レジデントのための消化器内視鏡ことはじめ[Web動画付]

  • ページ数 : 336頁
  • 書籍発行日 : 2023年6月
  • 電子版発売日 : 2023年5月25日
6,820
(税込)
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商品情報

内容

研修中に必要なポイントを厳選,1冊目で差がつく実践バイブル!

初めてスコープを握る前後に必須となる知識,基本手技,検査・治療の流れを一冊に凝縮。
標準的な消化管検査・治療の基本戦略,上部と下部内視鏡,胆膵関連内視鏡の介助法と撮影手順,診断法,偶発症と対応に至るまで,イラスト・写真・ストリーミング動画を交えてコンパクトに解説。特に上部消化管の観察や下部消化管の挿入手技は複数施設での実践例を紹介。
「指導者の視点」では,上級医の考え方,一般的な教科書ではあまり取り上げられない暗黙知やその根拠を紹介し,「研修医の質問」では,困難挿入例などの初学者が悩みがちな疑問をやさしく解説する。
レジェンドから後輩へ受け継がれてきた“一生モノ”の基本をコンパクトにまとめた,1冊目で差がつく実践バイブル!

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文

序 文


医学部生のときから一人前の消化器内科医,消化器内視鏡医になることを希望していた私が上部消化管内視鏡検査の研修を開始したのは,研修医1 年目からであった。大腸内視鏡検査においては同2 年目から挿入を開始することができたなど,当時の研修システムは現在のものとは異なり,より早期から希望する専門領域に進み,実践を積むことができた。ただし,当時の指導医の先生からは,大腸内視鏡検査を実施するためには“注腸造影検査を一人でできること”という条件が与えられていた。いち早く大腸内視鏡検査を実施したかった私は,当時のレントゲン技師長に掛け合い,朝一から透視室に向かい,できるだけ多くの注腸造影検査を実施できるようにお願いし,指導を仰いだ。そして,撮影した注腸フィルムを夕方のカンファレンスで提示し,指導および評価を受けた。自己学習が求められ,当時学習した書籍やノートは今でも大切に手元に置いている。一方で,内視鏡の基本から学べる教科書,いわゆるバイブルは世に多くある状況ではなく,現在のような高度情報化時代ではなかったこともあり,教材となる自己学習のための書籍は当時多くはなかった。

このたび,全国の若手教育に熱心な先生方より多大なるお力添えをいただき,消化器内視鏡診療に必要な基本姿勢・知識・技術および応用に関する本書を出版する機会をいただいた。*詳細かつわかりやすい記載内容に加え,所々で動画やコラムを挟み,求められるコツや心得などをお伝えできるよう構成した。また,内視鏡のレジェンドとよばれるエキスパートの先生方には,内視鏡研修を開始した若手へのメッセージを残していただいた。私自身も若手教育への大変な励みになった。私には以前より憧れを抱く先人の先生がいるが,若手の先生にも,是非,憧れや規範となる存在を持っていただければと思っている。それが,自分の理想像・未来像の具体化と自己の成長につながると信じている。

患者さんのために内視鏡診断・治療に関する技術を日々磨くことを継続する必要がある一方で,内視鏡診療上,医療安全の確保は重要な課題である。内視鏡診療は,全国で広く行われているが,関連する偶発症は一定の頻度で発症する侵襲性のある手技であることを常に念頭に置き,周術期管理を含めた医療安全の確保と充実を図っていただきたい。

本書のコンセプトは,レジデント・若手医師が自己学習にて知識を身につけ,さらなる技術の向上を目指すこととしたが,彼らを指導される先生,内視鏡にかかわる看護師などのメディカルスタッフの方々にも活用していただけると幸いである。そして,ベストな内視鏡診療がすべての患者さんのからだとこころに届くことを心から願っている。

最後に,メジカルビュー社編集部の井上様,長沢様には,コロナ禍で色々大変な時期に幾度もやり取りをさせていただき,完成までに大変な尽力をいただいた。関係する皆様にも深く感謝を申し上げたい。


