改訂5版 安心すこやか妊娠・出産ガイド

  • ページ数 : 304頁
  • 書籍発行日 : 2023年7月
  • 電子版発売日 : 2023年6月15日
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商品情報

内容

妊娠中の検査や病気、異常を最新知識で解説

「検査で異常が見つかった」「ハイリスクと言われた」そのときに読んで不安が軽減できる。日常生活で気をつけること、からだと体調の変化、家庭での沐浴など保健指導の基本的な項目のみならず、妊娠中の検査と疾患(病気)についてもれなく説明。助産師にも役立つ。

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序文

はじめに

妊娠おめでとうございます。これからあなたは妊婦健診のために産婦人科に通うことになります。そこでは、赤ちゃんが順調な発育をしているか、お母さんの健康状態に変化はないかなど、さまざまな検査が行われます。当然、妊婦健診のたびに、聞きたいことや知りたいことが出てくることでしょう。産科医も、できるだけ丁寧に説明したいと思っています。しかし、妊婦さんからは、「医師からの説明が難しすぎて理解できなかった」「外来ではわかったつもりだったが、家に帰り夫に説明しようとするとうまく説明できない」「外来が混んでいて、忙しそうなのでついつい聞きそびれた」というような話をよく耳にします。また、「家に帰ってインターネットで調べてみたら、いろいろなことが書かれていて、どの情報が正しいか、かえってわからなくなった」という声も聞きます。情報化時代の今日、妊娠に関する情報をどのように得たらよいかについて困っている妊婦さんは多いと思います。

そこで、そのような妊婦さんの声に応えるため、昭和大学病院では、妊娠中から出産後までのいろいろな疑問点やトラブルについて解説するパンフレットとして『すこやか出産ガイド』(3分冊)を作成し、病院で分娩する妊婦さん全員に配布してきました。この冊子では、妊娠中に行われる検査がどのような目的で行われ、そこで異常を指摘された場合にどのような心配があるのか、妊娠中に起こる病気にはどのようなものがあるのか、などをわかりやすく解説していました。また、妊娠中の生活上の注意や産後の赤ちゃんのケアについても記載されていました。

この『すこやか出産ガイド』は正確な情報をわかりやすく記載していると一部で評判となり、他の施設で分娩する妊婦さんからも是非譲ってほしいと要望が寄せられるようになりました。そこで、そのご要望に応えるために、2013年5月『すこやか妊娠・出産ガイド』として1冊の本に編集し直し、出版しました。同書をまとめるにあたり、『産婦人科診療ガイドライン:産科編2011』(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会 共同作成)に準拠し、最先端の情報をできる限り加えるように心がけ、より多くの妊婦さんの役に立つように『すこやか出産ガイド』をより読みやすくする配慮を行いました。その甲斐あって、妊婦さんが妊娠中に持つ多くの疑問に答えることができる内容に仕上がり、多くの妊婦さんに読んでいただきました。

その後、『産婦人科診療ガイドライン:産科編2014』の発刊の際に第2版、『産婦人科診療ガイドライン:産科編2017』の発刊に合わせて第3版、『産婦人科診療ガイドライン:産科編2020』の発刊に合わせて第4版、そして今回、『産婦人科診療ガイドライン:産科編2023』の改訂作業を機に、内容を一層充実させ、より最新の情報をわかりやすく盛り込んで改訂第5版にあたる本書を発刊することになりました。本書を活用して、妊娠中の無用な心配を取り去って、リラックスして、楽しい妊娠生活をお送りください。この本を読んでわからないことは、遠慮なく健診を行っている産婦人科の先生に尋ねてみてください。妊娠中の検査は、よく理解して納得して受けていただき、ストレスをためないことが特に重要です。

本書が、健やかな赤ちゃんの出産と楽しい育児に役立つことを祈っております。

最後に、本書の作成にご尽力いただいたメディカ出版の里山圭子氏に心から感謝申し上げます。


2023年6月

関沢 明彦

目次

【序 妊娠を考えたときに考えること】

1 女性の年齢と妊娠しやすさ

2 妊娠前に検査しておくことで妊娠中の心配が軽減されることがあります

3 妊娠前から妊娠について考えることと備えて行うこと

【第1部 妊娠中のすごし方】

1 妊娠がわかったら

1 母子健康手帳をもらいましょう

2 出産場所を決めましょう

3 薬を飲んでいる方へ

4 分娩予定日について

2 妊娠中の健康診査(妊婦健診)

