胃癌手術のための臨床解剖序説

  • ページ数 : 262頁
  • 書籍発行日 : 2023年4月
  • 電子版発売日 : 2023年5月2日
16,500
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内容

解剖学的課題・疑問を考えつづけた消化器外科医による上腹部消化管とその周辺をめぐる臨床解剖の探求
数百点にのぼる解剖図を通して,上腹部消化管とその周辺部位の臨床解剖を探求する。ロボット支援下胃切除術が普及していくなかで求められる,精密な解剖の理解,把握。今まさに必要な解剖書。


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目次

序章 上腹部消化管をめぐる臨床解剖の概観

第1節 上腹部消化管の臨床解剖・3つの基本構成

第2節 腹部・骨盤内消化管の区分を考える

第3節 複雑な上腹部腸管の臨床解剖:その理解の方法

第4節 上腹部腸管・大腹腔内腸管・骨盤内腹膜外腸管:特徴の概観

第1章 腹側(前)間膜・背側(後)間膜・腹腔の形成

第1節 胚子板または胚盤から成人体へ

1)考察の視点

2)中胚葉上皮・組織の陥入

3)体表の形成と体腔の進入

4)体腔の広がりと腹側(前)間膜

第2節 卵黄囊動脈・静脈への整理・統合と腹側(前)間膜

第3節 臍静脈と腹側(前)間膜

第4節 腹側(前)間膜,背側(後)間膜の完成

第2章 血管走行の基本型―間膜系動静脈と体壁系動静脈

第1節 血管走行の基本型

第2節 血管走行の基本型の成り立ち

1)血管走行の基本型の成り立ち(1)

2)血管走行の基本型の成り立ち(2)

3)血管走行の基本型の成り立ち(3)

第3節 胎児体の伸長と原始腸管の伸長

1)胎児体の伸長と原始腸管の伸長(1)

2)胎児体の伸長と原始腸管の伸長(2)

第4節 再び,血管走行の基本型―立体模式図で見る 3

第5節 再び,血管走行の基本型の成り立ち―横断面での復習

第6節 上腹部での血管走行の基本型―横断面での復習

第7節 体壁系血管と間膜系血管のかかわり―骨盤内腹膜外において

第3章 体壁の基本構成―後腹膜下筋膜の成り立ちとその臨床的重要性

第1節 腸間膜系血管と体壁系血管の吻合・接点

第2節 体壁の基本構成―層構成

第3節 後腹膜腔,腹膜外骨盤での腹膜下筋膜深葉

第4節 後腹膜下筋膜の臨床上の重要性

第5節 後腹膜下筋膜の成り立ち

第4章 腸管の回転と間膜の変化

第1節 新しい視点から

1)これまでの腸管回転模式図への不満

2)腹腔という空間の中で,腸管の回転と間膜の変化を同時に考えること

3)腸管の回転と間膜の変化:回転と変化の種類

4)立体図での考察:腸管並走動脈の連続性

第2節 癒合筋膜

1)癒合筋膜の形成と種類

2)癒合筋膜の臨床的重要性

3)後腹膜との癒合筋膜

第3節 大網の癒合筋膜

1)大網の広がりと癒合筋膜

2)大網と腸管・間膜との癒合:一連の縦断面図

3)大網基部の形成

第4節 大網から見た上腹部腸管の動脈系と間膜根

1)大網の動脈

2)大網の動脈支配の臨床的意味

3)大網の構成から見た後腹膜腔への直接連絡路間膜根

第5章 間膜根とTreitz 靱帯

第1節 間膜根とは

1)新しい視点での間膜根のとらえ方

2)間膜根の成り立ち

第2節 間膜根の構成要素

1)間膜根は背側間膜と腹側間膜の諸要素から構成される

2)間膜根の構成要素としての背側膵,腹側膵

3)間膜根内諸要素と間膜内諸要素の連続性

第3節 間膜根の構成要素と Treitz 靱帯

1)正面から見た間膜根

2)正面から見た背側膵と腹側膵:腹側間膜と後腹膜との癒合

3)正面から見た諸要素の連続性

4)間膜根内の自律神経系諸要素(1)

5)間膜根内の自律神経系諸要素(2)