2023年5月吉日

浦岡俊夫

目次

編者profile・執筆者一覧

エキスパートprofile

略語集

動画視聴方法

1章 内視鏡の基礎

1 消化器における内視鏡検査・治療の役割 (辻 陽介)

2 内視鏡室の基本的な設備・機材 (山崎剛明,砂川弘憲,矢野友規)

3 医療安全対策の基本 (小松康宏)

4 インフォームド・コンセントと説明書・同意書 (栗林志行)

5 緊急内視鏡に必要な知識と準備 (西田 勉)

2章 使用機器とデバイスの基礎

1 スコープ

 1-1 スコープの基本構造・種類・取り扱いの基本(オリンパス社)(落合剛啓)

 1-2 スコープの基本構造・取り扱いの基本(富士フイルム社)(関 正広)

 1-3 スコープの基本構造・種類・取り扱いの基本(HOYA 社)(PENTAXライフケア事業部)

2 デバイス

 2-1 消化管内視鏡検査・治療に必要なデバイス取り扱いの基本(森田圭紀)

3 高周波発生装置

 3-1 高周波発生装置と設定(佐々木基)

3章 使用薬剤と用量見本

1 抗血栓薬の内服はどう説明し,指示をするのか(富田英臣)

2 質の高い内視鏡検査のための前処置に使用する薬(玉井尚人)

3 鎮静薬と鎮痛薬,鎮痙薬はどのように使いこなすか(八田和久)

4 色素内視鏡に使用する薬剤(吉井新二)

4章 上部消化管内視鏡検査

1 上部消化管内視鏡検査とは

 1-1 上部消化管内視鏡検査の目的・適応・禁忌(土山寿志)

2 スコープ挿入の基本

 2-1 スコープ挿入時に必要な解剖学(鼻腔・咽頭~十二指腸)(北沢尚子,中島寛隆)

3 病変を見つけるまでの観察法(施設別ストラテジー)

 3-1 見落としのないスクリーニング(群馬大学病院編)(栗林志行)

 3-2 見落としのないスクリーニング(石川県立中央病院編)(土山寿志)

 3-3 見落としのないスクリーニング(東京大学病院編)(趙 利奈,角嶋直美,藤城光弘)

 3-4 トレーニング方法(群馬大学病院編)(春日健吾)

 3-5 トレーニング方法(石川県立中央病院編)(土山寿志)

 3-6 トレーニング方法(東京大学病院編)(辻 陽介,藤城光弘)

4 病変を見つけた後の観察法

 4-1 通常観察と拡大観察法(胃癌診断を中心に)(上山浩也)

5 鑑別診断

 5-1 咽頭・喉頭,食道(高橋亜紀子,小山恒男)

 5-2 胃,十二指腸(角嶋直美)

5章 下部消化管内視鏡検査

1 下部消化管内視鏡検査とは

 1-1 下部消化管内視鏡検査の目的・適応・禁忌(豊島 治,西澤俊宏)

2 スコープ挿入の基本

 2-1 大腸内視鏡挿入のための解剖学(根本大樹,中島勇貴,冨樫一智)

 2-2 挿入法の基本と困難例・困難部位に対する対処法(小林 望)

3 病変を見つけるまでの挿入・観察法(施設別ストラテジー)

 3-1 苦痛軽減のストラテジー(群馬大学病院編)

 3-2 苦痛軽減のストラテジー(昭和大学横浜市北部病院編)(宮地英行)

 3-3 苦痛軽減のストラテジー(北部医療センター安佐市民病院編)(朝山直樹,永田信二)

 3-4 見落としのないスクリーニング(群馬大学病院編)(田中寛人)

 3-5 見落としのないスクリーニング(昭和大学横浜市北部病院編)(宮地英行)

