本当にあったDQNな処方せん

  • ページ数 : 156頁
  • 書籍発行日 : 2023年5月
  • 電子版発売日 : 2023年6月30日
¥2,970(税込)
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商品情報

内容

臨床経験豊富な内科医が、これまでに体験した誤った処方の数々をケース別に解説します。名のある大病院でも患者の症状を改善させるのに効果的でない、またそのエビデンスもない薬剤を漫然と処方されることに警告を発しています。紹介元の医師に忖度した処方をして症状を悪化させるケースやポリファーマシーに陥る患者のケース、意味不明のナゾ処方など、研修医、医療関係者の方には一読する価値のある内容となっています。

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序文

はじめに

DQN と書いて「ドキュン」または「ディー・キュー・エヌ」と読むのはネットの世界では1990 年代後半からの常識だそうです.1994 年から2002 年まで放送されていた素人参加型の某テレビ番組に登場した若者たちが視聴者にドヒャーと呆れかえるほど非常識な人物が多かったことから,ネットの掲示板などで,その番組のタイトルに使われていた「ドキュン」という言葉をモチーフにDQN というネット用語が生まれたそうです.今では「非常識な人を批判すると非常識な方法で報復されること」を「DQN 返し」というように,派生語も登場しているそうです.

DQN な人々は,非常識である他に,短気でわがまま,自分の間違いや問題点を指摘されると逆上しやすい,などの特徴があります.

そのため,DQN な人々とはできるだけ関わらないほうがよいとする意見も多く,DQN な人々との感情的な言葉の応酬はきわめて危険だと指摘する人もいるほどです.さらには,ネット上で詳しく法律的な視点も加えて解説されている弁護士さんもおられるようです.

「DQN という言葉は人を侮辱する用語であり,俗語である」という趣旨の判決文を名誉毀損訴訟事件の判決文において提示した裁判所もあるのだそうです.

本書は,私がこれまで小児科医あるいは内科医や総合診療科医として働いてきたいろいろな医療機関で自分の目で実在を確認したさまざまなDQN な処方せんについて書いています.

もちろんDQN 返しを受けないように細心の注意を払って原稿を書く作業を行いました.

それでもDQN 返しがしたくなる読者がいるとすれば,話題性が出て成功だといえるのかもしれませんが,なるべく穏便に願いたいと思っています.出版社の皆さんにご迷惑をおかけするわけには,いきませんものね.

この本で紹介しているDQN な処方せんはこれまでに私が複数の病院や診療所で偶然見かけたものばかりです.どれも複数の医師が処方されたものばかりを選びました.つまり,よくある間違いですね.

研修医を主な対象読者に考えて執筆した本書の狙いは,DQN な処方せんを減らしたいということであり,DQN な処方せんをする人々を糾弾することではありません.この点はしっかりとご理解ください.


2023年5月吉日

橋本 浩

目次

Ⅰ 小児編

CASE1/嘔気や嘔吐に関係なく感冒にはプリンペラン?

    錐体外路症狀をご存知ない?

CASE2/1歳児に慢性副鼻腔炎で抗菌薬

    副鼻腔がないのに蓄膿?

(COLUMN)セフゾンⓇで尿が赤くなって、便に赤いものが混じるという古い話をご存じでしょうか?

CASE3/明らかな部分てんかんにVPA

    てんかん治療の基本

CASE4/熱性けいれんはダイアップ🄬座薬

    ガイドラインを知らず、どんな症例でも

CASE5/実在しない咳止めテープ

    気管支拡張剤は末梢性鎮咳薬ではない

(COLUMN)ツロブテロール貼付剤の問題点

CASE6/不思議な吸入療法

    喘息の合併がない肺炎に抗アレルギー薬吸入

CASE7/風邪に効く薬は実在しない

    抗生剤は国が適正使用を保険点数で誘導

(COLUMN)咳とハチミツと愛着形成

(COLUMN)海外でも使われているアスベリン

CASE8/下痢にロペミン🄬一点張り

    原因がわかる前に出さないほうがよい

CASE9/溶連菌にセフェム系抗生剤?

    アモキシシリン耐性株は現時点では存在せず

(COLUMN)尿路感染症の治療

CASE10/マイコプラズマ肺炎の治療

    マクロライド系抗生物質で今も十分です

CASE11/アレロック🄬の効果発揮時間は?

    Tmaxは 1時間ですから

CASE12/吸入ができない子どもに吸入薬を処方する迷医

    インフルエンザの実質的な治療ができず、死亡例も

(COLUMN)乳児の吸入について

(COLUMN)テレビの報道解説番組のうそ:マスコミ関係者の学力低下はひどい

CASE13/抗生剤の点滴で胆石症が生じ得る

    CTRXの点滴は小児でも気をつけましょう

Ⅱ成人編

CASE1/成人に子どもの投与量で鎮咳薬

    そもそも有効性のエビデンスはない

CASE2/ACE阻害薬による咳に去痰薬と鎮咳薬を処方するむだ

(COLUMN)新型コロナと長引く咳の治療

CASE3/効かない消化管運動改善薬?

    薬用量と服薬方法

CASE4/うつ病治療に無視された糖尿病

    うつ症状は糖尿病の症状の一つです

CASE5/うつ病治療で大爆発

    向精神薬の処方をされたアルツハイマー病

CASE6/薬剤で悪化したパーキンソン病

    紹介医に忖度し患者とその家族に恨まれた専門医

(COLUMN)紹介元の医師に忖度する愚かさ

CASE7/誤診でポリファーマシー

    3つの医療機関で総計30種類超え

CASE8/芍薬甘草湯で心不全が悪化

    偽性アルドステロン症は高齢者に多い

CASE9/鎮痛剤リリカで痛い目にあう

    腎機能を考えないで処方してはいけない

(COLUMN)DQNな診療情報提供書と病棟指示:持参薬の取り扱い

CASE10/腹痛にブスコパンⓇ もほどほどに

     薬剤性腸管麻痺で激しい腹痛

CASE11/うっ血性心不全に末梢性アミノ酸製剤の点滴は禁忌

     心不全を悪化させないために

CASE12/頻脈にワソラン®投与は正しいか?

     禁忌もあることに注意

CASE13/慢性心不全に長期間多種類の利尿剤を併用し

     電解質をチェックせず、心不全が悪化した症例

(COLUMN)少なくないポリファーマシー

CASE14/便秘薬を服用したら、下痢が激しく腹痛がおさまりません

     第一選択薬にしてよい便秘薬とは?

CASE15/尿管結石の激しい痛みに座薬を使ったら喘息発作が出ました

    座薬は吸収が早い分、ハイリスクです

CASE16/急性腎盂腎炎から敗血症をきたし、DICかと心配したら…

    PPI内服症例には血小板減少が起こり得ますが…

CASE17/骨折のリスクが上がると言って,患者さんがPPI中止を希望

    PPI中止後に長年の下痢が治まって患者さんに感謝されました

(COLUMN)DQNな病棟指示:迷医の酸素療法指示は迷看護師を量産する

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書籍情報

  • ISBN:9784908083877
  • ページ数:156頁
  • 書籍発行日:2023年5月
  • 電子版発売日:2023年6月30日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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