1 妊婦健診を受けましょう

2 検査内容を知っておきましょう

・基本検査

a 毎回実施する検査 b 血液検査 c 内診検査 d 超音波検査 e 胎児心拍数検査

・オプション検査(希望者のみに実施する検査)

a 血液検査 b 出生前検査

3 出生前検査について

4 妊娠中のメンタルチェック

3 日常生活で気をつけること

1 仕事

2 外出・旅行

3 たばこ・お酒

4 薬・サプリメント

5 予防接種とインフルエンザ・新型コロナウイルス

6 おしゃれ

7 妊娠中の清潔

8 歯の衛生

9 パートナーの方へ

4 からだと体調の変化

1 つわり

2 便秘

3 痔

4 おりものの増加

5 腰痛・背部痛

6 色素沈着

7 妊娠線

8 皮膚のかゆみ・発疹

9 こむらがえり

10 手足のしびれ・むくみ

11 静脈瘤

12 頻尿・尿もれ

5 食事と体重管理

1 体重管理をしましょう

2 太りすぎ、やせすぎが心配な理由

3 便秘を予防しましょう

4 貧血を予防しましょう

5 カルシウムをとりましょう

6 高血圧を予防しましょう

7 葉酸をとりましょう

6 妊娠中の運動

1 からだを動かしましょう

2 かんたん妊婦体操

3 血栓予防体操

7 乳頭・乳房のお手入れ

1 母乳には長所がいっぱい

2 乳頭・乳房の変化

3 出産前の乳頭・乳房のお手入れ(妊娠30週以降)

8 入院の準備

1 入院の準備をしましょう

2 お産が近いことを知らせるサイン

3 さあ、病院に電話しましょう

9 お産の進み方

1 お産の進み方を知っておきましょう

2 分娩後のスケジュール

3 ドライテクニックについて

10 妊婦さんのための制度

1 出産育児一時金・出産手当金

2 働く妊婦さんのための制度

付録 母体の変化と胎児の発育

【第2部 妊娠中の検査と病気】

1 検査で異常が見つかった方へ

1 血糖値測定

2 不規則抗体検査(間接クームス試験)

3 風疹抗体検査

4 B型肝炎(HBs抗原)検査

5 C型肝炎(HCV抗体)検査

6 梅毒スクリーニング検査

7 クラミジア検査

8 腟分泌物培養検査(B群溶血性レンサ球菌感染症)

9 成人T細胞性白血病ウイルス(HTLV-1)抗体検査

10 トキソプラズマ抗体検査

11 サイトメガロウイルス抗体検査

12 パルボウイルスB19抗体検査

2 先天性疾患と出生前検査

1 先天性疾患について

2 出生前検査について

3 超音波検査

4 非確定的スクリーニング検査

5 確定的な検査

6 放射線の影響

7 出生前検査で見つかることのある先天性疾患

8 遺伝カウンセリング

3 ハイリスク妊娠と妊娠中の合併症

1 高年妊娠

2 双胎妊娠

3 Rh式血液型不適合妊娠

4 妊娠初期の出血

5 前置胎盤・低置胎盤

6 臍帯卵膜付着

7 子宮頸管長短縮・頸管無力症

8 胎児発育不全(FGR)

9 妊娠高血圧症候群

10 妊娠糖尿病

11 臍帯頸部巻絡

12 肺血栓塞栓症

13 羊水量の異常

4 分娩時の“もしも”に備えて

1 早産・切迫早産

2 常位胎盤早期剝離

3 胎児機能不全

4 前期破水―早すぎる破水

5 骨盤位の分娩

6 子宮収縮薬(陣痛促進薬)の使用

7 吸引分娩・鉗子分娩

8 帝王切開分娩

9 帝王切開分娩の経験のある妊婦さんへ

10 会陰裂傷・頸管裂傷

11 弛緩出血―分娩後の大量出血

12 分娩時の大量出血

13 妊娠41週以降の分娩

【第3部 たのしい子育て】

1 入院中の注意点

1 感染防止:感染から身を守ろう

2 入院生活編

《入院中のスケジュール》

1 新生児マススクリーニング検査

2 拡大マススクリーニング検査

(新生児オプショナルスクリーニング検査)