 3-6 見落としのないスクリーニング(北部医療センター安佐市民病院編)( 朝山直樹,鴫田賢次郎,永田信二)

 3-7 トレーニング方法(群馬大学病院編)(糸井祐貴)

 3-8 トレーニング方法(昭和大学横浜市北部病院編)(宮地英行)

 3-9 トレーニング方法(北部医療センター安佐市民病院編)(朝山直樹,鴫田賢次郎,永田信二)

4 病変を見つけた後の観察法

 4-1 通常観察と拡大観察法(山下 賢,岡 志郎,田中信治)

5 鑑別診断

 5-1 大腸(福澤誠克)

6章 病理組織学的診断のイロハ

1 生検・組織診断の心得と基礎知識(下田将之)

2 組織採取とレポートの書き方(山﨑嵩之,阿部清一郎,斎藤 豊)

7章 内視鏡治療の選り抜きエッセンス

1 知っておくべき緊急内視鏡治療

 1-1 異物除去 (田原利行)

 1-2 消化管出血の止血処置(髙林 馨,高取祐作,加藤元彦)

 1-3 S 状結腸捻転解除(東 玲治)

 1-4 イレウス管の挿入の仕方(岡村幸重)

 1-5 食道静脈瘤治療(EVL,EIS)~血行動態と内視鏡診断と治療の基本~(引地拓人)

2 EMR

 2-1 大腸ポリープ切除の必要な知識と基本手技(今井健一郎,堀田欣一,伊藤紗代)

3 ESD

 3-1 ESDの基本と介助に必要な知識(髙栁駿也,大圃 研)

8章 研修中に知っておきたい胆道系検査・治療の基本

1 ERCPの目的・適応・禁忌(加藤博也)

2 側視鏡を安全に挿入し,胆管・膵管挿入を成功させるコツ(中井陽介)

3 内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)(土屋貴愛)

4 Interventional EUSの基本と介助に必要な知識(肱岡 範)

9章 これからの内視鏡と進化にどう対応するか

1 内視鏡機器の進化と今後(矢野友規)

2 カプセル内視鏡の進歩(細江直樹)

3 AIによる診断ストラテジーの変化と今後(三澤将史)

コラム

エキスパートに学ぶ内視鏡上達の心得① スムースで正確なスコープ操作がすべての基本(矢作直久)

エキスパートに学ぶ内視鏡上達の心得② 普段の内視鏡検査の積み重ねが肝要(山本陽一,小野裕之)

エキスパートに学ぶ内視鏡上達の心得③ 内視鏡上手に導く三本の矢(藤城光弘)

エキスパートに学ぶ内視鏡上達の心得④ ERCP って何だろう。なぜ胆膵内視鏡医を選んだのか。これから目指す人へ。(小嶋啓之,土屋貴愛,糸井隆夫)

エキスパートに学ぶ内視鏡上達の心得⑤ 「Practice makes Perfect」(斎藤 豊)

上級医をよぶ前に① 瀑状胃でスコープが進められない…分水嶺を越えろ!(石原眞悟)

上級医をよぶ前に② 胃内視鏡検査中の粘膜損傷(Mallory‒Weiss症候群)が起こったら(桑井寿雄,水本 健)

上級医をよぶ前に③ 直腸に挿入後,全周性のびらんを認めたら?(橋本 悠)

上級医をよぶ前に④ 大腸内視鏡で回盲弁が越えられない…(志賀永嗣)

上級医をよぶ前に⑤ 胃の生検後,出血が持続したら?(春日健吾)

上級医をよぶ前に⑥ 止血処置中に外れたクリップを吸引して詰まらせた…(細谷隆一)

上級医をよぶ前に⑦ 胆管・膵管挿管困難例におけるアプローチ(中井陽介)


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書籍情報

  • ISBN:9784758315494
  • ページ数:336頁
  • 書籍発行日:2023年6月
  • 電子版発売日:2023年5月25日
  • 判:B5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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