究める 腎・副腎腫瘍に対する腹腔鏡・ロボット支援手術

  • ページ数 : 236頁
  • 書籍発行日 : 2022年10月
  • 電子版発売日 : 2022年10月7日
¥12,100(税込)
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商品情報

内容

基本手技からトラブルシューティングまでを究める収録動画72本

腎・副腎腫瘍に対する腹腔鏡手術,ロボット支援手術を安全・確実に行うために必携の一冊!
腹腔鏡手術の普及に努めているJKONG Group(腹腔鏡に関しての手術研究会)のメンバーによる,泌尿器三大腫瘍の一つである腎・副腎腫瘍に対する腹腔鏡手術,ロボット支援手術(腎部分切除術)を安全・確実に行うための手引き書。Web動画72本を収録。

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序文

序文


腎摘出術は,解剖学的な層を意識した剥離,大血管の処理といった手技から構成されるが,再建や縫合操作はなく,泌尿器科医にとって,腹部手術の登竜門ともいえる手術である。しかし近年では,ロボット手術の普及や腎部分切除の適応拡大もあり,腎癌に対する腎摘出術の機会は確実に減っている。ロボット手術の安定した視野と操作性により,縫合操作に代表される手術手技はロボット手術では確実に容易となった。しかし,剥離と切離という基本手技で構成される腹腔鏡下腎摘出術は,ロボット時代の現代においても,泌尿器科医が習得すべき極めて重要な手術といえる。

私含め,本書の執筆を担当している大庭康司郎先生,寒野徹先生,駒井好信先生,山﨑健史先生の5人は,J-KONG(所属組織の頭文字から命名)というグループを結成し,若手医師の手術教育という観点から,この腹腔鏡下腎摘出術をテーマにこれまで数年にわたり,セミナーや学会,論文発表を行ってきた。

本書では,J-KONGでこれまで議論してきた,腹腔鏡技術認定医取得にも重要な基本的な解剖や手術手技にはじまり,左右,経腹膜,後腹膜のアプローチ別による腹腔鏡下腎摘除術と腹腔鏡下副腎摘除術,また腹腔鏡下およびロボット腎部分切除術,腹腔鏡下腎尿管全摘術という,腎悪性腫瘍や副腎腫瘍に対する鏡視下手術について解説している。

また,2022年には腎摘出術もロボット手術の保険適用となり,さらに泌尿器領域でのロボット手術の役割が加速すると思われる。こうした背景も踏まえ,腹腔鏡やロボットに共通の解剖学的見地や術野展開などの基本手技に加え,腎部分切除の項では腹腔鏡とロボットの手術手技の相違点にも言及し,2022年の現在に見合った内容としている。

また,根治が求められる腎悪性腫瘍に対する手術においては,癌の大きさや進行度などによりバリエーションも多く,難易度の高い症例も存在する。さらに腎臓や副腎など上腹部手術では,重篤な合併症のリスクも潜んでおり,これらは絶対に避けなければならない。そして,万が一こうした合併症に遭遇した際には,確実に対処する必要がある。本書では,大きな腫瘍や腫瘍塞栓など難易度の高い症例に対する手技,出血や臓器損傷などのトラブルシューティングなどにもついても,ビデオを含めて解説,我々5人の執筆者が最も力を入れた部分でもある。

今回,安全かつ確実な手術を誰もが行える鏡視下腎摘除手術が普及することを目標に,細部から全体にわたるまで,5人の執筆者全員で議論を重ねた。コロナ禍において,オンラインミーティングで何度も顔を合わせ,ビデオを見ながら議論をした4人の執筆者全員に,この場を借りて感謝の意を申し上げたい。そして,我々5人の術者達が,これまでの術者経験,手術指導,教育や議論からたどり着いた,2022年現在の時代に見合った腎・副腎の鏡視下手術を究めるための教科書となったと自負している。鏡視下で腎・副腎手術をこれから執刀する若い医師はもちろん,安全な指導を目指す上級医の先生方にとっても,本書が手術の習得,手術の発展にお役に立てることを切に願っている。


2022年8月

三木 淳

目次

1 泌尿器手術における腹腔鏡下腎摘除術,副腎摘除術の現状  [大庭康司郎]

2 腹腔鏡手術の基礎

a. 腎・副腎手術に必要な解剖の理解  [山﨑健史]

腎周囲の膜構造/腎周囲の主要な血管

b. 剥離操作とデバイスの使用方法  [山﨑健史]

