FMCテキストブック~出生前検査・診断と遺伝カウンセリングの実際

  • ページ数 : 384頁
  • 書籍発行日 : 2023年2月
  • 電子版発売日 : 2023年2月13日
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商品情報

内容

出生前検査・診断・遺伝カウンセリングの「最前線」!

国内における胎児診療の専門家集団が、出生前検査・診断の正しい知識や手技の実際、診療の問題点、遺伝カウンセリングの心構えやノウハウに至るまで、余すことなく解説しました。
出生前検査・診断をこれから行おうとしている医療従事者はもちろん、産科・胎児・周産期医療に携わるすべての医療従事者の道しるべとなる1冊です。

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序文

はじめに

私たち人類は、この地球上の陸地の広範囲に分布し、特に私たちが日常暮らしている文明社会においては、他の生物種を差し置いて栄華を極めている。人類の誕生からこれまでの長い営みの中で科学を発展させ、疾患を克服し、種の存続を遂げてきた。しかしそれでもなお、我々は自然の中の一員であり続ける。医学の発展は、自然淘汰に抗うものであると同時に、それをあるがままに受け入れるべき必要性に気づかされる側面をもち、いわば二律背反の中で、いかに豊かな生を育むことができるかが、私たち医療に携わる者の目指すべきゴールなのだ。

一昔前は、生まれてくる以前の母体の中の様子はブラックボックスの内部であり、新生児がどのような状態で生まれてくるかについては、知る由もなかった。しかし私たちは今、胎児の様子について画像で確認する手段をもち、生化学的なあるいは生理学的な評価を行い、内視鏡を用いて観察し、場合によっては生まれる前から何らかの手を下すことも可能になった。遺伝学の発展は、胎児が形作られる過程を解明し、その途中段階だけではなく、前段階からの判断や選択も可能になっている。そして今や遺伝子の改変に手をつけることも可能になろうという時代になり、人類は神の領域に手を伸ばしているともいえる段階に達した。

こういった時代の急激な流れの中で、私たち医療者の果たすべき役割は多様化し、新たな情報に常に接し知識を更新し続けると同時に、新たな技術や知見の社会へのインパクトや受け取る側の多様性への理解といった、これまでの臨床現場では必ずしも目を向けられていなかった分野への対応や技術の習得が必要とされる時代に変化している。そんな中にありながら、特に出生前検査・診断の分野は、残念なことにわが国においては諸外国で普通に行われている検査が普及せず、国際的にみて特異な状況に陥っているものの、未だ有効な打開策が見出せない現状にある。本書は、これからこの分野の学習を行い技術を習得しようとする医療者が、その歴史的変遷から諸外国の状況を知り、広い視野をもって特異な国内事情からの脱却を図れるようになるための入門書として企画されたものである。妊婦に接するすべての医療者に本書を手にとっていただき、わが国における出生前検査・診断に関する情報提供が偏りなく行き渡り、すべての妊婦・家族が検査に関連して自律的な選択を行うことができるようになることを願っている。


中村 靖

目次

第1章 出生前検査・診断の歴史と現在

1.出生前検査・診断の歴史的変遷

2.出生前検査の両輪─ 画像診断と遺伝学的検査

3.出生前検査の国際比較

第2章 出生前検査・診断の実践

1.いつ、どの検査を、どう行うのか

2.染色体異常のスクリーニング検査

 1)妊娠初期の検査:NT計測とコンバインド検査

 2)妊娠初期の検査:他の超音波マーカー

 3)母体血清マーカー検査

 4)NIPT

3.侵襲的手技と検体検査

 1)羊水穿刺と絨毛採取

 2)染色体検査と遺伝子解析

4.胎児形態異常の検査

 1)妊娠初期の胎児超音波検査

 2)妊娠中期以降の胎児超音波検査

 3)胎児心エコー検査

 4)胎児MRI

5.妊娠を前提として妊娠前に行う検査

 1)着床前検査・診断

 2)保因者スクリーニング検査

第3章  出生前検査・診断に関する話し合い─ 明日から使える対話のヒント

1.臨床の場で、出生前検査・診断について話し合う─ 遺伝カウンセリングの枠を越えて

2.検査の選択に関する情報提供と支援

 1)数多くの選択肢の中から、何を選ぶのか

 2)様々な先天異常をどう説明するか

 3)非指示的・中立的な態度と対応

 4)検査するか、しないかの決断過程の支援

3.検査結果をいかに伝えるか

 1)確率をいかに伝えるか

 2)スクリーニング陽性/ 陰性をいかに伝えるか

 3)悪い知らせをいかに伝えるか

4.人工妊娠中絶をめぐる支援

 1)胎児の疾患がみつかったら? 中絶するかどうかの話し合い

 2)中絶についての話し合いにおける情報提供とガイダンス

5.円滑な話し合いのヒント─ 情報提供支援と心理的・社会的支援

 1)情報提供のコツ

 2)心理支援の基本─ 話を聞く、話をする

 3)自律的決定の支援の基本的考え方

第4章 出生前検査・診断の臨床で目指すべき方向性

1.出生前検査・診断と生命倫理─ 人工妊娠中絶・減胎をめぐる法的、社会的背景

2.今後の課題


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書籍情報

  • ISBN:9784307301442
  • ページ数:384頁
  • 書籍発行日:2023年2月
  • 電子版発売日:2023年2月13日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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