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- 今日から始めよう!運動負荷試験
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序文
序文
2021 年に京都大学で定年を迎え、私の医師としての生活にも一区切りがつきました。1980 年に母校の和歌山県立医科大学の循環器内科学講座に大学院生として籍を置いて以来、国立循環器病センター、米国ロングビーチ退役軍人病院、岩手医科大学、京都大学とその関連病院で、循環器の臨床と研究および教育に従事してきた40 年余りでした。その中で多くの時間を運動心臓病学に費やし、関連学会での活動を中心にライフワークの一つとして活動してきました。
運動負荷試験に携わるきっかけは、医師になった時の最初の指導医のT 先生がトレッドミル負荷試験を担当されていたことによります。金魚の糞のようにT 先生について回っていたので、自然にトレッドミル負荷試験のお手伝いをするようになりました。当時、トレッドミルと心電図モニターは病棟の当直室内に置かれており、そこで負荷検査が行われていました。心電図はV5 誘導に相当する1 誘導をモニターするだけで、しかも基線の動揺やノイズの混入が不可避でした。この劣悪な環境下での経験が、著者の運動負荷試験の事始めでした。その後、トレッドミル以外の負荷心筋シンチグラフィや心肺運動負荷試験などの負荷試験にも従事してきましたが、和歌山での当直室での原体験をもとに、軸足は常にトレッドミル負荷試験に置いてきました。
著者が救急医療も含めて循環器内科医として診療にあたってきたこの時代は、虚血性心疾患の治療が保存的な薬物療法から侵襲的なカテーテル治療に移行する時代でもありました。循環器内科医が心臓外科医の「旨味を覚えた治療」と表現される先生も居られるほど、劇的な効果を表す患者さんもおられました。デバイスの技術革新も伴い、カテーテル治療は瞬く間に広がっていきました。しかし、カテーテル治療が必ずしも生存率を改善しないという事実も明らかになってきました。このようなエビデンスが蓄積されるにつれて、米国では安定型狭心症へのカテーテル治療件数は減少傾向にある中、本邦では依然として増加傾向にあり続けています。これには運動負荷試験が無駄な冠動脈造影や無駄なカテーテル治療を防ぐための「ゲートキーパー」としての役割を果たしていないことも一因と、忸怩たる思いでおりました。
そのような状況の中、克誠堂出版社の編集担当の方から運動負荷試験のテキストを出版するお話を頂きました。運動負荷試験に関してはQ & A 形式ですが既に著作もあり、それなりの評価を頂いていましたので、何をいまさらという感もありました。ただ、定年を迎えて一区切りがついた段階で、著者の運動負荷試験に関する「思いのたけ」を書き記すことが「今しかできない」重要なこと」と考えて、執筆をお引き受けしました。したがって、「今日から始めよう!運動負荷試験」には、著者の運動負荷試験に関するノウハウやチップス、さらにはゲートキーパーとしての役割など「思いのたけ」が詰め込まれています。それでいながら「負荷心電図から心肺運動負荷試験までを7 日間でマスター‼」と帯の文章にあるように、短期間で習得できるように、必要最小限のページ数の中に最大限の内容を盛り込みました。患者さんへの説明の仕方や、どのように運動を開始して中止するかといった実践的なこと、さらには心肺運動負荷試験の理論的なことまでを、検査者フレンドリーに書き下ろしたつもりです。この「極意をちりばめた究極の1 冊!」を一読して頂いた後は、運動負荷試験のエキスパートとして自信を持って頂けるものと確信しています。
なお、本書の出版にあたり多くの方々にお世話になりました。ご指導頂いた諸先生方、出版社の皆様に改めて感謝申し上げます。特に、宇治武田病院検査科の山本裕子科長はじめ検査科のスタッフの皆様には、多くの資料をご提供頂きました。京都大学の小笹寧子先生にはLesson6 の心肺運動負荷試験のいくつかの理論的な問題点に関して、重要なディスカッションを重ねて頂きました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。最後になりますが、本書が運動負荷試験に携わるすべての方々の知識と技術の向上に、わずかでも貢献できますことを心より祈念申し上げます。宜しくお願い申し上げます。
2023 年 未だコロナ禍中にある晩春の京都にて
宇治武田病院健診センター所長
上嶋 健治
目次
Lesson 0 なぜ、いま運動負荷試験を行うのか
Lesson 1 運動負荷試験の心構え:目的と概要
Lesson 2 運動負荷試験前に知っておくべき心電図に関する必須の知識
Lesson 3 運動負荷試験前に知るべき情報・伝えるべき情報
Lesson 4 運動を始めてから気をつけるポイント
Lesson 5 運動終了後の回復期に気をつけるポイント
Lesson 6 心肺運動負荷試験(CPX)のノウハウ
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書籍情報
- ISBN:9784771961159
- ページ数:126頁
- 書籍発行日:2023年6月
- 電子版発売日:2023年6月30日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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