剥離操作の基本概念/鉗子またはシーリングデバイスによる鈍的剥離操作/電気メス,鋏による鋭的剥離操作/超音波駆動メス(LCS)による剥離操作(HARMONIC,Sonicison)/ベッセルシーリングシステム(LigaSure,ENSEAL)

c. 助手の役割  [駒井好信]

スコピスト(カメラ助手)/スコピストの動作/ファーストアシスタント(前立ち)/セカンド・サードアシスタント(にすけ・さんすけ)

d. ポートの造設  [駒井好信]

ポート造設の合併症 /ポートの造設法

3 腎・副腎摘除術の実際

a. 左腎摘除術:経腹膜アプローチ  [駒井好信]

手術適応/術前検査と術前準備/使用器具/手術手技/術後管理/おわりに

b. 左副腎摘除術:経腹膜アプローチ  [駒井好信]

手術適応/術前準備/使用器具/手術手技/術後管理/おわりに

c. 右腎摘除術:経腹膜アプローチ  [大庭康司郎]

術前準備/体位/ポート位置/手術手技/おわりに

d. 右副腎摘除術:経腹膜アプローチ  [大庭康司郎]

術前準備,体位/手術手技/おわりに

e. 左・右腎摘除術:後腹膜アプローチ  [寒野 徹]

適応/使用器具/手術手技/症例提示/おわりに 

f. 副腎摘除術:後腹膜アプローチ  [寒野 徹]

適応/手術手技/症例提示/おわりに

g. 腹腔鏡下腎尿管全摘・膀胱部分切除:仰臥位後腹膜アプローチに よる1ステップ手術  [三木 淳]

1ステップ手術による腹腔鏡下腎尿管全摘の概要/体位,ポート配置 /手術手技

h. 上部尿路上皮腫瘍に対する体腔鏡下後腹膜リンパ節郭清術  [寒野 徹]

上皮尿路腫瘍に対する後腹膜リンパ節郭清術の状況/後腹膜鏡下腎尿管全摘除+リンパ節郭清術のわれわれの手技(一塊摘除法)/その他のRPLNDの手技 /解剖学的留意点と合併症対策/おわりに

4 腎部分切除術の実際

a. ロボット支援腎部分切除術:経腹膜アプローチ  [駒井好信]

手術適応/術前検査と術前準備/手術手技/術後管理/おわりに

b. ロボット支援腎部分切除術:後腹膜アプローチ  [大庭康司郎]

手術前の準備/体位,ポート位置/手術手技/おわりに

c. 腹腔鏡下腎部分切除術  [寒野 徹,三木 淳]

腹腔鏡下腎部分切除において腫瘍切除と縫合の際の基本的な考え方/突出腫瘍に対する腫瘍切除〜縫合/埋没腫瘍に対する腫瘍切除〜縫合/Renography(実質縫合法)/症例提示/おわりに

d. ロボット支援腎部分切除術:困難症例に対するRAP  [山﨑健史]

腎門部腫瘍症例/完全埋没腫瘍症例/大きな腫瘍に対する半腎切除症例 /おわりに

5 トラブルシューティング

a. 大きな腎腫瘍・副腎腫瘍  [大庭康司郎]

手術前の準備:必要な機器/体位,ポート位置/大きな腎腫瘍ー手術手技 /大きな副腎腫瘍/おわりに

b. 下大静脈腫瘍塞栓  [山﨑健史]

術前準備/体位,ポートの配置/手術手技

c. 内臓脂肪が多い症例  [駒井好信]

術前準備/体位/ポート造設/術野確保/閉創

d. 癒着がある症例  [駒井好信]

腹壁に腹腔内の組織が挙上して癒着している場合/既往手術による剥離操作により腹腔内臓器が癒着している場合

e. 出血(下大静脈損傷,腎静脈・動脈損傷)への対応  [寒野 徹]

腹腔鏡下腎摘除術における出血の頻度とパターン/出血に対処するための器具/出血に対する対処/症例提示/おわりに

f. 腹腔鏡下腎摘除術,副腎摘除術における臓器損傷に対する トラブルシューティング  [三木 淳]

肝臓損傷/脾臓損傷/膵臓損傷/横隔膜損傷,腸管損傷/おわりに

g. ロボット支援腎部分切除のトラブルシューティング  [ 山﨑健史]

血管損傷/出血/尿路の合併症

h. 開腹移行  [大庭康司郎]

開腹移行となった症例/開腹移行の要因/開腹移行時の流れ/開腹移行への判断/おわりに

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書籍情報

  • ISBN:9784758312745
  • ページ数:236頁
  • 書籍発行日:2022年10月
  • 電子版発売日:2022年10月7日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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