳薬処方など国によってバラバラであり、病態解明も理解した科学的根拠に基づいているとは思えない。また、予防策は有効かどうかの科学的根拠がなくても習慣として行われている。
上気道感染症の患者さんを診た時にしばしば質問される、例えば、マスク、うがいなどの感染予防策は科学的根拠はあるのか、ビタミンC やD を服用するのはどうか、ヨーグルトなど腸の状態とは無関係か、キャベツ、トマト、ニンニクなどの食品摂取は感染予防に寄与するかなど、一般の方々が疑問に思われると考えられる視点から実地医家とも相談して幅広い項目を立てて内容を充実させた。
さらに最近は新型コロナウイルス感染症（COVID-19）で軽症例は他のウイルスによる上気道感染症あるいは下気道感染症とは鑑別が難しいとされている。いままでの上気道感染症の病態を含めた科学的知見が、COVID-19 の予防、重症化阻止、その病態を理解したうえでの対応に生かすことができる可能性も考えて本書を上梓した。
2022年4月
吉澤靖之
目次
1 ウイルス別の伝播方法/加瀬哲男
2 予防法、民間療法に裏付けはあるか？
1）ワクチンによる予防法（COVID-19、インフルエンザ、RS）/新開大史、喜田宏
2）マスクと手洗い/青木光、宮崎泰成
3）うがい、漢方/櫻井隆之
4）ビタミンC、ビタミンD/佐藤綾美
5）身体活動性、運動と免疫反応/吉澤靖之
6）喫煙と睡眠/立石知也
7）食品
a）プロバイオティクス、ヨーグルト/油井史郎、山名高志
b）チキンスープ、納豆、たまご酒/島田翔、安東敬大、宮崎泰成
c）ネギ、ハチミツ、ニンニク、ショウガ/大谷義夫
d）キャベツ、キュウリ、ブロッコリー、トマト/倉持仁
3 治療と症状
1）抗菌薬、二次感染のメカニズムと治療：特にA群溶連菌感染による咽頭扁桃炎の病態機序と抗菌薬治療について/古川恵一
2）発熱/古澤春彦
3）咳嗽、喀痰/塩谷隆信
4）筋肉痛/吉澤靖之
5）総合感冒薬/仁多寅彦
6）全身倦怠感/園田史朗
4 喘息：悪化のメカニズムと対応/中込一之
5 COPD：悪化のメカニズムと対応/室繁郎
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書籍情報
- ISBN：9784771960978
- ページ数：136頁
- 書籍発行日：2022年4月
- 電子版発売日：2022年8月27日
- 判：B5判
- 種別：eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数：3
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