薬剤師、在宅へ行く。

  • ページ数 : 148頁
  • 書籍発行日 : 2022年8月
  • 電子版発売日 : 2022年9月2日
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商品情報

内容

45の事例と学ぶ 在宅デビューの“お守り”BOOK

在宅医療のニーズが高まるなか,薬剤師による薬学管理もチーム医療において求められています.しかし,在宅医療を始めることに不安や悩みをもっている薬剤師は少なくありません.本書は,患者宅への訪問から薬剤管理,患者サポート,看取りへの備えなど,在宅医療だからこそ起こるさまざまな課題に対し,どのように患者と向き合い解決できるのか,現場の薬剤師が経験してきた45の事例をまじえて解説しました.また,医療保険制度や介護保険制度、居宅療養管理指導の基礎知識についてもわかりやすく解説しています.「在宅デビューしたけど不安・・・」のお守りになる1冊です!

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序文

序文

高齢化の進展に伴い,医療ニーズが慢性疾患を中心とするものに変化してきている.このような医療環境の変化に伴い,住み慣れた地域の中で患者や高齢者の生活を支える医療・介護の連携した「地域包括ケアシステム」の構築が,団塊の世代が75歳を迎える2025年を目途に推進されている.在宅医療において薬剤師もチームの一員として多職種間で協働し,専門性を生かした質が高く安心・安全な医療を提供することが求められている.

しかし,在宅医療をはじめ地域医療において薬剤師が十分に活用されていない現状がある.その背景には,多職種間での連携不足が考えられる.このような社会情勢を受けて神戸薬科大学エクステンションセンターでは,2012年から地域医療に貢献できる実践力のある薬剤師の育成を目的に,薬物治療のリスクマネジャーとしての実践力を鍛える「生涯研修スキルアッププログラム」と,在宅医療を支援している地域医療機関(多職種連携の勉強会・情報交換会を立ち上げ,神戸市垂水区を中心に活動する特定非営利活動法人エナガの会および垂水区医師会)と連携してチーム医療での実践力を鍛える「臨床能力育成プログラム」を構築した.

そして,このような地域医療に貢献できる薬剤師の育成プログラムをもとに,在宅医療をはじめる薬剤師や在宅医療をはじめたが悩みを抱えている薬剤師を対象にした書籍を企画した.本書の特徴は,在宅現場で薬剤師が経験した45症例をもとにさまざまな切り口から組み立てられていることである.本書からは,実際の症例からの学びだけでなく,多面的な視点を得ることができる.在宅患者や患者家族と信頼関係を築くコミュニケーションの取り方から看取りに接した時の薬剤師としての寄り添い方,認知症患者や高齢者での服薬管理,排便コントロール,緩和ケア,高齢者のフレイルに大きく影響する栄養管理,そして薬の効果・副作用を評価するためのフィジカルアセスメントの考え方について,問題点を解決するポイントやヒントを薬剤師の視点から解説している.他にも,在宅に行く前に知っておくべき医療保険制度や介護保険制度,居宅療養管理指導の基礎知識についてもわかりやすく解説している.巻末には,臨床検査値と病態についての表を載せている.これは薬剤の効果や副作用の判断,薬剤変更や減薬・用量調整の提案などをするときに役立つものと思われる.

地域包括ケアシステムにおけるチーム医療に,それぞれの専門性を生かして多職種で関わることが,患者やその家族を支えることになる.在宅医療への薬剤師の積極的な参加は患者にとってメリットがあることを他職種に知ってもらうよい機会になる.また薬剤師も他職種の業務を知ることができ,適切な情報を提供できるようになる.チーム医療では,必要に応じて訪問の依頼・相談ができる顔の見える関係を普段から築いておくことが大切である.

今回,本書を企画するきっかけを与えてくださいました「エナガの会」代表の中村治正医師,また多くの在宅現場での症例を提供してくださいました薬剤師の先生方,無理なお願いに快く応じてくださいました執筆者の先生方に心からの感謝を捧げたいと思います.また本書の出版にあたり,企画から出版まで長きにわたり辛抱強く,企画,構成,編集に多大なるご尽力を賜りました南山堂編集部の古川晶彦氏,山田歩氏に深く感謝し,心より御礼申し上げます.


2022年6月

編者一同
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目次

Ⅰ いま,在宅に行ってできることを整理する

1 患者宅でのコミュニケーションのはじまり─患者宅訪問

・「患者宅に行く」心構え

・チーム医療における他職種との連携

・Bad Newsを受容できない患者への対応

 column:多職種情報交換会の必要性─「HANASUの会」発足を通して経験したこと

2 薬を飲む・使う環境を整える─薬を飲めない・飲まない原因と対策

・在宅でよくある「薬を飲めない・飲まない」原因と対策

・服薬管理でヘルパーに依頼できること・できないこと

 column:内用薬の変更調剤

 column:ポリファーマシー─薬剤師目線でのチェックポイント

3 「飲み込む」を評価・支援する─嚥下障害への対応

・嚥下機能の評価

・嚥下困難者を支援する

・飲み込みやすいポジショニング

・高齢の嚥下困難者で留意すべき低栄養・脱水・肺炎

 column:ユニバーサルデザインフード

4 家族と協力して服薬管理する─認知症患者のケアと服薬管理

・認知症の定義と分類

・認知症の治療・ケアの心構え

・認知症の薬物療法の留意点と抗認知症薬

・MCI:認知症の予備軍

・若年性認知症

5 薬学管理に役立つ患者情報を収集する─フィジカルアセスメントと薬の効果・副作用の評価

・薬剤師が行うフィジカルアセスメント

・バイタルサインのアセスメント

・五感や薬剤師目線からのアセスメント

6 患者の「つらい状態」をサポートする

・がん患者の痛みをサポートする

・睡眠障害をサポートする

・便秘をサポートする

・脱力感・筋力低下をサポートする

・呼吸困難をサポートする

 column:在宅医療における麻薬管理

 column:パルスオキシメータの原理

7 高齢者の栄養状態を評価する

・低栄養状態を把握する

・高齢者の低栄養状態を評価する特有の項目

・低栄養状態の患者への対応

・栄養素の必要量

 column:特別用途食品

8 看取りに備える─エンド・オブ・ライフケア

・看取りでの薬剤師の役割

・在宅での看取りに関する注意点

・QODを高める

Ⅱ 本当は在宅に行く前に知っておきたい知識

1 地域包括ケアシステムにおける薬局・薬剤師の役割

・地域包括ケアシステムの推進

・薬局・薬剤師に期待されていること

2 医療保険制度と介護保険制度

・社会保険制度

・医療保険制度,介護保険制度における薬学的管理指導業務

・保険からみた在宅訪問の流れ

3 特定保険医療材料

・在宅医療における特定保険医療材料

4 セルフメンタルケア─ストレスをマネジメントする

・ストレスの成り立ち

・ストレスコーピング

・ソーシャルサポート(社会的支援)

・コミュニケーション不一致によるストレスマネジメント

付録:臨床検査値と病態

・採血なしの非侵襲検査からわかること

・採血を伴う侵襲検査からわかること


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書籍情報

  • ISBN:9784525785918
  • ページ数:148頁
  • 書籍発行日:2022年8月
  • 電子版発売日:2022年9月2日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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