6)Treitz 靱帯の形態とその臨床的意味

第4節 間膜根とリンパ流

1)間膜根には領域(所属)リンパ流の最中枢がある

2)腸管の回転と間膜の変化に伴う動脈,リンパ管・リンパ節の変位

第5節 間膜根とリンパ流:郭清の実際から見て

1)間膜根を立体的に見る動脈・神経・リンパ管の相互関係

2)間膜根への到達の実際

第6章 腹腔動脈・上腸間膜動脈とその分枝

第1節 成り立ちへの序章

1)卵黄囊血管から卵黄囊動脈(臍腸間膜動脈)・卵黄囊静脈(臍腸間膜静脈への整理・統合

2)臍腸間膜動脈(卵黄囊動脈)は背側大動脈の起始と結合し,臍腸間膜静脈(卵黄囊静脈)は背側間膜内で連繋し,腹側間膜内で統合される

3)臍腸間膜動脈・臍腸間膜静脈の整理・統合を割面模式図で見る

4)臍腸間膜動脈・臍腸間膜静脈の整理・統合を立体模式図で見る

5)従来の,腹腔動脈・上腸間膜動脈・門脈の成り立ち説明への批判(1)-三木仮説への批判

6)従来の,腹腔動脈・上腸間膜動脈・門脈の成り立ち説明への批判(2)-発生学教科書に載る門脈の成り立ち説明への批判

第2節 基本型の成り立ち

1)より簡略化した立体模式図から始める

2)成人体の上腹部腸管(胃)に関与する動脈・静脈は,3本の臍腸間膜動脈・静脈から始まる

3)3本の臍腸間膜動脈における変化

4)上腹部腸管(胃)の「ころがり回転」―境界部腸管(十二指腸)の右傾倒と「偏側拡張」に伴う動脈の変化(1)

5)上腹部腸管(胃)の「ころがり回転」―境界部腸管(十二指腸)の右傾倒と「偏側拡張」に伴う動脈の変化(2)8

第3節 基本型の確認

1)3本の動脈の変化と背側間膜・腹側間膜の接近・接触を割面で追う

2)上腹部腸管(胃)の「ころがり回転」─境界部腸管(十二指腸)の右傾倒と「偏側拡張」に伴う動脈の変化(3)-大腹腔内腸管の変化と癒合筋膜の形成を考慮して

3)正面から見た動脈の変化

第4節 分枝型の成り立ち―Adachi の分類

1)Adachi,Michels の動脈分枝型分類―分類の視点

2)Adachi による動脈分枝の分類(1)-型分類

3)Adachi による動脈分枝の分類(2)- Adachi の基本型

4)Adachi による動脈分枝の分類(3)-群分類 Adachi のaccessorische 動脈とMichels のaberrant 動脈

第5節 分枝型の成り立ち―Michels の分類

1)Michels による動脈分枝の分類(1)-腹腔動脈・上腸間膜動脈の分枝型

2)Michels による動脈分枝の分類(2)-肝動脈における変異型

3)Michels による動脈分枝の分類(3)-肝動脈における変異の頻度

第6節 変異の成り立ちとその臨床的意味

1)腹腔動脈・上腸間膜動脈の分枝型の成り立ち-復習

2)腹腔動脈・上腸間膜動脈の分枝型の成り立ち-吻合動脈幹説(1)- Tandler の考察の軌跡

3)腹腔動脈・上腸間膜動脈の分枝型の成り立ち-吻合動脈幹説(2)- Tandler の成り立ち図

4)腹腔動脈・上腸間膜動脈の分枝型の成り立ち-吻合動脈幹説(3)- Tandler の変異肝動脈の成り立ちとその批判

第7節 変異肝動脈の成り立ち-「癒合と消退」説

1)「癒合と消退」説から見たMichels のaccessory 肝動脈とreplaced 肝動脈

第8節 肝動脈と門脈

1)肝動脈の走行と門脈の走行(1)-静脈の成り立ちと走行の基本型

2)肝動脈の走行と門脈の走行(2)-従来の門脈の成り立ち図を見直す

3)肝動脈の走行と門脈の走行(3)─門脈成り立ち図の見直しを続ける

4)肝動脈の走行と門脈の走行(4)─原始腸管を取り巻く静脈の変化

第9節 門脈と門脈に流入する静脈,脾静脈・下腸間膜静脈・左胃静脈・右胃静脈・右胃大網静脈

1)肝動脈の走行と門脈の走行(5)─「癒合と消退」説で見る肝動脈と門脈

2)門脈の形成とそれにかかわる静脈

3)「癒合と消退」説で見る門脈の成り立ちと下腸間膜静脈・脾静脈・左胃静脈・右胃静脈・右胃大網静脈

第7章 新しい視点に立って肝動脈・門脈を見る

第1節 肝十二指腸間膜内での肝動脈と門脈

第2節 新たな視点に立って肝動脈・門脈を見る

第3節 新たな視点に立って腹腔動脈・上腸間膜動脈の分枝型を見る

第8章 胃をめぐるリンパ管・リンパ節

第1節 系統リンパ流と領域リンパ流,リンパ流の流域,リンパ連鎖,最終リンパ節

第2節 リンパ管・リンパ節を見る,点と線,仮説と検証

第3節 Sappey とMikulicz

第4節 Gerota と Cunéo

第5節 Pólya,Navratil と三宅速

第6節 Rouvière,井上與惣一と梶谷鐶

第9章 要約

第1節 臨床解剖学から見た腹側間膜と背側間膜

第2節 「間膜根」と動脈・静脈

第3節 「間膜根」とリンパ流

第4節 「間膜根」と自律神経

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書籍情報

  • ISBN:9784867190661
  • ページ数:262頁
  • 書籍発行日:2023年4月
  • 電子版発売日:2023年5月2日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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