図表でわかる 無痛分娩 プラクティスガイド 改訂第2版

  • ページ数 : 184頁
  • 書籍発行日 : 2022年12月
  • 電子版発売日 : 2022年12月14日
¥4,950(税込)
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商品情報

内容

さらに安全な無痛分娩を行うために,一番わかりやすいガイドブックがアップデート!

無痛分娩を安全に行うために必要な知識を凝縮したガイドブックが最新情報を反映してアップデート。
項目タイトルを質問方式とし,各パート見開き2ページを原則とした構成。麻酔の効果範囲などを立体的に意識できるイラストによる解説やマトリクスを多用して,視覚的に理解できるようになっている。
無痛分娩を初めて行う者が手技を習得するために予習として読めるのはもちろん,今まで無痛分娩を行ってきた者にとっても,手技の見直し,および「無痛分娩とはなにか」「無痛分娩をより安全に行うためには」ということへの根本的な理解を助ける書籍である。
改訂にあたっては,①「体位の解説」「穿刺方法(プレスキャンを含む)」「危機的合併症」「分娩進行との関連性」等をアップデート,②危機的合併症,特に「全脊髄くも膜下麻酔」「居所麻酔中毒」についての解説を強化,③分娩進行との関連性については児頭下降度を重視,④麻酔科医と産科医の分担についてより具体的に記述し,「事故を起こさないこと」「トラブルへの対処法」に比重を置いた内容になっている。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
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序文

序文


本書『図表でわかる 無痛分娩プラクティスガイド』の初版が出版されてから4年が経ち,待望の改訂第2版の出版となりました。当時の無痛分娩は全分娩の5%を超えたところでしたが,その後の無痛分娩の普及に伴い現在は10%に迫る普及率となっています。初版の序文では「陣痛を乗り越えてこそ一人前,いわゆる産みの苦しみを経験しないとなんとなくいけないような雰囲気があるかもしれません」と書いていましたが,現在はそのような雰囲気はほとんどなく,無痛分娩そのものが妊婦さんとその家族へ認知され,分娩の選択肢のひとつ(バースプラン)として考えられていると感じています。だからこそ,今まで以上に『安全で快適な』無痛分娩を提供することが責務だと感じています。

安心・安全という言葉があります。安心と安全は似ている言葉なので「安心・安全」とセットで使用しがちですが異なる意味をもっています。「安全」は提供する側の問題で,「安心」は受け手側の主観です。私たち医療者は常に「安全」な医療を提供する義務があり,そのうえで受け手側の患者や家族が「安心」を感じ取ってもらえるのが理想です。分娩でも同じです。分娩は痛みを伴うものですが,その痛みをどう捉えるかには個人差があり,医療提供側の気持ちだけで決めるものではなく,患者である妊婦さんと一緒になって考えるべきものでしょう。

妊婦さんと家族にとって一生のうちに何回もあるわけではない妊娠と出産という状況に立ち会うことのできる私たちの職種(産科医,助産師,麻酔科医,新生児科医など)は妊婦さんにとっての「素敵なお産」をサポートする大切な立場にあります。本来,出産は自然な営みなので医療介入がなくとも大部分は安全に出産することができるかもしれません。しかし,ひとたび危険となった場合には急な展開が待ち受けており,医療介入のタイミングが遅れると母児ともに危機的な状態になります。そのため,妊婦さんに寄り添い,分娩の進行をしっかりと見極める助産師,影ながら安全を確保して見守り必要なら医療介入を行う産科医,産まれた赤ちゃんのスペシャリストの新生児科医,そして,痛みと全身管理のスペシャリストの麻酔科医がチームとして対応するのが理想でしょう。

無痛分娩もそんな素敵なお産を実現するためのひとつのツールだと思います。バースプランの一つとして,すべての妊婦に無痛分娩の選択肢が提供されるのが理想です。そのためには,無痛分娩が安全に行われること,そして,分娩と麻酔に伴う異常に対して予知し未然に防ぐことなどが求められます。

本書は,今回の改訂で,無痛分娩に対して今まで以上に,その理論,セットアップ,安全のために考えること・備えること,麻酔だけでなく産科的なマネージメントなどについて,エビデンスを踏まえながら執筆されています。麻酔科医でありながら産婦人科専門医として現在も分娩と麻酔の現場に深くかかわっている入駒慎吾先生がそのノウハウを詰め込んで執筆し,エビデンスの裏付けを埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科の松田祐典先生が行い,産科的内容は私が監修しています。現時点で『無痛分娩の実践(プラクティス)』について最強の内容となっていると自負しています。

本書により無痛分娩にかかわる医療者が,『妊婦が主役の分娩と麻酔』を『より安全に,より快適に』提供できることを願っています。


2022年11月

聖隷浜松病院 総合周産期母子医療センター
産科部長・周産期センター長
村越 毅

目次

1 無痛分娩とは?