3 新生児聴覚スクリーニング検査

《母乳を飲ませましょう》

4 母乳の長所

5 母乳のできるしくみ

6 乳頭・乳輪部マッサージ

7 抱き方(ポジショニング)

8 吸わせ方(ラッチオン)

9 搾乳の方法

10 よくある乳頭・乳房のトラブル

11 赤ちゃんがNICUに入院しているお母さんへ

12 調乳(人工乳の使い方)

13 人工乳の飲ませ方・げっぷのさせ方

《沐浴とドライテクニック》

1 ドライテクニックの利点

2 初めての沐浴

3 退院後の沐浴

3 子育て編

《お母さんとそのご家族へ》

1 はじめまして赤ちゃん!

2 赤ちゃんの特徴

3 育児のポイント

4 いつもと様子が違うとき

《赤ちゃんはなぜ泣くの?》

1 泣き声は赤ちゃんのサイン

2 あやし方

3 お母さんも気晴らしを!

《家庭での沐浴》

1 沐浴の際のポイント

2 必要な沐浴用品

3 準備

4 入れ方:ベビーバスを使う場合

5 ベビーバスを使用せずに浴室で身体を洗う場合

6 おへその手入れ

7 沐浴を中止しておきたいとき

8 肌のお手入れ

4 お母さん編

《産後の生活》

1 からだの変化

2 こころの変化:マタニティーブルーズ

3 日常生活について

4 からだとこころの調子が悪いとき

5 お母さんの産後健診について

《産褥体操》

1 産褥体操の目的

2 おすすめの体操

3 骨盤底筋群体操

《授乳期の栄養と食事》

1 授乳期の栄養

2 食事のポイント

3 母乳の分泌を良くする食事

4 貧血に注意!

《家族計画》

1 産後の避妊の必要性

2 家族計画を立てるときに考えること

3 避妊の方法

5 母乳についてのQ&A

6 赤ちゃんについてのQ&A

7 諸手続き

1 赤ちゃんが生まれたあとの手続き

2 赤ちゃんの1か月健診

【Column】

・子宮内の赤ちゃんの環境が、成人後の病気のリスクを左右する

・甲状腺ホルモンとお腹の赤ちゃん

・妊娠中の葉酸摂取は有用

・てんかんの患者さんへ

・無痛分娩

・妊婦さんもシートベルトを!

・妊娠中のあなたが喫煙すると…

・赤ちゃんにお酒はダメ

・妊娠中のビタミンDについて

・妊娠中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

・妊娠中の運動について

・歯科検診に行きましょう

・サードハンド・スモーク(三次喫煙)

・こころの変化

・妊娠中の体重増加

・産科医療補償制度

・抗HBsヒト免疫グロブリンとは

・HBVの胎内感染予防

・出生前検査にはさまざまな意見をもつ人がいます

・胎児後頸部皮下浮腫/NT肥厚について

・胎児マイクロアレイ検査

・福島第一原発事故の影響について

・葉酸と神経管閉鎖不全症との関係

・世界で初めて超音波による胎児治療に成功!

・カフェインは赤ちゃんに悪影響を与えるか?

・早産の時期に、急にお腹の張りや下腹部痛、出血が現れた場合には病院受診を!

・子宮収縮抑制薬の使用

・ビニール手袋着用にご理解を

・新生児聴覚スクリーニング検査の公費助成

・液体ミルク

・母子の愛着形成の重要性について

・産後2週間健診について

・産後うつ

【Check!】

・こんな症状があったら連絡を!

・両親学級動画をご活用ください

・入院中に避難が必要な災害が発生した場合のお願い

・赤ちゃんが十分に母乳を飲んでいるサイン

・こんなときは医師の診察を受けましょう

・赤ちゃんが泣く一般的な原因

・沐浴の目的

・診察を受けたほうがいい からだとこころの変調

・献立を立てるときのポイント

・索引

・執筆者一覧

・監修者紹介

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書籍情報

  • ISBN:9784840481939
  • ページ数:304頁
  • 書籍発行日:2023年7月
  • 電子版発売日:2023年6月15日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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