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- エビデンスでひもとく発達障害作業療法ー神経発達症の理解と支援
商品情報
内容
。 作業療法が治療である以上、作業療法士は、自分が行っている作業療法のより多くをエビデンスに基づき説明できるよう努力し続けなければならない。
本書はそのための一助となるよう、神経発達症に関わる作業療法の実践を、脳科学研究を中心とする膨大な文献データとそこから得られた知見を基に解説している。
すべての作業療法士に贈る著者渾身の一冊。
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序文
序文
現在,小児を対象としている作業療法士の約80%が発達障害(神経発達症)を対象としている.これは,脳性麻痺,知的能力障害とほぼ同じ割合である.
発達障害に対する社会的関心は高まり,医療,保健,福祉,教育など,さまざまな領域で支援が行われている.他の専門職と比べ,作業療法は幅広い領域で,発達障害の支援に関与している.保健事業や特別支援教育に関わる作業療法士,児童発達支援事業,放課後等デイサービスに勤務する作業療法士も増えている.養成校でも発達障害の講義や実習が行われ,「作業療法は発達障害児を支援する専門職」であることに,作業療法士は何の疑いも持たなくなっている.しかし,
・作業療法は発達障害に効果があるというエビデンス(科学的根拠)はあるのだろうか?
・作業療法は何に効果があるのだろうか?
・作業療法士は,エビデンスに基づき発達障害の作業療法を説明できるのだろうか?
作業療法は,現在および将来の対象児の生活,社会への主体的適応能力を,苦手な能力の発達・向上のみでなく,得意な能力の活用や,個人を取り巻く環境も含め治療・支援する専門職である.その治療・支援の特徴は医学(脳科学,発達科学)を主に,心理学,教育学,社会学等,幅広い知識を活用し,その個人が主体的に取り組める興味ある活動を用いることにある.
対象児の個別の作業の障害に対し
対象児が主体的に取り組める作業を用いて
現在・将来の作業の改善・発達を促進する
この一見,単純と思える治療・支援は奥が深く,経験を重ねるほどエビデンスに基づき説明することの難しさに,気づかされる.
主体的に取り組める興味ある活動は,他の専門職からは,遊んでいるだけと言われる.理解してもらいたいと思い,作業療法の専門用語を使い説明する.より怪しくなるのが自分でもわかる.
それとは逆に,子どもが難しい生活動作や行為を繰り返し練習する支援は,誰が見てもわかりやすい.それは作業療法なのか? 作業療法の目指す「適応」といえるのか? 発達障害を対象とした作業療法に限らず,
・エビデンスに基づき対象児の作業の障害を評価,解釈し,治療仮設を立て,
・エビデンスに基づき対象児が主体的に取り組める治療プログラムを作成し,
・治療中の対象児・者の反応を読み取り,その反応をエビデンスに基づき説明し,
・エビデンスに基づき対象児の作業の改善・発達が促進された理由を説明できる,ができることで,「作業療法は発達障害児を治療,支援する職種」であると自信をもって言える.
現代の科学をもってしても,発達障害についてわかっていることは,わずかである.そのため,作業療法の評価から治療すべてを,エビデンスに基づき説明することは不可能である.しかし,作業療法が治療である以上,自分が行っている作業療法のより多くをエビデンスに基づき説明できるよう努力し続けなければならない.
20年以上前,著名な外国の作業療法士に治療を見てもらった際,治療中に何度も“What areyou doing now?”と投げかけられた経験がある.後のフィードバックで「答えが合っているかどうかは問題ではなく,説明できないことが問題である」と言われたことを思い出す.
作業療法士は,“What am I doing now?”を自身に問い続けなければならない.本書がその問いの答えを探す一助になれば幸いである.
2021年9月
執筆者を代表して 加藤寿宏
目次
Ⅰ.神経発達症群
神経発達障害群と作業療法
神経発達症群/神経発達障害群とは
神経発達症の作業療法において共通する観点
協調運動とは
行為機能・行為機能障害とは
感覚処理とは
Ⅱ.自閉スペクトラム症の脳科学と作業療法
自閉スペクトラム症(自閉スペクトラム障害:ASD)とは
自閉スペクトラム症と社会性
自閉スペクトラム症の興味の限定と反復行動
自閉スペクトラム症と運動機能
自閉スペクトラム症と感覚処理
自閉スペクトラム症の実行機能
Ⅲ.注意欠如・多動症の理解と作業療法
注意欠如・多動症とは(ADHD)
脳内ネットワークとは
注意欠如・多動症の脳内ネットワーク
Triple pathway modelとは
注意欠如・多動症における協調運動
注意欠如・多動症における感覚処理障害
Ⅳ.限局性学習症の脳科学と作業療法
限局性学習症(SLD)とは
読字の障害
読字とは
読字の障害とは
読字と音韻処理障害仮説
読字と視覚関連機能の障害仮説
読字の流暢性・自動化と小脳障害仮説
書字表出障害
書字とは
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書籍情報
- ISBN:9784908083723
- ページ数:184頁
- 書籍発行日:2021年11月
- 電子版発売日:2023年2月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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