2 無痛分娩の利点と欠点は?

3 日本の無痛分娩の現状は?

4 無痛分娩という医療の特徴は?

5 医療従事者は無痛分娩をどう捉えるべきか?

6 無痛分娩に必要な薬剤・機器は?

7 無痛分娩の安全を支える薬剤は?

8 無痛分娩の安全を支える機器は?

9 無痛分娩の安全を支える提供体制は?

10 無痛分娩の安全を支える人材育成は?

11 無痛分娩の安全管理(急変時の体制)

12 鎮痛法と陣痛起点の組み合わせと無痛分娩の

13 無痛分娩の適応と禁忌は?

14 インフォームドコンセントで何を伝えるか?

15 麻酔前評価では何を診るのか?

16 何を考えて鎮痛法(麻酔法)を決定するのか?

17 合併症妊娠(特にHDP)の無痛分娩で

18 穿刺の準備は?

19 穿刺する際の体位は?

20 知っておくべき解剖は?

21 知っておくべき生理は?

22 穿刺部位はどうやって決定する?

23 エコーによるプレスキャンとは?

24 穿刺前の清潔操作は?

25 穿刺部位の確認と局所浸潤麻酔のコツは?

26 硬膜外針による穿刺の注意点は?

27 CSEA 針(DPE 含む)による穿刺の注意点は?

28 loss of resistance(LOR,抵抗消失)法の

29 硬膜外腔へ到達できないときは?

30 硬膜外カテーテルの挿入は?

31 硬膜外針の抜去は?

32 カテーテル迷入の予防と発見法は?

33 カテーテル迷入の予防と発見法は? ②試験投与

34 硬膜外カテーテルの固定に関して

35 無痛分娩記録には何を記載すべきか?

36 麻酔開始のタイミングは?

37 硬膜外麻酔による無痛分娩の初期鎮痛は?

38 DPE technique による無痛分娩の初期鎮痛は?

39 CSEA による無痛分娩の初期鎮痛は?

40 脊髄くも膜下麻酔による無痛分娩の初期鎮痛は?

41 麻酔効果判定では何をみる?

42 CSEAでのPCEA への“ 乗り換え” はどうすべきか?

43 麻酔導入時の合併症は?

44 致死的合併症とは?

45 全脊髄くも膜下麻酔の原因と診断は?

46 全脊髄くも膜下麻酔への対応と治療は?

47 局所麻酔薬中毒の原因と診断は?

48 局所麻酔薬中毒への対応と治療は?

49 アナフィラキシーショックの診断と治療は?

50 胎児一過性徐脈にはどう対応する?

51 PCA の設定は?

52 PIB やCI-PCA とは?

53 突発痛(BTP)の原因は?

54 BTP への対応はどうする?

55 BTP への対応はどうする? ②再穿刺編

56 無痛分娩管理中の合併症は? 総論

57 母体発熱と掻痒感にはどう対応する?

58 麻酔が分娩に与える影響は? 総論

59 娩出力低下にどう対応する? ①続発性微弱陣痛

60 娩出力低下にどう対応する? ②怒責力の低下

61 麻酔の産道への影響は? ①急速な分娩進行

62 麻酔の産道への影響は? ②回旋異常

63 無痛分娩で帝王切開率は増加するか?

64 無痛分娩から帝王切開へ移行するときの麻酔は

65 無痛分娩から帝王切開へ移行するときの麻酔は?

66 産科危機的出血になったらどう対応する?

67 無痛分娩中の子宮破裂にはどう対応する?

68 無痛分娩中の常位胎盤早期剥離には

69 無痛分娩でのピットフォールは? 出血関連

70 羊水塞栓症が起こったら?

71 児娩出時の助産師の役割は?

72 分娩後の管理はどうする?

73 PDPH が起こったらどうする? ①発生機序

74 PDPH が起こったらどうする? ②診断

75 PDPH が起こったらどうする? ③治療

76 PDPH が起こったらどうする?

Appendix 1 局所麻酔薬はどうやって効くのか?

Appendix 2 痛みをとるということはどういうことなのか?

Appendix 3 運動神経ブロックの指標(Modified Bromage Scale)

Appendix 4 無痛分娩と産後うつ,自閉スペクトラム症

Appendix 5 説明同意書例

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  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784758321419
  • ページ数:184頁
  • 書籍発行日:2022年12月
  • 電子版発売日:2022年12月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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